So-net無料ブログ作成
検索選択
建築施工 ブログトップ
前の10件 | -

現場勤務の思い出⑫-屋上の防水勾配-2 [建築施工]

屋上スラブは外周と内側ではスラブ記号が異なっていた。外周の幅4m分が5cm厚く、且つ鉄筋量が多いのである。図面にはゴンドラ自走範囲と記述されていた。この建物ではレール走行のゴンドラではなく自走式のゴンドラなので、ゴンドラを吊った時に掛る荷重に対して設計してあったのである。

つまり水下(みずしも)となる建物外周のスラブが中央部のスラブより厚く、そうなると外周へ1/100の勾配をとるとなると、中央部のスラブは約20cmも厚くしなければならなくなるのである。これは建物重量的にも問題となるコンクリート量の増加(200tonくらい)なのである。

又、水上(みずかみ)のペントハウスの防水立ち上がり高さ(最低200㎜)も確保できなくなることが考えられた。そこで防水担当である他の班の先輩に意見を求めたら大騒ぎとなったのである。この問題は他の班長、工務主任、更に所長へと直ぐ報告となり、設計施工だったので設計部と協議となった。

設計部との協議は工務主任が行ったので筆者は立ちあっていなかったが、結局、排水溝は外周とペントハウスの中間に設けることとなったのである。排水溝のドレンがスパン中央部、つまり事務所スペースの直上にあるのは好ましくないが、やむを得なかった。

筆者としては問題提起だけでなく、最終案まで考えたかったが流石に新入社員ではその技術も無かったし、立場上も無理であった。しかし不謹慎ではあるが、先輩を始め工務主任までの大騒ぎとなったのを見て内心「してやったり」と思った。

この騒動の所為ではなく教育の為だと思うが、筆者は後に地下1階駐車場の防水納まり図を作成することになった。それまでは仮設の図面は何枚も書いたが、仕上げ図は初めてで、設計部の担当者にチェックしてもらうなど現場社員らしくなっていった。

なお防水勾配はスラブの厚さで行うのではなく、基本的にスラブ自体に勾配をつけ、S造では鉄骨梁で勾配をつけるのが原則である。この現場での失敗はその後の施工ハンドブックの改定時に注意書きとなった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出⑪-屋上の防水勾配 [建築施工]

建築施工を全く知らずに大学を出て現場に配属されると、施工について、いちからの勉強ばかりである。協力会社の作業員の方はプロだから頭を垂れて教えてもらうしかない。しかし新入社員とはいえ監督する立場だから、全て作業員任せには行かない。そこで役に立ったのは社内資料の「施工ハンドブック」を勉強することであった。

おそらく大手の建設会社には同じような施工に関する資料があると思うが、筆者が入社した会社では「現場管理」「仮設工事」「基礎工事」等から始まって各工種ごとに揃っており、「電気設備工事」など設備までのハンドブックになっていた。現場の工事の進捗に合わせ、前もって次の工事について施工ハンドブックを勉強したのである。

新入社員が自ら現場の問題点を発見して、対策を提案し、採用されれば、それは当人にとってものすごい励みになる。筆者に関しては屋上のコンクリート打設の計画において、平面的にコンクリート天端レベルを図面化した時であった。筆者は鳶、土工、鍛冶工を担当していたからである。

鉄骨工事は既に終わって、梁の上にはデッキプレートが敷設されている。デッキプレートは霞が関ビルの時に開発された、スラブのコンクリート量を少なくできるU形型枠である。鉄骨の梁は水平に取り付けられていたので、屋上の防水工事の為、防水下地のコンクリートは1/100の勾配をつける必要がある。

勾配を持ったコンクリート下地にアスファルト防水を行い、その上に押えコンクリートという事務所ビルでは一般的な仕様であった。排水溝は建物の外周に配置され、ドレンで下に排水される。雨水ドレンは建物の中央部に持ってくることは望ましくない。もしドレンパイプが水漏れしたら被害が大きくなるからだ。

従って下地のコンクリートは建物中央のペントハウスの部分を厚くし(高くして)、外周は設計厚さとして1/100の勾配を計画したのである。筆者は当然、構造図を見てスラブの厚さを確認した。問題はここにあった。続く

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出⑩-鉄骨工事 [建築施工]

鉄骨工事の「精度管理」は重要な品質管理である。建築学会の標準仕様書では、鉄骨精度は1/500とされている。この規準は柱1本についてのもので、地上から屋上までの高さに対してのものではない。1/500と少ないようだが、高さ200mの超高層ビルだと0.4mになってしまう。従って傾斜に対しては、次の建方の柱で逆の方向に傾け修正するのである。

精度管理の要点は

1. スパン調整 柱間隔の保持
2. 柱の調整  柱の鉛直度の保持

である。スパン調整は基本的には工場で製作される梁の長さで決まってしまうのだが、柱と接合するがセットプレートのボルト孔には±1.0㎜のクリアランスがある。従って両端部で±2.0㎜の調節ができるのである。鉄骨の溶接では一般に、1か所で溶接後は0.5~1.0㎜収縮するので、多くの現場ではスパン調整として、正規のスパンより1mm長くボルト孔で調整している。

柱の調整は「歪み取りワイヤー」で行う。スパンごとに柱の頂部から斜めにブレース状にワイヤーを張って、ターンバックルを使用して柱を垂直にする。ただしスパン調整をするから、建物の中心の柱は垂直であるが、外側に向かって柱は徐々に外側に倒れて固定する。この様にして精度管理を行うと、梁の溶接後には全ての柱が垂直になるのである。

新入社員の筆者は毎日、鉄骨の鍛冶工と鳶工及び(測量士?)と一緒に精度管理を行った。なお計測したのは測量士を雇ったか、或いは墨出し大工だったか定かでない。筆者と鉄骨メーカーからの社員とでトランシットを使い行ったような覚えがある。

鉄骨精度を確保しないと問題になるのは、外装カーテンウォールとの「納まり」である。納まるためには精度としては外側に対しては+20mmまでであった。そうしないとカーテンウォールの「方立:マリオン」に鉄骨(2次部材ではあるが工場で取り付けてある)がぶつかってしまう。

又、エレベーター工事との「納まり」があって、これも一般には最大で±50㎜の余裕しかない。エレベーターの乗り心地で最重要なのが、エレベーターの籠のレールの鉛直制度なのである。世界に名だたる日本のEV会社の技術は、実は現場で取り付けるレールの鉛直精度が最重要であって、それは取り付ける作業員のスキルに負うのである。作業員は鉄骨とのクリアランスの中で最高の鉛直精度のレールを取り付けていく。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出⑨-鉄骨工事 [建築施工]

鉄骨建て方、と言えば鳶工がサーカスのように細い梁の上を歩くイメージがあると思うが、それは東京タワーを建てた時代である。東京タワーの建て方は電波塔を建てているような作業員が集められたのだろう。

しかし霞が関ビルの時には梁を取り付けた後、柱から「親綱」を渡してそれを手摺代わりに鳶が梁を渡って行くようになった。高所作業をする作業員全てが安全帯を装着していたが、まだ、親綱に安全帯の命綱をかけるまでには至ってなかったようだ。渡るのに面倒だからである。

又、霞が関ビルの時代には「水平養生」についてもせいぜい4フロアに付き1フロアにネットを張る程度であった。建物外周に張るネット(垂直養生)は現在も使う25mm目のネットであるが、床のコンクリート打設の時にその階をシートで覆う事まではしていない。

筆者の最初の現場では霞が関ビルの時よりは安全管理は進んでおり、梁を渡る時には親綱に命綱を付けて渡る様計画し、実施していた。ただし全ての作業員がその様にしていたわけではなかった。本来計画したゼネコン社員としては命綱を使用してなかったらその場で注意すべきであるが、何しろ鉄骨建て方中は危険だから、近づかない上司からに言われていたので、「管理」は十分ではなかった。

筆者に出来る事は明日の作業内容、所要人員を書く「作業指示書」に安全指示事項として「安全帯の使用」を記載することであった。これはもし墜落事故が起きた時にゼネコンとして「最低限の管理」をした証拠となるからである。

又、現場を回って「親綱」が外れていないかを確認することであった。もし外れていれば筆者に出来るような取り付け方法(フックなど)であれば付け直すが、基本的にはもし親綱が外れて事故を防げなかったら筆者(ゼネコン)の責任になるから、鳶工に指示して付ける必要がある。そうした場合たとえ1か所の親綱の取り付けでも高層ビルともなれば、地上から行く場合結構な手間となるから「常傭清算」となる。日頃から鳶と仲良くしておけば、その位の事であればサービスでやってくれるのだが。

ところで安全帯の使い方であるが、「千葉・市川、点検作業中にクレーンで宙づり死亡2017/7/23 産経」という報道があった。命綱で宙づりである。つまり安全帯を装備し命綱を使っていたにも関わらず死亡したのである。原因は不明だが、安全帯の使用方法が間違っていたと推定される。

命綱の位置は背中ではいけない。背中にあると落下した時に「さば折り」状態となって背骨を損傷するからである。又、命綱は自分の「へそ」より上の親綱に付けなければならない。命綱の長さは1.2mくらいだが、もし親綱が足元にあった場合、落下すると1.2m+安全帯の高さ分落下する。つまり2mくらい落下することになって、時速22kmとなる。時速22kmで安全帯(幅は5cm)を引っ張られたら、身体には相当な衝撃力となるのである。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出⑧-鉄骨工事 [建築施工]

鉄骨工事の要諦は施工計画の完成度である。鉄骨は工場で製作され、現場では組立だけであり、施工計画に問題が無ければ現場は円滑に進捗する。だから「現場管理」は重要では無い、という訳ではないが、実績がある鉄骨メーカーと建て方を担当する協力会社に任せておいても大体上手く施工されるのである。

「段取り八分」とは「施工管理」する上で仕事量として計画が8割で、作業が2割と言うほどの意味で、計画の重要性を説いたものである。鉄骨工事はまさに「段取り八分」と言う事になる。計画に十分な検討、時間、労力をかけずに不備があると、その対処の為現場作業は混乱し、「手戻り・手直し」の連続となり、対策が後手々々になってしまうのである。そうなると、品質(Q)・コスト(C)・工期(D)・安全(S)・環境(E)全てに悪影響を及ぼす。

鉄骨計画、準備の要点としては

1.鉄骨メーカーの選定  品質確保の為と、工事費の10%近くになるから最も重要である
2.鉄骨建て方計画    立体建て方、水平建て方ほか
3.工程計画       メーカー選定、ロール発注など現場以外でのスケジュール
4.鉄骨製作図      外装都のクリアランス確認、意匠図・構造図・設備図との整合
5.品質管理       現場溶接(溶接資格、検査方法)、高力ボルト、工場検査
6.安全計画       水平、垂直養生
7.鉄骨移送、搬入計画  移送ルート(届け出)、現場ゲートの広さ
8. 鉄骨の補強      タワークレー設置補強、台風時の仮設筋交いワイヤー
9.作業地盤       移動式クレーンの場合の地盤支持力

等が直ぐ思いつく。「逆打工法」では杭工事の時に鉄骨が必要だから極めて忙しい事になる。

最初の現場の時(床付け)には既に鉄骨計画はほぼ完成しており、筆者は計画には関与できなかった(実力も無い)ので、先輩に習いながら日常管理をしたのである。

今は分からないが、当時はゼネコンの社員は、「主職:大工、鉄筋、鳶土工」の棒芯やその上の親方から随分可愛がられた。飲みに連れていってもらったり、正月には5kgくらいの「きんとん」を貰ったりした。現場所長となると、自宅に鳶土工の棒芯が門松を飾っていた様だ。

作業員と仲良くなるのは善し悪しであるが、慣れ合いに注意すればよい面が多いはずである。今回の鉄骨工事の為に新しく来た鳶工から筆者は記念写真を頼まれた。デッキプレートの上に並んだ鳶工たちの真ん中に座っていた。これは間違いなく次の鉄骨現場での自己アピールの為で、謂わば履歴書になるのだろう。有名な工事ともなれば職人にとって「勲章」かもしれない。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出⑦-鉄骨工事 [建築施工]

鉄骨工事は建築工事の中で最も華々しい工事ではないだろうか?鉄骨は建物が仕上がると隠れてしまう設計が多いが、その分、むき出しの鉄骨の時には、昨日無かった空間にいきなり建物の外郭を作っていくからインパクトがあると思う。

新入社員の時に鉄骨工事を担当出来たのは、筆者には幸運であった。それも工場の鉄骨ではなく、事務所ビルでタワークレーでの建て方である。この経験はそれから担当するかもしれない「超高層ビル(新宿には3本建方の最中であった)」でも役立つに違いない、と思ったものである。

タワークレーン.jpg

タワークレーンでの鉄骨建て方

鉄骨建て方に当たっては、基本は揚重計画である。タワークレーンを建てるのか、移動式クレーンで建てるのか、その他リフトアップとかトラベリング工法などある。当現場では鉄道近接工事であり、安定性があるタワークレーンが選ばれた。他にも地上11階であること、「妻側」の外装がPCCW(プレキャストコンクリート版の外装)だったことも選定理由であった。

移動式タワーモードクレーン2.jpg

移動式クレーンでの鉄骨建て方

小型の揚重機であれば届け出だけで済むが、タワークレーンは組み立てられた後、労働基準監督署の検査を受け、定格荷重の1.25倍の荷重を吊りあげて問題ないか確認する。労働基準監督官の都合もあるので、検査日が決まったら間違いなく組みあげておかなくてはならない。

クレーンによる鉄骨建て方は施工条件に拠るが、1日におよそ30~50ピースの組み立てができる。柱、梁、子梁、ブレース等全て数え上げる。そして1日にどの範囲の建て方を行うか決めるのである。鉄骨は3層が1柱になっており、桁方向はスパンが3.1mだったので、梁は柱に工場で溶接してあり、キ印の形で搬入された。梁の接合は「高力ボルト」である。

梁間方向は、梁は柱に現場溶接する設計であった。ただしウェブは「高力ボルト」接合である。これは施工性を考えてのことで、当時、すでに一般的な接合方法であった。筆者は「高力ボルト」と溶接の検査を担当した。しかし「高力ボルト」は「トルシア型」であって、ボルトのチップが取れているかの確認だけで、溶接の方は「専門業者任せで報告を受けるだけであった。

新入社員だからこの様な「業者任せ」は仕方ないとも言えるが、次の現場では更に細かい(高度な)管理が必要なことを学んだのだった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出⑥-立柱式 [建築施工]

一般の方には馴染は無いと思うが、家を建て始める時に柱を建てることを「立柱」と呼び、ビル等の大型建物では「立柱式」としてこれからの鉄骨作業の安全を祈願するのである。住宅では1日で柱梁を組み立ててしまうので、「上棟式」となる。現場の建物は地下1階から鉄骨が入っており、3階の床までが鉄骨鉄筋コンクリート造なのであった。

筆者は鉄骨班だったので、いよいよ本番という気がしたものだ。鉄骨は約1000tonあり、まずまずの工事なのである。現場の鳶の会社が建て方を行うのだが、鉄骨建て方のベテラン鳶が一人加わっていた。腕がある作業員は渡り歩いているのである。

鉄骨建方は「タワークレーン」が使われることになっていて、地下2階の躯体工事後、エレベーターシャフトの開口部にタワーを組み立てた。タワーの上部には旋回部(運転席など)が取り付けられ、ブームを付けてワイヤーを通して組み立てられた。6ton×30mの能力がある。

立柱式の様な行事の時には日和を選ぶのが普通で、大安か友引、或いは先勝が選ばれる。当日はどれだったか忘れたが、現場に鉄骨が入って来た時には武者震いの様な気がしたのを覚えている。

鉄骨を建てる際に先ず基本的なのは、「アンカーボルト」の位置が間違っていないかを予め検査しておく必要がある。2年先輩と2人でスケールを使い検査していったら、1か所10mm違っていた。丁度10mm違う事は良くあることで、墨出しの時にテープの目盛りを見易く10mmずらして計ることがある。同じように10cm違う事も多い。

筆者は10mm位の誤差は大したことは無いと思ったが、先輩は班長と相談して「台直し」を行った。「台直し」とはアンカーボルトや鉄筋の位置を補正することで、アンカーボルトの周りのコンクリートを「斫り」曲げて修正するのである。曲げる角度は1/6以下にする必要がある。

鉄骨工事の前には以上のように色々な作業があったので、無事「立柱式」を迎えられたので武者震いしたのであった。ところで当時はオイルショックの尾を引いていて、建築主の不動産会社は「立柱式」に経費を使う気が無くて、現場に偶に来る担当社員が立ち会っただけであった。現場の経費で神主さんには来ていただいた。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出⑤-コンクリート打設で型枠がパンク [建築施工]

地下2階の躯体工事は階高が5500mmもあるので、通常の型枠では難しい事から足場材を使って梁や床の型枠を作った。足場は「枠組足場:ビティ」である。今では「くさび緊結足場」があるので、ビティより型枠兼用に適している。

コンクリート打設に関しては、階高が4mを超える場合は2度打設が基本であるが、当時は悠長なことはしなくて、1回の打設計画であった。勿論一度にコンクリートを打ちあげてしまうと、あまりに「まだ固まらない」コンクリーの圧力が高くなりすぎるので、半分まで打設し、順次回しながらまた戻って打ちあげる方法としていた。

コンクリートポンプ車の作業員とは前日に、1か所につき少なくとも1時間半を経過してから5500mmを打ち上げる2度打ち計画を説明した。又、土工の世話役にも同席しての打合せであった。当日筆者は4時半に家を出て、6時には生コンプラントに出荷の指示をしたのだった。6月だったと思うが、天候は良かった。

コンクリートはポンプ車で圧送するのだが、一方型枠はコンクリートが流れ込んできたら木槌で叩いて充填性を良くする必要がある。何しろ木槌だから多くの土工(この場合正確にはコンクリート工と呼ぶべきだろう)が型枠を叩いている。勿論棒状のバイブレーターもあるのだが、下の部分のコンクリートには効果が無い。棒状のバイブレーターを鉄筋にあてて振動を与えるのは良くない。

型枠のパンクは2回目の打設の時に起こってしまった。2回目なので地下1階の床までコンクリートを打ち上げるのだが、その速度が速すぎたのである。本来はバイブレーターを用いてコンクリートの流動性を高め、水平に流して徐々に打ち上げる。しかし事は上手くいかず、早く打ち上げた結果、「まだ固まらない」コンクリーの圧力が高くなりすぎたのであった。約3m3くらいのコンクリート地下2階の床に流れてしまった。

型枠の補修は直ぐ合番の大工が行ったが、流れ出たコンクリートの処理(取合えず硬化後運び出しやすいよう、小さく分ける)は土工が行った。基礎梁は2重スラブになっており、コンクリートの一部が空洞に流れ込んでいた。一方、コンクリート打設は続いているので、土工の人出が足りず、筆者もコンクリートの片づけをすることとなった。2時間くらい掛ったと思うが、若かったことから肉体労働は苦ではなかった。

型枠がパンクした場合、コンクリートの出費は基本的に型枠工事費から捻出するが、打設作業が明らかに計画と異なっていたら、ややこしい。この時どの様に処理したのかは聴いてなかった。多分、現場が半分は負担したようだ。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出④-労働災害 [建築施工]

基礎梁工事も終えて地下2階の躯体工事となった。地下2階は機械室だから階高が5500mmと高い。鉄筋コンクリート躯体工事の中でも地下の機械室は難しい施工である。階高があるので高所作業となる事、又、「構台」や切梁の支持杭が立っており、施工の支障となる、などの問題がある。

基礎梁工事が終わり、2段目の切梁の解体が行われた。記憶が定かではないが、地盤が良い事から切梁には60ton程度の軸力しか生じていなかった。しかしそのまま接合ボルトを外すことは出来ないので、油圧ジャッキ(キリンジャッキだったかも)の圧を抜いてフリーにしてから、順次切梁を解体していった。地下2階の床面積は約1000m2くらいだったので、3日間で解体は終了した。

地下2階の床には墨出がなされ、柱や壁の鉄筋が出ている。その鉄筋を伸ばしていくのだが、筆者にとって初めての事故を経験した。柱鉄筋は「ガス圧接継手」なのだが、長さ5500mmの鉄筋を建てて、ガス圧接作業行う。鉄筋を建てる作業には「ローリングタワー:移動式足場」を使うが、そのローリングタワーが倒れ、乗っていた鉄筋工が負傷したのである。

筆者は偶然近くにいたので、ローリングタワーが倒れる瞬間を見たのであった。事故の原因はローリングタワーを下で移動している作業員と、上の作業員との合図が間違ってしまったようだ。なにしろローリングタワーは平面が1200×1800mmで高さが5mもある。横と高さの比(アスペクト比)が1:4.2もあるので不安定であり、上の作業員は鉄筋を持ち上げたりするのでなおさら倒れやすい。

筆者は鉄筋工事の担当ではなかったので詳しい経過は知らなかったが、負傷した作業員1名は1週間の入院と1カ月の休養で復帰できたようだ。労働災害であり、労働基準監督官が来て担当者や工務主任が聴取されたが、ローリングタワーの構造には問題は無く、作業指示書には高所作業の安全指示がなされており、作業員の不注意(ヒューマンエラー)が原因とされた。

当時は事故で負傷者が出ても怪我の程度が軽い場合、労働災害扱いにしないことがよくあったようだ。労災隠しである。しかし現在では労災隠しは発覚すると営業停止処分になる等、会社全体に影響が出る。従って負傷者が出たら直ぐ救急車を呼ぶようになっている。救急車を呼ぶと必ず警察に通報が行く。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

現場勤務の思い出③-躯体工事 [建築施工]

配属された現場は丁度「床付け」が終わった段階であった。つまり筆者がその後の専門家となった地下工事は終えていた。ちなみにその現場は「切梁工法」で山留め壁は「H鋼横矢板」だったが、地盤が良かったからである。しかし鉄道近接なので事前協議が必要で、軌道までの影響は無い、と判断されたようである。

所定の深さまで掘削したら、基礎杭のアースドリル杭の杭頭で劣化したコンクリート部分を取る作業も行う。次に「敷き砂利地形:砂利を撒いて転圧する」を行い「捨てコンクリート:レベルコンクリート」を打設する。これら一連の作業も見る事は出来なかった。

筆者が現場作業を最初に見たのは、耐圧版の鉄筋組み立てであった。多分D32の鉄筋だったが、長さ7mもあると40kg以上になるから、筆者には簡単には持てない。鉄筋工は皆たくましく、簡単に鉄筋を運び、所定の位置にセットする。その時、捨てコンクリートとの間に「スペーサーブロック」の上に置いて、直には置いてはならない。尚、捨てコンクリートには基礎梁の大きさが「墨出し」してある。

そして基礎梁の配筋となるのだが、基礎梁の成(成:高さ)が大きい場合には、基礎梁の鉄筋は一度に組まずに下端筋だけを組み、肋筋(あばらきん:スターラップ)は「重ね継手長さ」だけを立てておく。

そして耐圧版のコンクリート打設となった。現場は通常8時始まりなのだが、コンクリート打設の時は作業員は6時前に出勤して打設の準備を行う。コンクリートポンプ車が来て、配管作業を行い、土工がシュートコンクリートを流し込むシュートを用意する。この時は「提灯シュート」を使って、コンクリートポンプ車は使わなかったかもしれない。

筆者はコンクリートプラントに出荷の指示を出した。現場まで約1時間掛るから、7時から打設開始する場合は5時半ころには出勤しなければならない。その為には家は4時過ぎに出ていた。今から思うと良くできたと思うが、当時はそれが当たり前であった。

打設作業には多くの土工が必要で、その為には鳶、土工の「下請:協力会社」は臨時の作業員を雇ってくるのである。いわゆる「立ちんぼ」である。彼らは基本的には単に肉体労働者だから、スキルはない。当時はそうした人達が建築現場には必要なのであった。

コンクリートの出荷指示する筆者にとって最も緊張するのは、最後の手配である。つまりあとどれくらいのコンクリートが必要なのか、1時間のタイムラグを考えて、数量を計算するのが結構大変なのである。丸々1台余ったら上司、先輩から文句を言われるし、もし足りなかったら作業員を1時間待たせることになるからである。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

前の10件 | - 建築施工 ブログトップ