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沖縄の工事現場で石崩れ、1人死亡2人けが-ずさんな岸壁工事 [建設関連ニュース]

15日午後5時前、沖縄県北中城村安谷屋の駐車場を造成する工事現場で、岩や石が崩れて作業員が巻き込まれたと消防に通報があった。警察によると、男性作業員3人が崩れた岩や石に埋まり、このうち、うるま市石川東恩納の花城康也さん(47)が死亡した。また56歳と74歳の男性2人が足や腕などにけがをして病院に運ばれたが、命に別状はない。
現場では川沿いに駐車場を造成するため石を積む作業をしていたので、警察が詳しい状況を調べている。2017/8/15 NHK

工事現場で岩石崩れ.jpg

事故現場(NHK)

報道では「川沿いに駐車場を造成するため石を積む作業」とあるが、写真によれば護岸工事のようにも見える。崩れたのは写真中央部であり、右側は積み終えた状況のようである。人の身長から推定すると「擁壁」又は「護岸」の高さは8mくらいありそうである。

擁壁に関して筆者は専門なので、このブログでも何回か取りあげており、構造基準に関しては提案もしている。この提案では現行の基準では大地震の際にはかなりの確度で崩壊してしまうから、もっと規準を上げるべきだ、というものである。何しろ震度5を想定しての基準だからである。

その様な考えを持つ筆者であるから、報道された現場を見て唖然とした。これは現行の基準どころか、昔からの伝統的な石積みでもない。筆者が十分ではないと思っている現行の基準からみても

1. 「もたれ式」擁壁であるが、法面角度がほぼ垂直であり、技術的な裏付けは出来ない
2. 「もたれ式」擁壁の基本は「地山」を切り土して、法面を押えることである。しかし現場をみると地山には見えない(河川脇に垂直な地山は石山のみである)
3. 石積みにあたり「目地」にモルタルを詰めていない
4. 石積みの裏面は小石であり、適度な粒度分布の土ではなく、「ガサガサ」である
5. 「もたれ式」擁壁の足元は「根石」としてコンクリートの基礎を造るが、川沿いでは施工していないと思える

又、伝統的な石積みは沖縄にはよく見かけるが、せいぜい3mくらいではないだろうか?また石積みの背面は地山であろうし、少なくとも粘性土の交じった土を固めているはずである。石の大きさに統一感が無く、「石職人」の仕事に見えない。

以上、要するにこの事故は起こるべくして起こったものであり、写真の右側が「自立」しているのが不思議なくらいなのである。駐車場面には小型のパワーショベルがいるけれど、非常に危険である。

この様な行為が許可を得て施工したのであれば、許可した役所の責任は重大である。沖縄独自の擁壁基準は無いからである。従って無許可で行ったと思えるが、3人の死傷者となった「重大災害」である。施工した会社には重大な責任がある。

筆者にはこの事故は開発途上国(未だ経済が成り立っていないからで、決して見下しているわけではない)での事故のように感じてしまう。

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国交省、社会保険未加入業者の排除厳格化へ-ランク付けで公共事業受注に反映 [建設関連ニュース]

国土交通省は7日、建設現場での社会保険の加入促進に向け、公共事業の施工業者を選定する際に保険未加入の建設業者に対する評価を厳格化する方針を固めた。評価基準を告示改正で変更して保険未加入の業者が選定されにくい仕組みにする。労働環境の改善を図り、建設労働者の人材確保につなげるのが狙いだ。

国交省発注の公共工事では4月から施工業者に対し、下請け業者の社会保険加入を厳しく求めている。こうした厳格化の仕組みを入札の可否を分ける建設業者のランク付けの段階で、市町村レベルも含め全ての公共工事に取り入れる。

変更するのは建設業者が事業年度ごとに受ける「経営事項審査」の基準。審査では、技術力や経営状況などの項目ごとに能力や実績を数値化し、積算した総合点でランク分けしている。

社会貢献などを評価する「社会性等」の項目では、作業員が社会保険に加入していない場合などに評価がマイナスとなるケースもある。ただ、現行の総合点は各項目のマイナスも0点に繰り上げて積算され、減点されない仕組みだった。変更後、社会性等の項目は最も低い評価の場合、マイナス1995点となり、ランク付けに大きく影響する。

国交省の調査によると、雇用保険、健康保険、厚生年金保険のすべてに加入している建設労働者は全体の76%にとどまり、3保険とも未加入の作業員も13%に上る。元請けから法定福利費(会社が負担する社会保険料)を受け取っていない下請けの加入率が低いほか、型枠工など現場を渡り歩く技能労働者は未加入のケースが目立つ。2017/8/8 産経

建設業では所謂ゼネコンの社員はほぼ100%社会保険に加入しており、健康保険、厚生年金保険の約半分は会社が負担しており、社会保険に未加入の場合に比べて優遇されている。筆者は会社を退職してからは国民健康保険となったが、年金生活にとって大きな負担となっており、現役の頃の優遇を実感した。

しかしゼネコンの協力会社(下請負)においては1次下請負会社の社員は社会保険に加入していると思うが、2次、3次となると加入率は少なくなる。「日雇労働者」は加入しようにも特定の会社に所属していないので、厚生年金には加入できないし、雇用保険、健康保険には入れるようだが手続きを申請する必要がある。

建設業は「危険」「汚い」「きつい」の3K産業のイメージが強いが、更には病気や怪我の場合に手厚い保護が受けられない状況では若い人たちには魅力がない。配偶者となる人がその様な状況では結婚の障害になってしまい、未婚率が高くなる要因でもある。

今は2020年のオリンピックに向けて建設業はバブルの時と同じように盛況である。ゼネコンは多くの利益を計上している今こそ、下請負業者へ「法定福利費」を上乗せした代金を支払うのは当然として、下請負業者へ末端作業員に至るまで社会保険への加入を指導すべきであろう。

安全管理を徹底する際、最初に労働基準監督署が対象としたのは大手ゼネコンであった。今回の指針も先ずは大手ゼネコンが範を示すことにならざるを得ないだろう。そして下請負業者は今後苦しくとも作業員を社員として直傭することになるのではないか?直傭の方が安全面や品質確保においても有効なのは明らかである。

しかし2020年以降はどうなるのであろうか。建築の仕事は大幅に減少が予想されるが、一方、国土強靭化の為には大幅な財政出動をしてインフラ整備を行うべきなのである。大地震は当然としても、大雨による土砂災害が頻繁に起き、その都度「激甚災害」と認定されている現状は早急な対策が必要だからである。

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名古屋城の木造化申請受理されず1カ月-石垣調査に疑義 [建設関連ニュース]

名古屋城天守木造化に向けたハードルの数々に、名古屋市が苦悩している。8月に石垣発掘調査を始める計画だが、国の許可を得るどころか書類さえ提出できていない。建築基準法や消防法も満たす必要がある。目標の「2022年末完成」は達成可能だろうか。市は木造化に先立ち、天守の石垣の強度が十分か、発掘調査を予定している。名古屋城は国特別史跡のため、発掘のような現状変更を伴う調査をする場合、文化財保護法に基づき文化庁の許可を得る必要がある。

市は7月4日、発掘調査の許可を文化庁に申請しようとしたが、受け付けてもらえなかった。市も文化庁も「書類上の不備」と説明するが、1カ月近く経っても申請は済んでいない。市が木造化事業に着手したのは5月。手始めの発掘調査の手続きが遅れに遅れている要因の一つが、石垣に詳しい有識者の反発だ。石垣は総延長約8キロ。加藤清正が築いた天守台の高さは約20mに及ぶ。経年劣化や戦災による傷みから、石垣の保全や修復は木造化決定以前からの課題だ。2017年8月4日 朝日

現在の名古屋城の天守閣は太平洋戦争時に空襲で焼け落ち、1959年に鉄筋コンクリート造で再建された。日本で指折りの名城である名古屋城であるが、鉄筋コンクリートでは文化的な価値は小さいと言わざるを得ない。

その為2009年に名古屋市の河村たかし市長は天守閣を木造で復元する計画を発表した。爾来調査と門等を少しずつ復旧してきているが、肝心の天守閣に着いては未だ着手には至っていない。その障害となっているのが石垣を先に補強する必要があり、その為の調査を出来ないからだ、という報道なのである。

名古屋城は国特別史跡として指定されており、石垣の調査をするには文化財保護法に基づく文化庁の許可が必要である。石垣の調査は背面地盤の状態(土質や強度など)を調べるだけではなく、石の積み方、石の形状の組み合わせ方等を調べる必要がある。即ち石垣を一旦解体する必要がある。

熊本地震での熊本城では明らかに緊急事態であり、調査の許可などという悠長な手続きをしている訳にはいかないから、復旧作業は急ピッチで進められている。一方、名古屋城の天守閣は耐震強度が不足しているから、観光として天守閣への入場を禁止すべきと都の指摘もある。

筆者の考えでは、現状の石垣の耐震性は間違いなく危険な状態にある。石垣(擁壁)の設計基準は現在でも震度5強程度なのである。従って震度7が予想される東海地震が発生すれば石垣はひとたまりもなく崩壊すると考えられるのである。即ち「調査するまでもない」と筆者は思う。

石垣を耐震補強してから天守閣の木造化工事を行う事には賛成するが、石垣の耐震化はおそらく石垣部分を建物と一体化するしかない。注入工事等で石垣の背面地盤を補強することも考えられるが、石垣とは一体とはならず、強震時には石だけが崩落する。従って鉄筋コンクリート造の地下室を造り、その地下外壁の装飾として石垣を再現するのが確実だと考える。

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道後温泉本館の耐震補強-工期は7年、26億円と試算 [建設関連ニュース]

国の重要文化財「道後温泉本館」(松山市)の老朽化に伴う耐震補強工事を地元の温泉街関係者や大学教授らが検討する審議会の会合が24日、同市で開かれ、市の担当者は工期が約7年間で、事業費は約26億円に上るとの試算を説明した。

着工時期は来年の秋以降となる見通し。道後温泉本館を管理する松山市は集客への影響を少なくするために、工期中も部分的に営業を続ける方針を決めている。

松山市の市長は「松山の宝である道後温泉本館を次の世代に引き継いでいくために必要な工事。ご理解とご協力をお願いします」とのコメントを出した。現在の道後温泉本館は明治27(1894)年に改築された木造3階建て。観光地として知られ、昨年度は約80万3千人が訪れた。2017/7/24 産経

道後温泉本館外観.jpg

道後温泉本館

道後温泉は4年前に、家内と愛媛に2泊3日の旅行をした時の観光目的のひとつであった。当然湯を戴いたのだが、家内は2回も入りに行った。1階に「神の湯」、2階に「霊の湯(たまのゆ)」があるが筆者は霊の湯だけで、家内は神の湯にも行ったのであった。

湯あがりに3階の休憩室で坊ちゃん団子を食べ、そして夏目漱石ゆかりの資料の置かれた部屋、「坊ちゃんの間」を見学した。100年以上も経っているがメンテナンスも良くて、なかなか居心地の良さそうな部屋であった。夏目漱石が愛媛県尋常中学校の教師をしていた時に利用していた部屋だそうだが、当時の教師は偉かったのだろう。

坊ちゃんの間.jpg

坊ちゃんの間

写真は筆者が撮影したのだが、道後温泉本館の周りはすっかり新しい街になっており、道後温泉本館が100年以上も前の建物なのは、何か神秘的ですらあった。建築学的価値については筆者には知識は乏しいが、国の重要文化財(文化施設)に指定されているくらいだから、松山市が大切にしているのは当然である。

道後温泉本館は多分延べ床面積は1500m2くらいだと思うが、耐震補強に26億円、工期が7年もかかると言うのは驚きである。東京駅が5年で免震化工事が出来たのに比べて、随分と掛るものだと思う。
道後温泉本館は松山市の観光名所で経済効果も高い施設だから、当然営業しながらの工事となる。東京駅は1日の乗降客は45万人だから、改修工事は大変であったと聞く。しかし規模は小さくとも道後温泉本館の改修工事も細かく区画されて順次改修工事を行う事から、7年も掛ってしまうのだろう。

工事費についても仮に述べ床面積が1500m2とすれが、173万円/m2(坪572万円)と相当なものである。解体して新築出来る工事費である。しかし重要文化財だから耐震補強で「鉄骨」を使うのは仕方ないが、木材については出来るだけ再利用し、新しくする場合には樹種を同じくする必要がある。又、寺社建築の宮大工かもしれない。そして工期が長いと経費がかさむから、費用が掛ってしまうのも仕方がない事なのだろう。

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日本橋の首都高地下化、五輪後着工-景観改善へ [建設関連ニュース]

東京・日本橋周辺の景観を改善するため、国土交通省は21日、日本橋の上を走る首都高速道路の地下化に取り組むと発表した。事業費は数千億円に上るとみられる。国と東京都、首都高速道路会社などが協力し、2020年に開催される東京五輪・パラリンピック終了後に着工する方針だ。

同省によると、日本橋周辺では民間業者が再開発事業を検討しており、地下化を再開発に組み込むことで、事業費の縮減を図る。地下化区間は、首都高都心環状線の竹橋―江戸橋両ジャンクション間(約2.9km)を軸に、今後、具体策を都や首都高速道路会社と検討していく。

21日の閣議後の記者会見で、石井国交相は「単なる老朽化した首都高速の更新にとどまらない、魅力ある都市景観の再生のため、都などと協力して地下化に向けて取り組む」と述べた。2017/07/21日 読売(写真も)

日本橋の上を走る首都高都心環状線.jpg

日本橋の上を走る首都高都心環状線

筆者は運転免許を取るのが遅かったせいもあって、運転は下手である。下手ではあるが特に問題を起こしたことが無いのは、危ないところは通らないことにしているのである。その危ないところとは、例えば首都高なのである。

首都高は60年以上前に作られたのだが、誰が設計したか知らないが、筆者の様な下手なドライバーには非常に危険な道路である。先ず路側帯が無い。カーブが急である。インターから入る時に助走の長さが短く、路側帯が無い事も相まって極めて危険である。従って筆者が実家に帰るときには首都高を使った方が早い事は分かっているが、下道しか使わない。

そしてこれが一番問題なのだが、阪神大震災で横倒しになった高速道と同じく、今後首都圏直下型地震が起きれば多くの区間で首都高は被災するであろう。阪神大震災に柱のせん断補強をしているけれども、そもそも耐震基準が違って(小さく)設計された構造物であるから、小手先の補強では十分な効果は期待できないと思う。

ところで本題の日本橋に架かる首都高であるが、このことはかなり前から話があったように思う。しかしあまりに高い建設費から実現は無理と思われていた。しかしこのところの(庶民には実感のない)景気から、改めて出てきたのであろう。

確かに本来江戸時代の面影を偲ぶ日本橋であるはずが、首都高が空を隠してしまっては、情感も何もあったものではなかった。勿論江戸時代の木造のままではないが、1911年完成のこの橋は重要文化財に指定されるほどの出来栄えなのである。

しかし東京五輪後に着工すると言うのは、如何にも五輪後には建設業界の仕事が無くなるのを見越してのことである。建設業界の仕掛けた計画、という批判もあるかもしれないが、五輪後には何も建設業だけでなく、日本全体が不況になる事も予想されているのである。

個人消費が全然触れない現状である。五輪後の不況を考え、更には「国土強靭化」や「観光大国」を目指す政策として、公共工事は必要である。期待したい。

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新国立競技場の現場監督「過労自殺」か-遺族が労災申請、五輪組織委に再発防止要請 [建設関連ニュース]

2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の地盤改良工事に従事していた都内の建設会社の男性社員=当時(23)=が自殺したのは、月200時間超の時間外労働などの過重業務が原因として、両親が上野労働基準監督署に労災申請したことが20日、分かった。東京五輪に向けた建設現場で労災が疑われる事案が明らかになったのは初めて。

遺族側弁護士は同日、「競技場は設計見直しで工期が遅れ、労働者は長時間労働を余儀なくされている」として、大会組織委員会に再発防止を要請した。

弁護士によると、男性は大学卒業後、昨年4月に都内の建設会社に就職。12月中旬から、新国立競技場の基礎工事の前段階となる地盤改良工事の現場監督となったが、今年3月2日、会社に「欠勤します」と連絡した後、失踪。4月に長野県で遺体で発見された。「身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした」などとする遺書が残されていた。2017/7/20 産経

亡くなられた社員は建設会社勤務とあるが、その社名は明らかではないがおそらく土木系の基礎工事会社である。「新国立競技場の現場監督」と書かれると大成建設がスポンサーの共同企業体の社員のように思われるかもしれないが、共同企業体は「総合請負業:ゼネコン」であり、亡くなられた社員が勤務していたのはゼネコンの1次下請負(協力会社)の会社なのである。

地盤改良工事を担当していたようであるが、現場の地盤は悪くは無いので、おそらく既存建物の解体の際に掘り起こした地盤に対するものか、或いは直接基礎として支持層まで(それほど深くないと思われる)の地盤改良なのであろう。

報道にあるように新国立競技場は紆余曲折の末着工したもので、工期はこの規模にしては3年とはなかなか厳しい。おそらく建築主からはリハーサル期間を少しでも多く取りたいから、さらに「工期短縮」を強く要求されているのであろう。

工期短縮には「構工法」の変更などハードの対策と、敷地が広いから「工区」を分けて複数の異なる作業をまわしながら行う事も、集められる機械が限定されるときには有効である。建設業全体に工事が少なければ作業機械、作業員を多く集める事は多分最も工期短縮になる。いよいよ最後の手段は突貫作業である。

以上の工期短縮はゼネコンが考えて協力会社に指示をするのであるが、協力会社としてはゼネコンの要求を受けざるを得ない上下関係があるので、特に協力会社の社員は大変な苦労をすることになる。

ゼネコンには逆らえず、2次下請負会社からは「出来ない」「値上げ」を言われるからである。所謂「中間管理職」の様なものである。それをまだ入社したての社員が背負ったのであるから、どれほどの辛苦であったか、筆者には想像もできない。先のブログでも書いたが、新入社員は大学では何も施工のことは習ってないから、普通は先輩社員の後をついていくだけの毎日なのである。

これから民事訴訟も行われると思われるが、検証すべきは本人が所属していた建設会社からどの様な体制のなかで管理していたかである。まさか亡くなった本人だけではないはずである。そしてゼネコンの要求した施工計画の妥当性も検証されるべきであろう。最近のゼネコン社員は3現主義(現場で現物の現実)を知らない。

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埋め立て地帰属問題、江東・大田区、来月にも都へ調停申請-国内の領土問題? [建設関連ニュース]

2020年の東京五輪・パラリンピックでボートなどの競技会場を設ける東京湾の中央防波堤埋め立て地の帰属を主張し合ってきた東京都江東区と大田区は22日、地方自治法に基づく調停を都に申請すると発表した。それぞれ区議会の議決を経て7月にも申請する。都は知事が自治紛争処理委員を任命し、調停案を90日以内にまとめる見通しだ。

江東区の山崎孝明区長と大田区の松原忠義区長が同日会談し、話し合いでの解決は困難との認識で一致した。会談後に記者会見した山崎区長は「全島帰属を主張し続けてきたので断腸の思いだが、腹をくくるしかない」と表明。松原区長も「それぞれ言い分や反論を重ねてきたが、どうしても一致しなかった」と語った。

埋め立て地は約500ha。1973年にごみ処分場として埋め立てが始まったが、境界が決まらずに40年以上が経過した。江東区は「ごみ受け入れに協力してきた」と主張し、大田区は「住民がノリ養殖で生計を立ててきた経緯がある」との立場。東京五輪までの決着を目指してきたが、溝は埋まらなかった。五輪ではボート・カヌーや馬術の会場が設けられる予定。五輪後には江東区がスポーツ・レジャー拠点構想、大田区は羽田空港周辺との一体的な街づくりなどを掲げている。

都内の帰属問題としては、現在のお台場地区に当たる「13号埋め立て地」を巡って江東、港、品川の3区が調停を申請し、分割案を受け入れたケースがある。2017/6/23 日経

筆者は長年ゼネコンの地下工事が専門の技術者だったので、東京湾の中央防波堤埋め立て地は「残土」の受け入れ先として関係してきた。関係と言っても受け入れの申請や交渉は現場の担当なので、筆者は「工期算定」をする時に一日にどれくらい搬出でき、処分できるか検討しただけである。搬出可能残土量は「工期算定」においてかなり不確定要素がある一方、主要な項目なのである。

環境アセスメントを適用されるような大型現場で、残土搬出の為のダンプトラックの台数は、排気ガスが周辺環境をどの程度のものか評価される。環境アセスメントとしてはダンプの台数は少ない方が良いが、それでは地下工事にべらぼうな日数が必要になるから、かなり経験的な判断が必要であった。

それでも中央防波堤埋め立て地の受け入れ容量がまだ十分であった場合には、建設現場周辺の道路の状況だけを確認して、ここでは5000m3/日破可能とか、少し道路状況が悪ければ3000m3/日にして、掘削期間はかかるけれど躯体工事をラップさせて解決しよう、などと計画したのである。

しかし中央防波堤埋め立て地もやがて終わり、受け入れ先はそれこそ台船で千葉や、稀には四国まで運搬する、などといった方策を考えなければならなくなってきた。受け入れ先の問題が深刻になったのである。そのころには筆者は東京支店から本社に異動していたので詳しくは無い。

それにしても埋め立ては知事の権限なのだが、埋立地が出来て利用するとなると、その後の管理は区や市になるのは分かりきったことである。道路やインフラ、学校等区や市の責任だからである。それを事前に決めていなかった、のはおかしな話だ。もっとどうやら最初から問題となっていた様だ。

しかし問題は先送りされ、とうとう決着の日が来たのである。問題を先送りして上手く行くのは、将来世代が優秀(或いは進歩するから)で、画期的な解決法がある、と期待したのだという事なのだが、そんなことはなかった。単なる無責任に終わった。

なお領土問題の場合には、問題を先送りするのは国家の長期的な戦略である。

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ダム放流、下流で親子が流される-新潟県加治川治水ダムで事前連絡なし [建設関連ニュース]

新潟県新発田市の滝谷森林公園で17日午後4時ごろ、加治川の中で水遊びをしていた男児(9)と母親が流される水難事故があった。親子は救助されて軽傷。約4.5km上流にある県管理の加治川治水ダムが、羽越水害50年の記念行事にともなって放流量を増やしたのが原因だった。

県河川管理課によると、17日午後2時ごろから45分間、放流量を一時的に減らして行事の参加者に放流の様子を近くで見せる「観光放流」をした。その後、高まった貯水池の水位を下げるため放流量を通常の2倍以上に増やしたが、下流への事前連絡やサイレン警告なはしなかった。

男児は流された直後に公園職員らが浮輪を投げるなどして救出され、母親は100m流されて自力で川岸にたどり着いた。男児はひざにすり傷を負い、母親は低体温症と診断された。通常30~40cmの現場の水深は、事故時は85cmほどあったという。同課は「観光放流は今回が初めてだった。下流に伝えるべきだった」と話す。2017/6/18 朝日(写真は新潟県河川管理課提供)

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加治川治水ダムの観光放流の様子

ダム放流を知らされず.jpg

加治川の滝谷森林公園付近

19日には新潟県新発田地域振興局長が記者会見して「想像力が欠如していた」と陳謝し、事故を招いた責任を認めた。謝罪の「想像力が欠如」とはどういう意味なのだろう。本来は「管理体制が機能しなかった」もしくは「判断基準が間違っていた」或いは「判断基準が無かった」の何れかを明確にするべきである。

筆者には「想像力が欠如していた」からは「想定外」という言い訳を思い出す。今までの常識や災害時の教訓は、法律や管理基準等になって公にし、管理をしていくことなる。ところが「想定外」であれば、法律や管理基準が無かった言い訳になる。局長は「想定外」を使いたいところであるが、放流すれば河川の水位が上がるのは自明だから、「想像力が欠如していた」と言い方を変えたように思えるのである。

100歩譲って「想像力が欠如していた」の解釈として考えられるのは、建設現場での朝のミーティングでの「KYK」である。「危険予知訓練」の頭文字なのだが、その日の作業で考えられる「危険」を「予知」して予防しようという、全員参加の安全確認である。「予知」は想像力の一つである。しかし局長が言い訳に使うとなれば、それは「担当者」の「予知能力」が無かった、という事である。

大体、ダムからの放水によって下流の水位がどの程度上昇するのかは水理学の基本である。滝谷森林公園付近の河原は水遊びするのだから当然勾配の少ない場所であろう。勾配が少なければ水流速度は小さいから、水量が多くなれば容易に水位は上昇する。建築屋の筆者にも分かることである。まして土木技術者であれば基礎的なことなのである。

筆者も黒部ダムの迫力ある観光放流を見て、大げさにいえば「自然と人間の共生」を思い感銘を受けた。これから暑い夏がやってくるから、県としては観光放流で客を呼ぶようにしたいのだろうが、もうその目論見は崩れ去った。17日の放流を見た観光客は、下流で母子が流されたことを知り、さぞ後味の悪い思いをしたのではないか?

まったくもって情けない管理体制である。

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「千年に1度の豪雨」による被害予測-淀川水系の想定公表 [建設関連ニュース]

国土交通省近畿地方整備局は14日、大阪府、京都府を流れる淀川(宇治川を含む)、木津川、桂川で洪水が起きた場合の新たな浸水想定区域を公表した。「千年に1度」の豪雨の場合に家屋が押し流されるなどして倒壊する危険性が高い区域を新たに示し、面積は大阪、京都の17市町の55.5km2に及ぶ。

各地で相次いだ想定以上の豪雨災害を受けて2015年に改正された水防法により、国交省は災害規模の想定を「千年に1度」に変更。淀川水系で基準となる大阪府枚方市の上流域での最大降雨量を、2002年の想定で使った「2日間で500mm」から過去最大を上回る「24時間で360㎜」に変え、近畿地整が管理する部分について浸水想定区域を示した。

その結果、最大で約230カ所の堤防が決壊し、大阪府と京都府の27市町で浸水被害が発生。浸水面積は大阪市の面積(223km2)を上回る計265km2と予測した。想定する降雨量は増えたものの、2002年の想定時よりシミュレーションの精度が100倍に向上したことで、浸水面積の想定は316km2から縮小した。

最大の浸水の深さは、京都府木津川市で8.9m、宇治市で8.7m、大阪府高槻市で8m、大阪市旭区で7.2mとなり、20市町で家屋の2階が水没する5m以上の浸水が発生。JR大阪駅周辺でも最大2.5mの浸水が予測された。2017/6/15 朝日

「千年に1度の豪雨」発生したら.jpg

最大2.5mの浸水が起きた場合のJR大阪駅周辺のイメージ(国土交通省提供)

近年の地球温暖化を原因とする気候変動により、日本もここ数年、集中豪雨が各地で発生し、土砂崩れや土石流による被害等深刻な災害となっている。そして河川が増水し堤防を越えて広域の浸水被害も最近多いようである。

2015年台風18号は9月9日に東海地方へ上陸したのち、同日夜に日本海で温帯低気圧になった。この台風による直接的な被害は大きくなかったものの、関東地方北部から東北地方南部を中心として24時間雨量が300mm以上の豪雨となり大規模な被害をもたらした。

茨城県常総市付近では10日早朝より鬼怒川の数か所で越水や堤防からの漏水が発生し、午後には常総市三坂町で堤防が決壊した。これにより常総市では鬼怒川と小貝川に挟まれた広範囲が浸水し、死者2名、負傷者40名以上、全半壊家屋5000棟以上という甚大な被害を受けたのは記憶に新しい。

日本では山が多いから、河川の土砂運搬作用によってできた扇状地に田畑や街ができている。扇状地は謂わば河川の氾濫によってできたのだから、集中豪雨となれば洪水が起きるのは自明である。しかし先人は治水工事を人力で連綿と続けてきて現在に続いている。流石に現代の治水工事は機械化作業で工期は短くなったが、奈何せん工事には財源が必要であり、簡単に「スーパー堤防」は出来ないのである。

この記事は大阪府が浸水する可能性を検討したものであるが、2000年9月11日から 12日を中心に愛知県名古屋市およびその周辺で起こった豪雨災害を教訓にしたのであろう。筆者は確か浸水被害の1週間後位に大阪に出張した時、新幹線から見た名古屋市内の惨状は目を疑った。未だ氾濫時の漂流物や浸水して使い物にならない家財が道路にあふれていたのである。

「1000年に一度」の水害予測と言うのは、おそらく大地震が今や100から200年に一度という建築基準法の想定が、「1000年に一度」の地震も「想定外」と言えなくなりつつあることを意識したのであろう。大地震対策として断層上の建物はともかく、耐震工法は技術的に可能である。しかし洪水対策は「堤防」が前提だから、やはり財源の問題がある。この公表は国民の理解を得る為に、2020年後はやはり国土強靭化に財政支出することの布石なのだろう。

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ロンド高層アパートで火災-12人*の死亡確認、18人*重傷 [建設関連ニュース]

英ロンドン西部のノースケンジントンにある高層アパートで14日午前1時(日本時間午前9時)ごろ、大規模火災が発生した。多数の住民が逃げ遅れ、ロンドン警視庁によると、6人の死亡が確認された。出火原因は不明。炎は一時、建物全体を包んだ。

消防当局は消防車約40台、隊員約200人を現場に急派。当局者は「5カ所の病院に少なくとも30*人を搬送した」と語った。日本の外務省によると、邦人が火災に巻き込まれたとの情報はない。

アパートは、ケンジントン・チェルシー区が管理する公営住宅で24*階建て。200人(?*)以上が住んでいるとみられる。避難した住民によると3階から出火し、20~50人が行方不明になっているもよう。建物から飛び降りた人もいたという。

アパートは1974年に建てられ、5年ほど前に一部が改装された。工事に問題があったのか改装後、ガスに引火などして6階部分から火災が発生し、住民が消し止めたことがあったという。警察当局は、改装工事と今回の出火の関係について調べている。2017/6/14 産経 *:筆者変更

Grenfell Tower.jpg

Grenfell Tower in west London(Googlemap)

まさか世界に冠たる先進国の英国で、この様な大火災が起きようとは誰もが思わなかったのではないか?文化、文明をリードしてきた英国は1167年にオックスフォード大学を創立し、ノーベル賞受賞者の数は人口比でいえば米国より多い。ちなみにオックスフォード大学生は1208年創立のケンブリッジ大学を新しくできた大学、というそうだ。

この火事は世界中で報道されているが、火災原因は後述するとして、気になったのが建物が24階とか27階であるとか、定かでないことである。英国では1階がグランドフロア、2階が1stフロアと言うせいだろうか?しかし3階も違うのが解せない。

又、建物の構造が伝えられていない。日本で高層住宅の火災であれば、階数と共に建物の構造を伝えるのは常識である。筆者の感覚では「鉄筋コンクリート造」であれば、なんとなく火災に強いイメージがあり、「鉄骨造」は911のWTCを思い出すのである。英国では「建物の構造」はあまり関心が無いのだろうか?

火災の出火原因はこれからの調査であろうが、瞬く間に全ての階に延焼したのは外壁が耐火構造になっていなかった、と思われる。外壁材が表面は金属であっても、裏に「耐火材」が無かったのではないだろうか?外壁には「断熱性能」も要求されるので、裏打ち材は必要なのだが、断熱性能があり、且つ耐火性能も必要なのである。もし断熱性能に優れる「発砲ウレタン」だとしたら、「燃え草」である。

日本では外壁の耐火構造として、外壁材が1~2時間耐火の材料を使用し、開口部がある場合は、上下の開口部は90㎝以上離す必要がある。上下の開口部の間の部分を「スパンドレル」と言う。この規定によって、下階の火災が上階に延焼しない、とされる。なおベランダがあればスパンドレルの規定は適用されない。

以上はあくまで推定なのだが、この高層住宅は約12億円かけて改修したそうである。英国の建設需要は改修工事の比率が高いから改修工事は茶飯事であり、建設業者も得意なはずである。改修の設計者、施工者の責任が今後問われることになる。新築工事が少ないから、英国の建築学科は人気が低く、建築界のレベルが低い事はないだろうか?勿論世界的に有名な建築家はいるのだが。

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