So-net無料ブログ作成
建築施工 ブログトップ
前の10件 | -

現場勤務の思い出51-1階の仕上げ工事は大変 [建築施工]

現場管理は一般にQCDSEといい、品質、コスト、工程、安全、環境管理のことである。どれ一つとっても大変であるが、工程管理は上手くいかないと他の全ての管理に影響する。即ち突貫工事となって、無駄なコストは掛るし、安全上も問題で、品質も低下する。環境管理的でもきちんと分別が出来ず廃棄物が多くなる。

その為工程管理の手段としては先ず工程表の作成が必要である。工程表は簡単なバーチャートとフローチャート(ネットワーク)があり、今ではフローチャートが主流であり、作業の繋がりを明確にし、又、作業時間を決める際に必要な機械や作業員、機械台数を検討して作成する。

そして重要なのが「クリティカルパス」である、これは建築には多種多様な作業があり、作業が繋がってフローとなる。フローの中でどれが最も余裕のない、即ち重要なフローがクリティカルパスである。クリティカルパスにあるどの作業も、1日遅れれば竣工が遅れることになる。従ってクリティカルパスの作業には特別の監視が必要なのである。

ところで一般には高層ビルでは最上階の仕上げ工事が最も遅く取りかかることになるが、実際には1階の施工が送れることが多い。1階は作業用動線として使われるからで、どうしても後回しとなってしまう。しかも1階はデザイナーにとって最も気の使う所であり、仕上げのグレードも高い。即ち手間が掛るのである。

大規模現場では作業動線は幾つも確保できるから、順番に仕上げていけるが、小さな現場は正面の入口だけであるから悩ましい。幸い筆者の配属された現場では動線が3カ所取れたのだが、それでもやはり1階の仕上げ作業は忙しいものとなってしまった。

床は花崗岩、壁は大理石で傷でもつけたら大変である。特に大理石は「石目」を合わせて石ごとに番号をつけて壁に張るから、簡単に取り換えがきかないからである。竣工間際の忙しさに比べ、赴任した当時のRC地中壁工事の時のゆったりとした時期を思い出し、あの時に1日でも工期短縮していけば良かったと、感じたのであった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出50-社員研修 [建築施工]

社員教育はどの企業でもあると思うが、筆者の勤めていた会社では基本的には「OJT」で、現場での上司先輩による指導を第一としている。なにしろ現場で現物の現実を見て教えるのが最も効果的であり、設計者や協力会社等とのコミュニケーションにしても実践で覚えるのが最も良い。

しかし配属されている現場は各人各様であり、筆者の様な大規模な事務所ビルから、地方の工場では大分内容が異なる。例えば共同住宅では鉄骨工事は無いだろうし、工場と高層ビルでは鉄骨はかなり異なる。又、仕上げのグレード(例えば石張とペンキの違い)も違うのである。

従って、現場だけに頼るのではなく、現場の違いからくる社員の環境を補完すべく集合教育が行われていた。主催は管理部門の技術部署である。施工ハンドブック(各種工事の技術解説書)の解説や、安全教育等であるが、3年目の筆者が参加した時には「仮設構造計算」の講義があった。

「仮設構造計算」は文字通り仮設物の構造計算なのだが、筆者が行ったタワークレーンを載せる為の本体鉄骨の補強等も含まれる。講義では1階に床スラブにコンクリートミキサー車が乗り入れる場合のスラブ補強であった。狭い敷地の場合、地下工事が終えて1階のスラブが打設されると、地上のコンクリート工事の際に、何時も道路使用をするのは好ましくないので、1階の床スラブにコンクリートミキサー車を乗り入れるのである。

1階のスラブに発生する応力計算をして断面算定するのであるが、技術部署の講師の先輩社員はコンクリートミキサー車のタイヤの接地部分の大きさを決めて、その幅に車両重量を等分布荷重として計算する方法を解説した。スラブの両端は連続梁効果があるので「半固定」にしていた。

筆者は何故荷重を集中荷重にしないのかを質問した。20㎝位の分布荷重にしても答えは3%も違わない。一方、支持条件を半固定に仮定するのは10~20%くらいの変動があるので、分布荷重の意味が無く、計算式が複雑になるから間違いやすい、と言ったのである。先輩社員は大した計算式では無いから間違えることは無い、などと正当性を主張したのだった。

講師はもう一人いて、ベテランの元構造設計部の人であった。その人は特にコメントしなかったのだが、やり取りの間、ずっと筆者を見ていた。後に筆者の上司になる人であった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出49-階段室の仕上げ [建築施工]

当現場の仕上げ工事は建築主の意向があって、仕上げ工事は別のゼネコンが行う事になっていた。筆者が所属するJVは躯体工事(耐火壁を含む)と外装工事、及び供用部の仕上げ工事であった。即ち仕上げは1階のEVホール、と特別避難階段(B4~24階、PH)である。筆者は階段室の仕上げを担当することになった。

階段室の施工は事務所ビルでは最も面倒な箇所である。事務所ビルの1階玄関ホールは見せ場でもあり、天井を高く、広い空間をデザインしたりするが、それはそれで大変なのだが、やり甲斐もあり、上手く出来た場合、その実績を社内で発表したりして情報が蓄積されていく。しかし階段室は大抵失敗があって、その貴重な教訓は中々資料として残っていないのである。

階段室は地下がRC造、地上は鉄骨造で、仕上げは耐火壁であるが仕上げが出来る工法で、ペンキ仕上げである。しかし踊り場の壁は金属パネルであった。これは階数を示すサインをいれたい設計者のデザインである。

階段室の施工は足場からであるが、今でこそ専用の足場が出来ているが、当時は「枠組み足場」と後は単管パイプ、足場板で組み立てるのである。これは経験が無いとなかなかうまく計画出来ない。細かく計画しないと鳶はいい加減に作ってしまう。

又、階段室は他の仕上げ作業員や設備作業員も通路として使う。流石に作業用に作った足場をくぐって他の作業員が階段として使う事は無いから、結局、2カ所ある階段は片方が仕上がるまで、他方は残しておかざるを得ない。工期は2倍掛ることになる。

問題は仕上がった階段室を他の作業員が使う事である。せっかく仕上げた壁等が傷つけられたしまうのである。階段は運搬にも使うから、長物を運ぶとよほど注意しないと壁を傷つける。では「養生」すればよいのだが、「ラミネート紙」程度では十分ではなく、むしろ乱暴に荷揚げに使われてしまう。かといって、全く養生しないのはどうかとも思う。今だったら、監視カメラをつけておくかもしれないが、全階に着けるのも大変である。

結局、踊り場のパネルはラミネート紙で養生したのだが、やはり傷がついてしまった。パネルの細かい傷は「タッチアップ」といって細い筆で傷隠しの塗装をする。今の自動車の傷補修と同じである。片側で約30階、両側で60の踊り場の金属パネルの傷探しとタッチアップは竣工式の前日まで続いた。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出47-上棟式 [建築施工]

鉄骨工事の有終とも言うべき上棟式を迎えることになった。上棟式は建物の竣工後も無事であることを祈念して行われる。日本では地震、火災、台風と建物には多くの危険が襲ってくるから、長く無事でいられるようにお祈りするのは日本の古くからの習慣である。

当工事も本社ビルとなる高層ビルなので、当然上棟式が行われることになった。本社ビルなので建築主としては客先だとか、或いは監督官庁の役人、政治家など合計200人くらいを招待するらしい。かなりな規模の上棟式となってしまった。

しかし問題があった。それは生憎2月なのである。尤も寒い時期での上棟式では、天候もさることながら、長い時間招待者を寒気にさらしてしまう事になる。招待客には高齢の方も多いので、風邪でも罹ってしまったら申し訳ない。

そこで上棟式は室内で行われることとなった。高層ビルでの上棟式は大梁か、ある程度大きい小梁をタワークレーンでゆっくり揚重する。紅白の幕を下げた梁が大空に上がっていくのを招待客は眺める、というのがクライマックスなのである。

室内での上棟式は、法被を着た鳶たちが木遣り唄を歌いながら、小梁を台車に載せて会場の正面に運んでくる。そして会場の正面にまで来たら、小梁の端部のボルト孔に高力ボルトをつけて、代表の人たちがインパクトレンチでボルトを締めていく、というパフォーマンスを行ったのである。

多分、過去にもこの様なことが行われていたと思うが、4階で行われた会場は既に外装のガラスが入っており、ジェットヒーターで暖めていた。式が終わってから反対側のフロアでパーティーが開かれた。招待客も満足そうに見えたので、まずまずの上棟式だったのではないだろうか。

筆者の会社社長も当然来ており、建築主始め招待客の多くに挨拶をして回っていた。政治家にも挨拶していたが、知り合いも多かったようだ。建設業ではトップ営業が一番効果がある、と筆者が知ったのは現場が終わって、管理部門に異動してからのことであった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(1)  コメント(0) 

現場勤務の思い出47-揚重設備 [建築施工]

建設工事計画で重要なものの一つに揚重計画がある。何しろ建築物は目方あたりの価格が極めて安い。自動車は1tonで100~200万円はする。高級車であれば1000万円/tonである。建物は床面積当たり1tonくらいで、価格は面積当たり30万円位だから、自動車に比べて1/30~1/3である。飛行機等とはもう比較にならない。

従って建設工事では物を運ぶのが大変になってくる。建物の地上部に限って言えば、当工事では、タワークレーン2基、2tonの人荷用EV1基、2tonの荷持用EV1基であった。何れも建物内に設置した。

タワークレーンは鉄骨建て方が主で、他は雑荷(溶接機等が入ったコンテナなど)を行った。外装がPCCW(プレキャストコンクリートカーテンウォール)の場合にはタワークレーンを使用するが、当現場のCWはアルミ製であったので、スラブ上で走行使用できるクレーンを使った。

2tonの人荷用EV1基、2tonの荷物用EV1基は作業員と仕上げ材の運搬である。高層ビルの場合、人荷用EVは必須で、階段で何十階も登らせたら作業にならない。荷持用EVは横幅が4mくらいあるので、天井の下地材等長物を運ぶのに必要である。

大型高層ビルでは揚重管理に担当者をつける必要があり、当時は機械部からの社員が担当した。予め揚重するものの重量や個数を申請して、日時を決めておくのである。しかしこの揚重スケジュール管理は仕上げ工事や設備工事の材料に関しては、幾らでも事前に申請が可能である。

つまりゼネコンが作成した総合工程表(マスタースケジュール)、ないしは月間工程表に基づいて申請すればよいのである。しかし高層ビルの上部では鉄骨工事や床のコンクリート工事が行われているが、これらは天候によって作業予定の変更を余儀なくされる。

上層階工事で荷物用EVも使う事があるが、天候によってキャンセルになったりする。するとその分は曜日を下げて行う事になるのだが、揚重係にとっては全て時間割を決めた計画が作りなおしになるから、何時ももめ事になるのだった。筆者には担当者が別途業者である設備業者の味方に思えたものだ。

今では揚重専門の協力会社があり、スケジュール管理や荷物用EVへの積み込み、各階への荷降ろし、整理等を請け負っている。タワーマンションでは各住戸へ必要な材料全てを水平運搬している。合理化である。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(1)  コメント(0) 

現場勤務の思い出46-学生の現場見学-2 [建築施工]

当現場でも所長の出身校であるW大の学生見学が行われた。タワークレーンは残っていて鉄骨は最終を目指しており、耐火被覆工事は佳境を迎えていた。又、仕上げ工事も始まってきていたから学生にとっては様々な工種がみられる現場であった。

前の工事は設計施工の単独であったが、今回の設計は別であり、JV工事である。見学の対応として設計者に頼むわけにもいかず、又、JVの構成会社にも頼めない。そこで最も若い筆者がかなりの担当をすることになった。

最初の建設業の一般的なことや、設計、工事概要は所長が説明をした。そして学生を引率して現場見学となった。引率したのは工務担当の係長と筆者である。鉄骨工事が行われている階は危険なので、既に床が出来ていて耐火被覆工事が行われている階より下を案内した。

前の工事で使われていた人荷用EVではなく、超高層用に開発された仮設のEV(昇降速度が早い)で見学会の上まで登る。人荷用EVの床はエクスパンメタルだから、下は透けて見える。しかし設置したのは外部では無く、本節のEVシャフトを利用したから、多分学生たちは恐怖を感じなかったであろう。

耐火被覆の工事中に学生を連れた筆者を見て、作業員たちは声をかけてくれた。筆者もW大の学生ですよ、と返答した。筆者は鋼板耐震の耐火被覆の耐火認定を取るのに苦労した(実際は対した苦労ではなかったが)ことや、耐火被覆プラントの階では、緑が見えるプラントを作ったことを自慢した。

又、耐火間仕切り壁が地震時に層間変形しても追従住出来る事、如何に防火区画が大事であることを説明した。水平区画では床スラブとアルミカーテウォールの裏に取りついている耐火ボードと床スラブの間に耐火被覆材を絨毯させて入る部位を解説した。これによって下階の炎が外壁のガラスを割って上階に伝わってくるのを防いでいる。仕上げ工事についても解説したが、担当では無いので熱心には説明しなかった。

見学が終わり、学生たちの質疑応答の時間になった。すると学生が質問したのは耐火被覆であった。筆者は得意になって、例えば耐火認定を取得した鋼板耐震壁の基準法37条の大臣の特別認定制度をはじめ、耐火時間の規定など詳しく説明したのだった。資料なし、原稿なしで話したので学生たちは慌ててメモし始めた。

細かい話を20分くらいしたので、流石に所長が後を引き継いで、他の施工的なことを分かり易く説明し、フォローしたのだった。しかし後で所長からは労いの言葉を貰った。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出45-耐火被覆工事-5 [建築施工]

耐火壁は防火区画をする為に重要な部位である。防火区画とは火災が発生した時に延焼を防ぐために極めて重要な機能がある。防火区画には「面積区画」「水平区画」「竪穴区画」がある。「面積区画」は平面的に区画することで、建物の用途、規模、階数等によって100~3000m2ごとに防火壁を設ける事になる。

「水平区画」は上下階の区画であり、木造以外では一般にスラブは鉄筋コンクリートで作られるから、問題は無い。ただし外壁が燃えて上階に火が移らないよう、ベランダを設ける、外壁にたいしスラブを挟んで高さ90㎝以上を耐火構造にする、等のことを行う。「竪穴区画」とは建物には階段室や設備配管の為にスラブに開口が必要な為、開口部分を縦に煙突に防火壁で囲う区画である。

施工的に難しいのは「竪穴区画」である。それも設備配管、ダクトの為の区画であった。設計で設備配管、ダクトのスペースを十分大きくしてくれれば、問題無いのだが、配管やダクトから人間が入れないような隙間しか無い場合は困るのである。

その場合には、3面だけ防火壁を施工して、直ぐに設備業者に配管やダクトを施工してもらって、残った防火壁を施工することになる。この様な工事を「駄目工事」といって、本体、一遍に施工したいが、事情によって一部を残して施工することになる。そして「駄目工事」は手間が掛るのである。施工面積は狭いのだが、手順は同じことをしなければならない。竣工まじかで駄目工事が各階にあったら大変である。

さて竪穴区画にはまだ問題があって、防火壁を施工した後の点検が容易ではないことである。ダクトの周りに作った防火壁に孔が明いてないか、消防検査前に全部点検したのだが、懐中電灯を持って300カ所以上見て回ったのが思い出される。それでも消防検査時には緊張したものだった。

スタッドを建て、両面にリブラスを張って耐火被覆材を吹きつける防火壁は、表面の耐火被覆材は強度が無いから、容易に孔が明いてしまうのである。現場では足場材やパイプ、下地鉄骨等の材料が始終運搬されているから、耐火壁に当たると孔が明いてしまうのであった。今ではスタッドに耐火認定されたボードを両面に張る耐火壁が主流となっている。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出44-耐火被覆工事-4 [建築施工]

筆者は耐火壁工事を担当していたが、仕上げ工事は別の係であった為、意匠の設計者とは今まで打合せはあまりしてこなかった。しかし耐火壁の位置を決めるには当然仕上げを検討しなければならない。勿論設計図はあるのだが、設計では耐火壁は「ALC」であったのを前のブログでも紹介したスタッドを建て、両面にリブラスを張って耐火被覆材を吹きつける工法に変更していた。ALCを変更したのは、高層の鉄骨造では大地震時での層間変形が大きく、間仕切り壁として追従しにくいからである。

当建物は本社ビルの為、一般階は事務所の大部屋なので、共用部の耐火壁のみ検討すればよく、一度決めればよかった。しかし本社ビルでは食堂階と役員会、会議室等があり、それぞれ耐火壁が設計されていた。ところが設計図はあるのだが、設計者としてはまだ時間があると思っていて、もうすこし凝ったデザインや仕上げ材を考えていたのである。

仕上げ担当の係へ早く設計を決めてもらうよう頼んだが、彼らには他の仕事もあり、設計者には中々催促してくれなかった。仕方が無いので、仕上げ材はともかく、防火壁の位置だけでも決めてもらうよう筆者自身が設計者と打ち合わせる事にした。その為に自分で詳細図を書いて設計者に確認してもらう手順とした。

A3のスケッチなのだが、多分50枚くらい書いたと思う。当時トレッシングペーパーに書く鉛筆は2Hが多かったと思うが、筆者は2Bで書いていた。2Bでは濃淡が表現できて、なんとなく設計者の書くデザインスケッチ風に思えたので、真似をしたのである。

耐火被覆工事は柱、梁は2回の吹く付け作業を行うが、2回目は少し日にちを置くので、上の階の1回目を先に行う。筆者が焦っていたのは2回目の時に耐火壁の吹きつけを同時に行いたいから、そうでないと吹き付け作業が3回になってしまい、施工効率は悪くなるからであった。

2Bで書いた筆者の検討図のせいではないが、流石に設計者も10~15mmの違いであるから、耐火壁の位置の承認について協力してくれた。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出43-耐火被覆工事-3 [建築施工]

耐火被覆や耐火壁は、ラスモルタルや鉄筋コンクリート壁等は政令で耐火時間が決められており、これら一般の材料を使う分には問題が無い。しかし一般ではない材料を使う場合には、大臣認定を受ける必要があった(現在は性能評価)。

当現場では耐火被覆材や耐火壁は既に認定品であったが、唯一鋼板耐震壁の耐火被覆については決まっていなかった。基本的には構造体であるから、柱や梁と同じ厚さの耐火被覆を吹きつければよいが、柱と梁では耐火被覆の厚さは柱の方が厚く、少し異なっている。これは耐火試験をする時の過熱条件が異なるからである。

設計者は壁として認定を受ける考えであり、確認申請にもその様に審査されていた。筆者は上述のように少し違和感があったが、担当者としては実施工の方法を考え、仕様を業者と決めたのであった。大臣認定の事務処理は他の係が担当した。

鋼板耐震壁であるが厚さは6mmしかなく、階高4m(梁があるので実質は3m)ではベラベラなので、500mm角でスチフナ補強されていた。従って直に吹きつけを行うのは合理的ではない。そこで「リブラス」をスチフナに取り付け、そこに耐火被覆材を吹き付ける事になった。リブラスをスチフナに取り付ける為に、耐火壁の骨組みを施工している業者が、番線をU形にしたクリップを考案した。実用新案を申請している。

こうして実施工法が決定し、試験所で耐火認定の試験が行われ、無事に認定を取得できた。耐火壁の場合、片側からの過熱によって、2時間耐火であればその時間後、壁の反対側の表面温度が260℃以下であること、骨組みの鋼材温度が450℃以下であることが審査基準である。

ところで筆者の違和感であるが、柱や梁の耐火試験では鋼材温度が350℃以下であることが審査基準なのである。350℃は鋼材の強度が低下し始める温度であり、450℃はかなり強度が低下するのである。耐震壁が構造体であれば柱や梁と同じ350℃以下とすべきではないか、疑問に思ったのである。

一方、大地震時に直ぐには火災は発生しないから、火災後には耐震壁は機能しなくともよい、との考えもある。当時はその様に考え得心した。しかし今から思えば、熊本地震では2日後に又、震度7が発生したから、この理屈は通用しない。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 

現場勤務の思い出42-耐火被覆工事-2 [建築施工]

鉄骨造の柱、梁の耐火時間は建築基準法施行令によって、最上階から4階までが2時間耐火、5階から14階までが2時間、それより下階は3時間耐火となっている。湿式吹き付け耐火被覆では3時間耐火の場合、厚さは60㎜となっている。

吹き付けの場合、通常2回吹きつけして厚さを確保する。1回目の吹きつけ後、厚さの目安の為にピンを挿しておく。2回目の時にこのピンが隠れるように吹きつければ、所定の厚さが確保されるのである。1m間隔くらいでピンを挿す。

そして監理事務所の最初の検査が行われた。筆者は当然立ち会ったのだが、検査者は長いピンを挿して厚さを確認していった。そして僅かに60㎜に欠ける部分があった。吹きつけ面は凹凸があり、凹部で僅かに足りなかったのである。

協力会社の担当者も筆者も言い訳は出来なかった。厚さの確保は当然であり、又、計測値は平均では無く、最小値が基準値なのである。結局、検査を受けたエリアは全て再度吹きつけを行う事となった。

作業員にとっては大変な手戻りであった。その為、以降の作業では60㎜に対して70㎜以上ともなるくらいまで吹き付ける事となった。材料費は嵩張るけれど、何しろ作業の手戻りの方が大変だから、当然の処置ではあった。

しかしながらそのことが今度は別の問題を引き起こした。設計では天井高さを決めるのは当然ながら少しでも高くしたい。その為、天井の下地材は梁の下端ぎりぎりに設計するのである。そして耐火被覆の厚さとしては10㎜のクリアランスしか想定していなかった。

70㎜を目標にすると、厚いところでは80㎜くらいにはなってしまう。その為、天井工事が始まると梁の下端の耐火被覆材がところどころ削られることとなった。天井の業者からはクレームが来てしまった。天井に関しては結局、耐火被覆の厚さはなんとか70㎜を超えないよう、ピンをたくさん挿して、又、自主検査も頻繁に行い、鏝で均したりもした。

一方、耐火被覆と同時に耐火壁の吹き付けも行っていた。耐火壁は薄い鋼材の「スタッド」を建てて、その両面に「リブラス」を取り付け、耐火材を吹き付けるのである。壁の方の厚みは2時間耐火で、又、審査基準も異なるので30㎜であった。その厚さも細かく検査されるので、厚さは10㎜余計に吹きつけた。

耐火壁の仕上げは下地骨組み付きの金属パネルであったが、その「納まり」もクリアランスが10㎜しかなく、こちらも問題となってしまった。壁は面積が大きいからもともと平滑にするのは難しい。設計者に対してクリアランスを20㎜にしてもらうよう折衝したのであった。金属パネルを張るような太部屋だから、10㎜位狭くなっても構わない、という事になった。

ブログランキングに参加しております。御面倒様ですが、クリックをお願い致します
にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村
有難うございます

nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | - 建築施工 ブログトップ