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東京・丸の内の工事現場で転落、男性作業員3人死亡-足下の鉄板が外れ25m下に [安全管理]

11日午後4時半ごろ、東京都千代田区丸の内の「東京会館」ビル建て替え工事現場で、男性作業員3人が相次いで地上から地下3階に転落したと119番通報があった。40代の作業員2人と50代の作業員の計3人が全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁丸の内署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、関係者から事情を聴くとともに詳しい事故原因と身元の確認を急ぐ。

同署や東京消防庁によると、5階で50代の男性作業員が内壁の基礎工事をしていたところ、足場の鉄板が突然外れて約25m下に転落。同じ現場で作業していた40代の作業員2人とともに地下3階まで転落したという。

現場はJR東京駅や皇居に近いオフィス街。三菱地所のホームページによると、建て替え工事は東京会館ビルのほか、富士ビル、東京商工会議所ビルの3棟が対象で、共同で建て替える計画が進められていた。3棟の跡地は計約9900m2。地下4階、地上30階(高さ約150m)の超高層ビルを、平成30年10月中旬に完成させることを目指しているという。2017/8/11 産経(写真も)

東京・丸の内の工事現場で転落.jpg

「東京会館」ビル建て替え工事現場

3名が亡くなったこの事故は「重大災害」である。「重大災害」とは不休も含む一時に3人以上の労働者が業務上死傷、又は、り病した災害で、厚生労働省では重大災害について詳細な原因調査等を行い、他の災害とは別に統計・分析して重大災害統計を作成している。つまり徹底的に調査が行われ、亡くなった作業員の使用者やゼネコンに過失があると刑事処分や行政処分(営業停止など)が行われる。

事故の原因は詳らかではないが「足場が落下した」と言う記事が多いから、これは仮設の作業足場の落下のことであり、作業足場を設置したであろうゼネコンの責任がまず問われることになるであろう。

地上5階で作業していて地下3階まで落ちた、という事は普通に考えるとその様な縦穴はエレベーターか空調ダクト開口しかない。エレベーターシャフトの場合、周りを間仕切り壁で囲った後はエレベーター業者が自分らで足場を組み立てて、レール等の作業を行う。

しかしエレベーターにしろ空調ダクト工事にしろ、その工事が始まるまでは、その開口部の養生(この場合穴をふさぐこと)はゼネコンの責任である。開口の大きさで短辺が1mくらいであればそれ程厚くない鉄板でふさげるが、2m以上、エレベーターシャフトであれば3mくらいになると、簡単ではない。

鉄骨造の場合一番安易なのは、一旦デッキプレートを敷いてしまい、コンクリートスラブが出来て間仕切り工事まで終わらせてから、デッキプレートを取り除く方法である。他には鋼材(H100×100くらい、単管では強度が足りない)と鉄板や足場の組合せであろう。

工事写真を見ると高層棟はこれからまだ鉄骨建て方、外装工事が続き、下層では内装工事、設備工事が始まっている。おそらく作業員は1000名近くであろう。設備工事が別途であっても安全管理はゼネコンが統括しなければならないから、1000人近くの作業員が安全な作業ができるよう、管理する必要がある。

ゼネコンの社員はQCDSE全てを管理する必要があるから大変である。来年10月の竣工はなかなか大変で、ついD(工程: Delivery)を優先しがちとなる。開口部養生は設置時点では十分安全であっても、間仕切り工事で一部支障があってずらしたりするかもしれない。そうした場合のための維持管理が重要となる。

亡くなった3名の方の為にも原因の徹底解明と、再発防止策を広く周知しなければならない。

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足場傾き、運転見合わせ-兵庫宝塚のJR線 [安全管理]

14日午後1時35分ごろ、兵庫県宝塚市栄町3丁目のJR福知山線(宝塚線)生瀬-宝塚間の踏切付近で、足場が線路側に倒れかかっていると近くのビル工事現場の警備員から110番があった。工事現場やJRの乗客にけが人はいないという。

JR西日本によると、電車の運行に支障があるため、福知山線は塚口-新三田間で上下線の運転を見合わせている。

兵庫県警によると、足場は縦約5m、横約10mにわたり折れ曲がり、一部が線路上の電線に触れた状態になった。電車への接触はなかった。ビルは3階建てで改修中だったが、足場での作業は行われていなかった。強風にあおられた可能性があり、県警が原因を調べている。2017/3/4 産経(写真も)

足場傾き、運転見合わせ 兵庫・宝塚のJR線.jpg

JRの線路側に倒れた工場用の足場

他の報道では、当時、風速10m前後の風が吹いていたそうで、足場に張られたメッシュシートが風であおられ、足場が倒れ込んだ。原因は足場繋ぎの強度が足らなかったのは明らかである。風速10m位は何時でも起こりうる風であり、今の季節は高気圧、低気圧が交互に入れ替わり、その都度「春風」が起こっている。

足場繋ぎ事故は毎年どこかで生じているが、何れも足場繋ぎの強度不足が原因である。強度とは、足場繋ぎ金物単体の強度と、金物の数、即ち横方向と縦方向の間隔である。

労働安全衛生規則には「枠組み足場」の場合には垂直方向で9m、水平方向で8m間隔以内に「壁つなぎ(足場繋ぎ)」を設けなければならない。「くさび緊結足場」及び「単管足場」では、垂直5m、水平5.5mとなっている。

しかしこれは「法律」という最低基準であって、シートなどを張った場合、風が強いと予想されたら外すことが前提なのである。従って多くのゼネコンでは「枠組み足場」では垂直は3.4m(2層)、水平は5.4m(3スパン)としているところが多い。

この事故現場では写真で見ると「ブラケット」が見えるから「単管足場」である。従って法令違反かどうかは、先ず壁つなぎが垂直5m、水平5.5m以下であったかどうかである。そして写真ではメッシュシートが張ってあるから、足場の強度計算をすればおそらく強度不足である。

壁つなぎ金物単体強度については、各メーカーによって異なるが、およそ500kg/ケである。これは幾ら強度を大きくしても、足場は「クランプ」で緊結されるので、クランプの強度が500kg程度だからである。

又、改修工事では新築と違って、壁つなぎを取り付ける場所が限定されることがある。更に「後施工アンカー」で壁つなぎとすることも多いが、この「後施工アンカー」は鉄筋に当たると使えないし、コンクリート強度が低下していた場合などでも、信頼性は低い事に注意しなければならない。

筆者の初めての現場がJR山手線に面していたので、鉄道近接工事の安全に対しては十分勉強した。第三者災害防止は勿論であるが、何しろ山手線を1日止めたらその工事の請負金額と同じような賠償金を請求される、と聞いていたからである。

報道ではJR福知山線を6時間止めたそうであるが、賠償請求は幾らになるのであろうか?

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建設業の労働災害-2 [安全管理]

建設業の労働災害の種類は

・墜落 39.5%
・自動車等 13.3%
・建設機械 11.7%
・飛来落下 7.2%

が上位を占めており、ここ数年傾向は変わらない。墜落、飛来落下は30年前もそうであったが、最近の傾向としては「自動車等」が挙げられる。これの中身は主に資材搬入で入ってきた車両が、資材を下ろす時に起こす事故なのである。「荷崩れ」「運転手の墜落」等である。

災害原因を調べてみると、「不安全な設備」は多くなく、一番の原因は「個人の不安全行動」と言われている。つまり「ヒューマンエラー」と言われるもので、「安全帯を使用せずに墜落」、「バックしてきた重機に衝突」などである。

しかしながら「ヒューマンエラー」は必ず起こりうるものであり、その為には「フールプルーフ」として、人間が間違えても作動しない、等のシステムが必要とされる。最近の自動車事故で、ブレーキとアクセルを踏み間違えが多く、自動車メーカーは喫緊の課題としてこの対策に取り組んでいる。

さて建設現場は安全対策が難しい、ともいわれている。その理由は、建設現場では

1.作業員の雇用期間が短く、その工事の習熟までに至らない
2.多業種の専門工事業者が現場にいて、各々初対面が多い
3.作業内容が日々変化し、十分な情報共有が難しい
4.単品受注生産であり、作業標準が前の現場と異なる

等が一般の製造業と異なり、安全管理上の困難さとなっている。

ヒューマンエラーを防ぐ具体的な安全管理活動としては、以下を行っている。

・作業標準書の作成(特にその工事の特殊性を記述する)
・月間作業における危険作業の洗い出しを行い、職長に周知
・毎日の作業開始前の作業内容の説明と危険作業を全員に周知
・TBM(ツールボックスミーティング)でのKY活動(危険予知活動)
・KY活動を通じてヒヤリハットの蓄積・共有
・ゼネコンと職長による安全パトロール
・危険作業はひとりでやらずにペア・コンビで行う
・現場での声のかけあい(危険を指摘しあう等)
・専門工事業者での職長や安全衛生責任者等の教育・訓練(ゼネコンの協力)
・専門工事業者での作業員に対する安全衛生に関する教育・訓練(ゼネコンの協力)
・専門工事業者での作業員の技能教育・訓練(ゼネコンの協力)

この様な地道な活動を30年続けてきたからこそ、今の建設業の災害率の減少になったのである。 

今建設業は、東北、熊本の震災復興に加え、2020年オリンピック関連工事と堅調な民間工事により工事量が増大している。その為作業員の高齢化とともに、作業員の不足は深刻化している。この対策は唯一、建設工事の生産性を上げることが最も肝要であり、そうすれば作業員の収入は増え、他産業に流れた若年労働者を呼ぶことが出来るのである。

安易に労働者の移民を行えば、賃金の低下を招き、又、安全管理上も極めて問題である。こうなると日本の若年労働者が入って来なくなり、建設業は衰退するであろう。

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建設業の労働災害 [安全管理]

建設業と言えば、「危険」「きつい」「汚い」の3Kと言われている。危険について建設業は労働災害が多い、と思われているが果たしてそうであろうか?厚生労働省の発表によると、平成27 年における労働災害発生状況について

1.全産業
・死傷者数116,311 人(前年比△3,224 人、2.7%減少)
・死亡者数972 人( 同△85 人、8.0%減少)
・重大災害278 件( 同△14 件、4.8%減少)
2.業種別死傷者数
・製造業26,391 人(前年比△1,061 人、3.9%減少)
・建設業15,584 人( 同△1,600 人、9.3%減少)
・陸上貨物運送事業13,885 人( 同△325 人、2.3%減少)
・第三次産業52,308 人( 同△77 人、0.1%減少)
3.死亡者数
・全産業972名
・建設業327名(全産業の33.6%)

となっており、確かに建設業は4業種の中の1つに分類されており、如何にも災害が多いように思われるだろう。
しかしながら、死傷者数の絶対値だけを見れば多い業種として挙げられているが、統計学的にはどうであろう。災害発生率を現す指標として、「度数率」及び「強度率」がある。各々、100万時間、1000時間当たりの災害発生率である。

度数率=労働災害による死傷者数×1,000,000/延実労働時間数、つまり死傷者の割合
強度率=延労働損失日数×1,000/延実労働時間数、つまり休業した割合

強度率度数率の推移.jpg

産業別労働災害率(平成27年).jpg

図-1は全産業の労働災害率の推移である。度数率は概ね1.6、強度率は平成27年では0.07となっている。図-2は産業別の平成27年度の労働災害率であり、建設業の度数率は0.74、強度率は0.02である。この災害率は他の産業に比べてむしろ少ないと言えるのである。

建設業の死傷者数の絶対値が多いのは、就業者数が多いからであって、統計的には災害率は他の産業に比べてむしろ少なく、決して「危険」な産業とはいえないことがお分かりいただけただろうか?

しかし昭和62年の調査によると、全産業の度数率は2.22に対し、建設業は2.55、強度率は全産業が0.20に対し建設業は0.54であった。何れも建設業の方が大きかった。死傷者は全産業で232,953名、建設業は68,355名、死亡者数は全産業が2342名に対し建設業は983名(全産業の42.0%)であった。

建設業がこの30年間で如何に安全管理を重視してきたか、数字が示している。

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