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工程管理-③工程管理の例 [工程管理]

工程管理には工程表を作成するが、一般に工程表には、

総合工程表:着工から竣工までの主要工事の流れを現した工程表
月間工程表:全ての作業を記述した詳細工程表
週間工程表:毎日の工程打合せのため詳細工程表
竣工3か月前工程表:仕上げ工事、設備工事の完了と調整期間、受電時期、監理者、官庁検査等の詳細工程表

等を作成する。

これらは目的が異なるので作成するが、基本は総合工程表と整合していることである。総合工程表には、現場以外での工場製作(特に輸入品があれば重要である)や施工図の承認も記載する。又、主要工事しか記載していないが、クリティカルとなる作業は必ず記述し「太い線」で描く。そして「上棟」「受電」等の「マイルストーン:重要な基点」も示す。

工程が順調かどうかを「見える」ようにする方法として、月ごと(出来れば半月ごと)の管理線を引く方法がある。

工程管理例.jpg

工程管理の例

管理線が先に引かれていれば「進捗」を意味し、後に引かれていれば「遅延」となっている。各業者が参加する工程会議でこれをプロジェクターで映しだすと、どの作業が遅れているかを全員で共有することになる。遅れている業者にとっては甚だ決まりが悪い。遅延を取り戻す「強い動機付け」となるのである。

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工程管理-②PERT [工程管理]

工程管理手法に「PERT:Program Evaluation and Review Technique」がある。これは1958年、アメリカ国防総がポラリス潜水艦発射弾道ミサイルプロジェクトの一部として発明したものである。潜水艦に核ミサイルを搭載する計画で、冷戦時代に「核の抑止力:先制攻撃されても必ず報復できる」として米ソが競争して開発したものである。

出自は物騒なこの手法は、その後個別的な大規模プロジェクトの完遂に必要な作業を分析する手法であり、特に各作業完了に必要な時間を分析し、プロジェクト全体を完了させるのに必要な最小時間を算定する方法として定着した。

この「個別的な大規模プロジェクト」用というのが建設工事の工程管理にマッチングしたのであった。同じような管理手法に前のブログで記述した「クリティカルパスメソッド:CPM」があるが、基本的には同じ考えであり、特に両者を分けて使うことはない。

PERTの最も特徴的な図として「ネットワーク図」がある。ネットワーク図には、矢印を作業とする図 (Activity on Arrow) を繋げて作成する。繋げるとは、ある作業が完了しないと次の作業が出来ない関係がある場合のことである。例えば鉄筋工事が完了しないと型枠工事が出来ないから、鉄筋工事の矢印と型枠工事の矢印を繋げるのである。そのとき接合点を「ノード」という。
着工(事前作業も書いた方が良いが)から竣工までのすべての作業を矢印で表し、ノードで結合させる。又、A工事が終わらなくとも作業できるが、A工事の次のB工事を始める為に必要なC工事は「ダミーの矢印」でB工事に繋げる。

矢印の長さは作業日数(その工事の準備作業を含む)とすると分かり易い。建設工事の場合でもかなり複雑なネットワークとなり、そのネットワークは最後に竣工日のノードに繋がる。着工から竣工までの道のりは幾つかできることになるが、道のりの中でどの作業でも遅れが出ると竣工までの期日に影響する道のり(パス)を「クリティカルパス」という。

一方、クリティカルパス以外のパスには作業日数には余裕があることになる。これを「フリーフロート」という。この考えを詳しく定義すると

トータルフロート(FF):作業を最早開始時刻で始め,最遅終了時刻で完了する場合に生ずる余裕時間、ただしパス内で共有している為、1つの作業で使い果たすこともある
最早開始時刻 (ES):作業が最も早く着手できる時刻(日にち)
最早完了時刻 (EF):作業が最も早く完了できる時刻(日にち)
最遅開始時刻 (LS):全体の工期を守るために,必ず着手しなければならない時刻(日にち)
最遅完了時刻 (LF):所要時間内に工事が完了するために各イベントが遅くとも完了していなくてはならない時刻(日にち)

これらは実務的に使われることはないが、一級建築施工管理技士の試験に必ず1題出されているので、理解しておくことが必要である(一級建築施工管理技士、クリティカルパスで検索すると解説サイトがある)。

小規模の建築工事では「バーチャート」による工程表で管理するのが一般的だが、ある程度の規模の建築工事ではネットワーク図による工程表が作成されている。

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工程管理-工期の算出 [工程管理]

2020年オリンピック開催まで既に4年を切っていて、関係施設の建設はこれからが本番である。しかし建設作業員の払底から、請け負ったゼネコンの担当者にとって工程管理が最も難しい事となっている。

筆者はゼネコンの技術部署にいた関係で、見積担当者から工事の工期算定の相談を受けていた。勿論全ての案件ではなく、地下が深いとか、超高層ビル、大空間施設など特殊な工事についての工期算定である。

一般の建物であれば、用途、階数(地上、地下)、延べ床面積、構造種別から工期の算出は可能である。これには過去の工事の工期を目的変数にして、上記の用途、階数、延べ床面積、構造種別を説明変数とした、重回帰分析を行い工期算出式が出来ている。しかしながら、先の特殊な工事にはこの算定式は使えないことから、筆者への依頼となるのである。

地下が深いと先ず、山留め壁の選定が必要であり、例えば「H鋼横矢板工法」と「コンクリート地中壁」では大きく工期は変わるし、又、山留め壁の長さ(深さ)によっても工期が異なってくる。又、地下工法として「順打ち」にするか「逆打ち」にするかで大きく異なるので、地下工事が専門である筆者の出番となるのである。

工期の算定は「施工数量」を「作業員又は作業機械の数」と「施工歩掛り」で割れば「作業日数」が算出できる。種々の作業のうち関係する作業を繋ぎ合わせた「総作業日数」が工期となる。ここで「関係する作業」のことを「クリティカルパス」といい、工期に直接関係する工事の流れのことである。「施工歩掛り」は「生産性」と言う事もできる。

工期算出に当たり、

1. クリティカルパスとなる作業を見極める
2. 「作業日数」は実働なので更に機械の組み立て、搬出などの準備工事が付加する
3. 「作業員又は作業機械の数」は敷地面積や、現状の作業員の確保の観点で決める。例えば今時、鉄筋工を100人集めるのは無理であろう。
4. 「施工歩掛り」は標準的なものはあるが、建物の形状、現場への動線などを勘案して決める必要がある
5.現場作業だけでなく、工場製作の期間が「クリティカル」になる事がある
6. 「施工歩掛り」の為の実績が無い場合は、協力会社と共に検討する
7.内装工事以外は、雨天美の休業を見込む
8.近隣との話し合いによるが、作業時間、作業日の設定

等がポイントである。

工期算出は契約事項で、建築主にとって何時から使えるのかは経営に関わることから極めて重要である。特に土木工事と異なり建築工事では、一旦契約した竣工引き渡し日の変更は出来ない。一般に1日遅れると残工事分の工事費の1/1000のペナルティが課せられる。

従って、工事の初期に作成した工程表を基に、毎日の工程管理が必要である。ややもすると工事の最初は(基礎工事などは相手が自然地盤という事もあるが)ルーズになりがちであるが、竣工間際の1日と同じと考えて、管理することが重要である。竣工間際になって突貫工事となると、品質、安全、損益共に悪化してしまう。

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