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予想降水量で中小河川の氾濫警告-避難自治体「見ていない」 [自然災害]

5日午後2時50分時点の「洪水警報の危険度分布」。朝倉市内の複数河川ですでに「極めて危険」を示す濃い紫が現れている(気象庁提供)福岡、大分の両県で記録的大雨が降った前日の4日から、気象庁は新たな防災情報「洪水警報の危険度分布」の運用を開始した。国土交通省などの水位観測による「指定河川洪水予報」が設定されない中小河川で威力を発揮するとされていた。

気象庁が公式サイトで始めたのは、3時間先までの予想雨量を基に洪水警報が出る危険度の高さを1キロ四方ごとに示した地図。10分おきに更新され、危険度を5段階で色分け表示する。中小河川も含めたほぼ全ての約2万河川が対象。

雨脚が強まった5日午後1時20分、福岡県朝倉市内の桂川や黒川などで5段階中2番目に危険度の高い「非常に危険」を示す薄紫色が出現。同30分には最高レベルの「極めて危険」の濃い紫色も現れ始めた。この直前の同14分、県内に大雨洪水警報が発表された。従来情報では把握できない中小河川や上流部の洪水予測はできているようだ。では、現場の朝倉市は午後2時26分に市内全域に避難勧告を発令。気象庁が避難を勧める薄紫色が現れてから約1時間後だった。2017.7.6 22:55 産経

記録的な豪雨に見舞われた九州北部の福岡、大分両県で6日夜、福岡県朝倉市で3人の死亡が確認され、死者は同市と大分県日田市で計6人となった。数十年に一度の豪雨と報道されていたが、数十年がどれくらいなのか、Wikiで調べてみた。

福岡県での豪雨

1953年6月25日 - 29日 九州北部の河川のほとんどが氾濫。九州電力夜明ダムが決壊するなど浸水被害甚大。死者759(259)名、浸水家屋45(20)万棟以上。()が福岡県

1999年6月29日    1時間雨量は福岡市で79.5mm。博多駅の地下街が水没し、都市型自然災害として問題となった。

2003年7月18日 - 21日 九州全域。1時間雨量は福岡県太宰府市で104mm

2012年7月11日 - 14日 福岡県杷木地区の2828世帯7634人に避難勧告。14日、福岡県柳川市、八女市の一部(矢原、犬馬場、宮島、泉島、星野村、上陽町など)、みやま市、筑後市の一部(矢部川沿いの4つの地区)、朝倉市、うきは市の一部に避難指示が出た。7月14日13時20分頃、九州地方整備局は、福岡県柳川市大和町六合を流れる矢部川の堤防が50メートルにわたって、支流の沖端川の高さ6メートルの堤防が150メートルにわたって決壊したと発表した。

以上は福岡県としての被害状況で、他府県も被害は出ているがここでは記載していない。こうして見ると豪雨被害は60年間に4回起きているので、数十年に一度ではない。となると上記の最初、1953年の「昭和28年西日本水害」の大水害以来と言う事になる。

筆者は水害や土砂災害に詳しくないので知らなかったのだが、今回の様な大災害となって初めて調べてみることにした。確かに「昭和28年西日本水害」と言うのは凄まじい。特に1953年は全国で水害が発生しており、総被害額は国家予算の約半分だった。この災害を契機に治水事業計画の見直しがなされ、毎年整備が進められて現在も続いているのであった。

ところで表題の件であるが、せっかくの警報システムを開発して伝えても、肝心の自治体の対応は定かでなく、結局担当職員が見ていなかった、と言うお粗末である。担当部署としては職員個人の責任にしようとしたのだろうが、同じく職員が気付かず高齢者グループホーム「楽ん楽ん」で10名の被害者が出たのは記憶に新しい。

こうなると役所に頼らず、日頃から洪水が出そうな大雨が予報されたら各個人が気象庁の予報等情報収集して避難するのが一番であろう。そして避難所に指定されている所では、自主避難してきた人を追い払ったら厳罰に処す、というのがよい。避難に迷ったり、判断できない人は自治会の役員に相談することが必要である。

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有難うございます

台風通過後に「線状降水帯」が出現-島根県の特別警報で気象庁会見 [自然災害]

島根県に5日午前6時に出された大雨特別警報について、気象庁は同日午前7時から記者会見を開き、今回の大雨は台風通過後に梅雨前線が南下したことで、積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」が形成されたとの見解を明らかにした。島根県の大雨は5日昼前ごろまで続く見通し、同庁は土砂災害や浸水害に強い警戒を呼びかけている。

気象庁によると、5日未明にかけて列島の東海上へ抜けた台風3号の影響で湿った空気が残っていたところ、大陸側の高気圧に押されて梅雨前線が南下。前線に沿う形で東北南部から中国地方にかけての範囲で「狭い雲の流路」(同庁)ができた。そこへ太平洋高気圧の縁を回るように温かく湿った風が断続的に流れ込み、大雨を降らせる積乱雲が次々と狭い範囲に集中した。

線状降水帯は長さ300km、幅50kmに及ぶこともあり、数時間にわたり猛烈な雨を降らせ続ける。平成27年の東日本豪雨、25年の広島土砂災害で原因となり、甚大な被害をもたらした。

気象庁は島根県では多い所で6日午前6時までの24時間雨量150mmミリと予想。梶原靖司予報課長は「非常に狭い範囲で猛烈な雨になっている。ただちに避難するなど適切な行動を取ってもらいたい」と最大限の警戒を求めた。2017.7.5 08:03 産経

気象特別警報発表中.jpg

気象特別警報発表(気象庁)

台風3号は4日朝に長崎市付近に上陸し、断続的に雨を降らせながら、九州、四国、本州を東へ進んだ。 台風の上陸は今年初めてで、5日朝には日本の東の海上で温帯低気圧に変わっていた。総務省消防庁によると、新潟、熊本、大分の3県で計4人が負傷した。また、福島、新潟、富山、石川の4県で、住宅計67棟の浸水被害があった。

しかし台風一過、これで天気が良くなると思いきや、西日本、特に島根県では特別警報が出されている。気象特別警報が発表された場合、当該地域は数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況にあるから、大変な事態なのである。筆者の所では昨夜は強い雨が降ったが、今朝はチワワの散歩が出来て、広い日本ではまだ深刻な状況の所があったのである。

「線状降水帯」という言葉は,2014年8月の広島県での大雨以降,頻繁に使われるようになったようである。従って、線状降水帯は「線状の降水域が数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞することで,大雨をもたらすもの」とされる。

降雨をもたらす雲に居座られたら大変困るのだが、改めて日本は70%が山であり、山は大雨が続けば土砂災害は不可避のようである。そして山間に多くの人が居住しているので、こうした災害が予見されると避難するのであるが、平地に住む筆者には想像できない大変なことだと思う。

現代でも雨台風が来るたびに土砂災害や洪水、浸水等の被害が起きてしまい、多くの被災者が出る事になる。社会的損失をくい止められないのである。まして以前は毎年のように起こるこれらの自然災害に対し、人々は「山の神様」にお願いするしかなかった。川の神様は災害だけでなく、稲作のこともお願いする。つまり日本では御一人の神様ではないのである。アニミズムである。各地で行われる御祭は今後も続くのであろう。

ところで「警報」の報道であるが、報道では「丁寧語」が使われる。「避難してください」「直ぐに避難をお願いします」などを聴いても不思議に思わないが、考えてみれば何も気象庁や報道記者が頼む事柄ではない。「避難が空振りに終わる「恐れ」は持たないでください」と言うのもあった。流石にこの表現は違和感があったが、総じて日本語の持つ美徳なのだろう。

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有難うございます

河川の増水予測外しまくり-国交省、モデル大幅見直しへ [自然災害]

大雨で増水した際に国土交通省などが特定の河川に対して発表する「指定河川洪水予報」について、過去5年間に行われた水位予測のうち、予測通りに水位が増減したのは約60例中で数例にとどまることが1日、同省関係者への取材で分かった。精度の低さが浮き彫りになった形で、同省は検討会を立ち上げて精度の大幅向上に乗り出している。

国交省は指定河川の水位予測状況を検証するため、各河川事務所を通じ、直近5年以内に発生した増水時の予測データを約60河川で1ケースずつ抽出し調査。1時間ごとに出される1~3時間先までの水位予測を実測値と比べたところ、上がるとした予測より早く実測値が上がったり、下がるとした予測が実測値では上がるなど、予測と実測値が一致しないケースが多かった。判定基準はないが、概ね一致したのは10ケース未満だったとみられる。2017.7.2 07:29 産経(写真も)

平成27年9月、茨城県常総市.jpg

東日本豪雨で鬼怒川の堤防が決壊 平成27年9月、茨城県常総市

このところ西日本では大雨が続き、各地で土砂災害、浸水等の被害が出ている。これから本格的な台風シーズンを迎えるから、土砂崩れ、河川の氾濫などが予想される。毎年のように繰り返されているから、災害は予想ではなく、必然のようにさえ思える。

こうした中、この記事は先進国日本としては情けないものだった。地震や火山活動の予報は数十年単位のデータ解析が必要だから、確率論的に困難であるが、大雨は毎年起こるものだし、ある河川の情報は現にそこにあるのだから、丹念に調べれば予測の為のデータはかなり詳しく整うはずである。津波予測のように海底の起伏を調べるよりはずっと容易なはずだと思える。

大雨の予報は数日前に出されるし、当日になればかなりの精度で時間当たりの降雨量、そして総量も予測できるのではないか。であれば後は河川工学の出番であり、河川の水位予測からその地域への警報は人命を守る重要な使命である。その警報があやふやでは困る。勿論、安全を見て全て避難命令ではオオカミ少年になってしまうが、せめて2回に1回は当ててもらいたいものだ。

50年、100年に一度の大雨に対して堤防が必要という政策の根源は、河川工学の知見である。スーパー堤防等は完成までに後十年以上掛ると思うが、それは税金を使っての大事業であり、その根拠があやふやでは国民の理解は得られない。

河川工学について筆者は知識が無いが、おそらくかなり古い学問で、もしかしたら理論的には完成されているのかもしれない。何しろデータは豊富に得られるのである。後は降雨量を入力すれば水位が分かるのではないか?もしそうであるならば、河川工学は学生には人気が無いのではないか?古い「名著」を基に毎年同じ講義であれば当然人気が出るはずはない、と思う。

例えば利根川は毎年の氾濫や、田圃への用水の為に人為的に流れを変えてしまったという。まだ「河川工学」として学問的に確立していたわけではないが、時々の技術者が生涯をかけて行った治水事業であった。その技術は脈々と受け継がれてきているはずであるが、どうなのだろう。

悪い冗談であるが、予報が70%当たる人より、10%しか当たらない人の方が貴重である。10%の人の反対を信じればよい。

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有難うございます

大分で地割れ81カ所-棚田での地滑りの可能性 [自然災害]

大分県豊後大野市の朝地町綿田地区で少なくとも81カ所に地割れが見つかり、市は22日、国や大分県などの関係機関を交えて対策会議を開いた。原因を解明するためのボーリング調査をしたり、農業被害を確認したりすることを決めた。市の担当職員らは現地を視察し、地割れの状況を確認した。

市によると、同地区で道路や水田に地割れが生じているのを、住民が16日に発見。市は22日までに、縦約400m、横約300mの範囲で81カ所の亀裂を確認した。大きいもので長さ約80m、幅約30cm、深さ約1.5m。地下水が引き金になっている可能性もあるという。けが人はいないが、敷地内に地割れが生じた民家が1軒あった。地滑りが起こる可能性を考慮し、市は3世帯10人に避難を勧告した。2017/5/22 産経

朝地町で地割れ.jpg

地割れの状況(大分合同新聞)

報道の豊後大野市の朝地町綿田をGoogleMapで見ると、山間にある地形で棚田が作られている地域である。道路や棚田の部分は人工的に山を切り土して作られたように見える。この部分に集中してひび割れが発生しているようである。

報道はネットで発信され、その後テレビ中継も入っているが、ヘリコプターによる撮影と思われる映像も流された。しかし全体像が分かる説明はなされていない。地滑りが原因とすれば、先ず全体像が分からないと判断がつかない。

最近、ドローンによる撮影を行い、地形の起伏などをコンピューターで3次元処理することが多く行われているが、今回の地割れについても早急に調査すべきである。

地割れの原因として考えられるのは

1. 地滑り
2. 地下に空洞があり、陥没の前兆
3. 地震による断層が表面に現れる
4. 近くで地下工事が行われ、山留め壁が大きく変形した
5. 地震時に「港湾」「河川」近くで「側方流動」が発生した

等である。

今回は上記のうち、2.であれば時間的にもう陥没しているし、又、空洞(例えば安山岩を採掘)があるとは思えない。3.について、断層は1列でほぼ直線になるから原因ではない。4.はテレビ報道では工事は無かった。5.についても熊本地震はもう1年前であるから、原因とは考えにくい。

従って1.の地滑り、と考えるのが常識的な見解である。この地区では1か月前に90mm近くの豪雨があったそうで、地盤には多くの雨水が浸透していると考えられる。又、棚田に水を張っている時期であり、その一部が枯れているので地割れが発見された由なので、地下水の影響が大きいと思われる。

この地区は過去にも地滑りがあり、「地滑り防止地区」に指定されていた。地滑りの防止には比較的急傾斜の固い地盤であれば、「地盤アンカー」で地滑りする表面を深く強固な地盤に緊結する方法がとられる。「フリーフレーム工法」等である。

しかし今回の場合は、緩傾斜の地盤で、且つ、表層は柔らかく田圃に使われており、「フリーフレーム工法」では適用できない。雨水が浸透して透水性の層に溜まり滑りが生じるが、その透水性地盤から地下水を汲みあげるのは、相当大変な作業量(井戸の本数が多い)となる。

大事地震時に港湾で発生する「側方流動」を抑える(低減する)工法に地盤改良がある。これは平面的に格子状に施工するもので、地震力に対して抵抗するものである。しかしこの地域での採用にはコストがかかり過ぎると思われる。又、「抑止杭」も考えられるが、固い地盤が浅く表れない限り採用できない。

テレビで紹介されていたが、滑る方向の下部に盛り土して抵抗させる方法があり、過去にもやられたようで、これも中々大変な作業量となるが、おそらく今回も行われるのではないか?

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有難うございます

関東落雷、3都県の9200軒で一時停電-地震、雷、火事… [自然災害]

3日午後、関東地方は局地的に激しい雨や落雷に見舞われた。東京電力によると、午後7時45分頃、東京、千葉、茨城の3都県の最大約9200軒で落雷が原因とみられる停電が発生。約1時間後には全て復旧したという。

また、埼玉県所沢市の西武新宿線新所沢駅では午後5時40分頃、落雷によって信号機が故障。一部区間で約1時間半運転を見合わせ、4万6000人に影響した。2017/04/04 読売

昨日、確か6時少し前、前兆なしですごい落雷があった。轟音だけでなく、地響きのような震動を感じたのである。5時にチワワの夕方の散歩に出た時、雨がぽつらぽつらと降っていたので、これから今夜にかけて小雨になるかなと思っていた。

突然の落雷だったので驚いたが、直ぐにエアコン、パソコンの電源を切り、接続コードを抜いた。雷の影響により発生する、過渡的な異常高電圧「雷サージ」によって家電製品が故障してしまうからである。冷蔵庫までは気が回らなかった。そして15分位様子をうかがってから、元通りにした。

落雷によって建物自体が損傷を受けることは知っているが、それがどの様なものかは、筆者には殆ど知識が無い。火災が起きることくらいである。しかし火災保険に入っていると、契約内容にもよるが、家具も対象にしていれば、落雷時に家電製品が故障した場合補償がされる。しかし3万円は免責だし、修理には時間が掛って不便だから、電源を切ってコードを抜くのが良いと思う。

雷サージによる被害を軽減するための、いわゆるサージプロテクタとして、コンセント取り付け型あるいはテーブルタップ型の器具なども市販されている。しかし効果のほどはどうなのだろうか?特に効果がありそうな電源タップは高価であるから、どうなのか?ネットで調べると懐疑的な意見も多い。

やはり雷が鳴り出したら電源コードを引き抜き、人間は感電から守るため、家の中心部にじっとしているのが良い。絶対窓のサッシに触ってはいけない。家のチワワは、昨日は脱兎(犬だから変か)のごとく窓際のサークルから飛び出して、家の中心近くに逃げ出した。

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有難うございます

洪水と浸水対策の建築 [自然災害]

今回の台風10号では多くの方が亡くなり、家を流されたり、床上浸水などの被害が生じている。亡くなられた方のご冥福とご遺族にはお悔やみを申し上げます。又、被災された方々にはお見舞い申し上げます。

近年、毎年のように台風や大雨、そして大地震によって多くの被害が起こっている。真に日本は災害の多い国である。台風はフィリピン沖で発生した温帯性低気圧が、台風に成長して、何故か日本に来るようになっている。地震についても太平洋プレートが日本の前で潜り込んでいるのである。

日本は古来より木と紙でできた家に長く住んできている。これは木材が豊富なことによるが、3匹の子豚ではないが、やはり木の家は風には弱い。屋根を軽くすれば木の家は耐震性があるが、火災の問題があって瓦屋根の家が多く、今回の熊本地震では倒壊した建物のほとんどが瓦屋根であった。

大地震対策については既に何回か書いているので、洪水と浸水対策について考えてみたい。これから書くことは現実的には実施するのが難しいと思われるが、政府や自治体が補助をすれば出来なくはないことである。

終の住処や他のブログで、土地選びについて斜面や低地は避けるべきと再三書いてきた。しかしこれは偶々筆者が平らで幾らか丘になっている処をみつけたから言えるのであって、先祖代々住み続けた人々の事情を分かっていない事は承知している。

先ず、家の背面に山がある場合の建築である。これは大規模な斜面崩壊(深層崩壊)には抵抗できないが、表層地盤の崩壊程度の対応であれば、建築的には可能である。構造は鉄筋コンクリート造として、地下室を作る。地下室を作れば大抵基礎は直接基礎として成立するだろう。地下室の方が、杭基礎より水平抵抗力がはるかに高い。そして背面側には窓は作らないことだ。

これは、例えば東京都の新宿区などでは、急傾斜地で背面に擁壁があるところでは鉄筋コンクリート造にするよう指導される(ただし擁壁の強度確認が出来れば別)のと同じ考えである。鉄筋コンクリート造にし、地下室を作るのはかなりの建築費が掛かるが、100年、200年と使うことを考えればどうであろう。

河川の堤防近くにある家々は大雨の度に洪水の不安に駆られていると思う。元々は田圃だったところだと思うが、河川の氾濫が過去にあるような場所では「高床式住宅」はどうか。やはり鉄筋コンクリート造で人工地盤を作るのである。高さ5mの人工地盤で、住宅はその上に置く。1階部分は駐車場と物置程度にしか使わない。避難用のボートを置いて置くのも良いだろう。20坪の人工地盤は1000万円くらい掛かると思うが、土地代と併せて考えれば検討の意味があるのではないか?

東日本大震災では、海洋型大地震の時に発生する津波によって2万名近くの方が亡くなった。今は高台への移転が行われているが、勿論土地があれば当然の方策である。又、海岸には景観を損なう巨大な堤防が作られている。しかし漁港の市場は堤防の内側では成り立たないから、いざという時の避難場所の確保が必要である。

シンガポールは地盤が悪く、地下室を作るには地上に工比べ事費がはるかに高くついてしまう。従って日本では駐車場は地下室に作ることが常識(延べ床面積の優遇措置もある)なのだが、シンガポールでは駐車場は地上に作るのが常識となっている。さすがに1階から3階くらいは様々な用途があるから、4階から6階が駐車場となっている建物が多い。

これを見習って、津波の恐れのある海岸近くでは、4階までをすべて駐車場(ピロティ)にするのはどうであろう。1階は簡易な造りの店舗にして、津波が来たら壊れて、津波による本体の建物への衝撃力をかわすのである。5階から上は事務所なり住宅なりにすれば避難場所にもなって津波対策の建物になるだろう。












家具を固定するL形金物は、壁板の奥の柱(又は1/3柱)に取り付けましょう



高齢者グループホームの人災 [自然災害]

高齢者グループホーム「楽ん楽ん」などで死者計10人を出した岩手県岩泉町に台風10号が接近した8月30日、町が一部地域に避難勧告を発令したにもかかわらず、県が少なくとも5時間は把握していなかったことが1日、分かった。県は町とスムーズに情報共有できなかった原因を調べる。

県によると、岩泉町は8月30日午後2時、町役場から北側の一部地域に避難勧告を出した。しかし県側には伝わらず、午後7時現在で集計した市町村の避難勧告、指示の発令状況に、岩泉町の情報は含まれていなかった。9/1産経

高齢者グループホーム「楽ん楽ん」は、隣接する高齢者施設「ふれんどりー岩泉」と同じく社団医療法人「緑川会」が運営する、認知症患者を受け入れる施設である。木造平屋建ての収容人数9名の規模の小さい、おそらく家庭的な施設であり、詳しくは分からないが少なくとも家賃は25500円と良心的である。

所在地はすぐ脇に小本川があり、典型的な山間部、すなわち渓谷といってよい地域である。地理院地図を見ると小本川の「河川敷」に建っている。小本川は地形上蛇行しているが、河川敷範囲の中でも細かく蛇行しているように見える。

小本川は数年ごとに洪水が発生し、住宅や農地が浸水している。平成23年9月には大雨による氾濫で今回のグループホームも床下浸水していた。岩手県は県内312河川のうち28を水位が一定の高さを超えると市町村に危険を知らせる対象に指定しているが、しかるに何故か、水位観測のモニターはしていたようであるが、小本川は対象外だった。

こうしてみると、先ず、緊急時に避難が難しい高齢者施設を、洪水が度々起こっているような場所に作ること自体が間違っているように思う。勿論、このように思えるのは都会の平野に住む筆者には、山間で生活せざるを得ない人たちの暮らしを本当には理解出来ていないからなのだろう。

「河川敷」に建設せざるを得ないのであれば、隣接する高齢者施設「ふれんどりー岩泉」のような(おそらく)鉄筋コンクリート造の3階建てにすべきであろう。勿論エレベーター設置は当然である。しかしこれも、家賃を低廉にするため、との言い訳はあるのだろう。

こうなると最後のフェイルセーフは迅速な情報伝達である。地震(津波は警報により被害低減が出来るが)と違って台風情報は数日前から気象庁が発表しており、県なり市役所なり、その地域の災害履歴を熟知している担当官が警報を出すことだ。又、人命を預かる高齢者施設の経営者は役所からの指示に対して的確な対応を出来るように、訓練を欠かさないことである。

今回の悲惨な事故は、未曾有の台風が原因であることは間違いない。しかし、いくつものフェイルセーフの内、一つでも実行できていれば防げることが出来たのではないだろうか?

現代は「神頼みだけでなく」、自ら災害から守るようにする、あるいは少なくとも人災は起こしてはならないと思う。「神頼みだけでなく」、と書いたのは「人事を尽くして天命を待つ」という意味である。












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舫い結び [自然災害]

極めて珍しい経路をたどった台風10号は東北や北海道に多くの被害を出した。太平洋側からの東北地方への上陸は観測史上初めてであり、又、北海道も台風上陸は少なく、経験の少なさから被害が大きくなったのであろう。亡くなられた方のご冥福と、被害を受けた方にお見舞い申し上げます。
台風が来ることが分かると港では船が流されないように、埠頭にある「舫い」に船舶をロープで繋いでおく。「舫い」とはL形のフックであり、フックと言っても直径は大きいものでは1m以上もある。或る程度径は太くないと、ワイヤーロープが折れてしまうので、プロポーションは可愛い。この「舫い」に太いロープを巻いて結ぶのだが、普通の「固結び」では強い力が働くと解れてしまう。そこで昔から行われている結び方が表題の「舫い結び」である。
もやい結び.jpg

この舫い結びを覚えたのは筆者が新入社員で、現場に配属された時である。鳶の作業員が立ち入り禁止等の「安全ロープ」を張る際に結んでいた方法であった。鳶の職長に教えてもらって、偶に安全ロープが外されたままになっていた時に、自分で張り替えることが出来た。
「舫い結び」はワイヤーロープにも使えないことは無いが、ワイヤーロープは特に外れやすく、危険なため、「玉掛け:荷物を吊る作業」用には端部が輪の形状になっていて、それを「シャックル」で結ばなくてはならない。ゼネコンの社員は「玉掛け」はしない。
家では3年前に大風のときに、まだ十分根が張っていなかったオリーブの木が倒れてしまった。その為家にフックを取り付け、ロープで引っ張ったのである。この時「舫い結び」を使って木に結び付けたのであった。覚えておかれるとよいと思う。












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スーパー堤防(高規格堤防) [自然災害]

今回の台風では各地で川が氾濫し、大きな被害を受けている。特に北海道ではあまり洪水災害経験が無いことから、対応に追われたようである。又、収穫間近の玉ねぎやジャガイモの被害は、今後価格の高騰となるだろう。

洪水防止のために堤防が築かれるが、一般の堤防では一部の決壊が起こるとそこが大きく広がって、早い濁流が低地になだれ込む。「蟻の穴から堤も崩れる」という諺があるが、実際、鼠によってつくられた孔から決壊に至った例もあるという。

このような堤防に対し、国が進めているのが「高規格堤防」で通称、「スーパー堤防」である。これは図のように一般の堤防に比べ、ゆるやかな勾配を持つ幅の広い堤防である。
スーパー堤防.jpg

スーパー堤防

広くなった堤防の上は、通常の土地利用が可能で、新たな街づくりを行うことができる。つまり、現在住んでいる人には他に移転してもらい、堤防が出来た後再び戻ってくることも可能である。

堤防の幅を非常に広くして破堤を防ぐ高規格堤防は、地震にも強く、万が一計画を超えるような大洪水が起きた場合でも、水が溢れることはあっても緩やかな浸水であり、濁流となることは無い。又、傾斜は1/30程度と緩やかで、歩行がきつくは感じられない程度である。

しかしこの事業は用地の買い上げや、造成に巨額の費用が掛ること、そして工期も長い。現在、江戸川、荒川、多摩川に整備中であるが完成までにはまだ多くの時間が掛ると言われている。

その様な整備状況の中、2015年9月関東・東北豪雨は、茨城県常総市付近では10日早朝より鬼怒川の数か所で越水や堤防からの漏水が発生し、12時50分には同市三坂町で堤防1か所が決壊した。これにより常総市では鬼怒川と小貝川に挟まれた広範囲が水没した。この川に対しては「スーパー堤防」の計画は無い。あまりに工事費が掛るからである。

「スーパー堤防」の造成のためには多量の土が必要となるが、この土は本来、造成用の「粒度分布」の良いものが締め固め効果は高い。しかしこのような土は、山を切り崩した「山砂」か、地下室などを掘削した土で、粘性土(埋め土には不向き)以外のものとなる。従って供給量は限られる。

一方、市街地では地下室のための掘削以外に、杭工事での掘削土が発生する。しかしこの発生土は産廃法上「汚泥」となり、通常は造成工事には使えず、廃棄物処理が必要となって工事費の増加になっている。そしてこの廃棄物の最終処分場が関東では払底しており、不法投棄が絶えない。

こうしたことから、現場で発生した「汚泥」に固化剤を添加する、或いは脱水処理を行えば、「スーパー堤防」の造成のための材料になると決められている。地下室のための掘削土も粘性土であると造成には使えないが、やはり固化剤を添加することで「スーパー堤防」に使えるのである。当に一石二鳥の方策である。

従って建設業界としては「スーパー堤防」は大歓迎なのだが、奈何せん、土地の収用や工事費負担で、財政上簡単にはいかない。昨年や今回の洪水と毎年起きる災害に対し、やはり政治が国民に「スーパー堤防」政策を再度説明すべきなのである。決して無駄な公共工事ではない。












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台風のカテゴリー [自然災害]

ここ数日、日本には台風が3つも近付き、各地で豪雨の被害が出ている。台風は熱帯性低気圧の発達したものだから、台風一過の日は猛烈な暑さとなって、今度は熱中症に気をつけなければならない。日本は災害が多い国である。

1959年9月の伊勢湾台風は、5000名もの死者・行方不明者となる大災害となった。台風の発生から日本への上陸は報道されていて、父が家の雨戸を釘で止めて備えていたのを覚えている。しかし愛知県、三重県では直撃を受けて応急的な対策では抵抗できなかったのだろう。

台風の強さ、大きさは中心気圧で大体表わされる。平均気圧は1013hPaだから、これより小さければ低気圧であり、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/sec以上のものを「台風」と呼ぶ。気圧による規定は日本には無いと思うが、およそ990hPa以下の様である。

日本では台風を「強い:風速33~44m/sec」「非常に強い:風速44~54m/sec」「猛烈な:風速54m/sec以上」の3段階に分けている。それに対してアメリカでは、「カテゴリー1:33–42 m/ sec」「2:43–49m/ sec」「3:50–58m/ sec」「4:59–69m/ sec」「5:70m/ sec以上」の5段階となっている。

日本の猛烈な台風は、アメリカではカテゴリー3であり、更にその上に2つの台風が規定されているのである。西大西洋に発達する台風は、どうも日本に来る台風とはスケールが違うほど大きい。2005年8月に発生した「ハリケーン・カトリーナ」はカテゴリー5で、ニューオーリンズの8割を水没させ、2500名の死者・行方不明者となる大災害となった。

世界中が異常気象と騒がれているが、日本にもカテゴリー5の台風が来ないとも限らない。もしそうなった場合、十分な避難が出来るのだろうか?建物は地震荷重に対して設計されているものが多いから、カテゴリー5の風荷重にはおそらく相当な被害が予想される。超高層ビルも例外ではない。












家具を固定するL形金物は、壁板の奥の柱(又は1/3柱)に取り付けましょう



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