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不要携帯から金・銀・銅、東京五輪メダル作成へ-日本は「都市鉱山」の国である [環境問題]

使用済みの携帯電話やスマートフォンから、金、銀、銅を抽出し、2020年東京五輪・パラリンピックのメダルを作る全国規模の取り組み「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」が26日、福井県内全17市町でも始まった。

県内ではこれまでに福井、鯖江、越前、坂井各市と越前町が参加し、デジタルカメラ、ゲーム機などの小型デジタル機器を回収しているが、取り組みを加速させるため、携帯電話、スマホに特化した回収ボックスを全市町の役所・役場に設置した。

小型家電リサイクル法が13年に施行されたが、回収は進んでおらず、年間の目標14万tonに対し、6.7万ton(15年度)にとどまる。県は「思い出が詰まっていてしまい込んでいる携帯電話、スマホを、東京五輪を機に、新たな思い出に生かしてほしい」としている。2017/06/29 読売

都市鉱山(urban mine)とは、都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に有用な資源(金やレアメタルなど)が存在することから命名されたものである。そこから資源を抽出し、有効活用するというリサイクルの一環である。

日本は世界有数の資源大国である。(独法)物質・材料研究機構が2008年1月11日に発表した数字によると、日本の都市鉱山に存在する金の総量は6,800tonで、これは全世界の現有埋蔵量の約16%にあたる。銀は60,000トンで、これは世界の埋蔵量の22%にもおよぶ。同様にインジウムは世界の16%、錫は11%、タンタルは10%と、日本の都市鉱山には全世界埋蔵量の一割を超える金属が多数存在する。

都市鉱山は金属含有率も非常に高い。例えば、金鉱山の鉱石 1 tonから採れる金は南アフリカの有力な金鉱山でも4~5gであるのに対し、携帯電話1tonに含まれる金は約280gもある。携帯電話はきわめて採算性の良い「鉱山」なのである。

本記事はリサイクルで2020年オリンピックのメダルを造ることが、日本の環境問題に取り組む姿勢のシンボルになり、世界へのメッセージとなることを指摘しているが、尤もなことである。各競技の表彰式の度にアナウンスされることだろう。

建設業界にとっては携帯のリサイクルは関係ないが、今後耐用年数を終えた建物の解体が継続的に増えていく。そして建設業では今やリサイクル率は90%以上であり、例えば鉄骨や鉄筋はほぼ100%リサイクルされる。つまり電炉メーカーによって新たな鋼材になっているのである。

ガラスもリサイクルの優等生である。ガラスカーテンウォールは現代では欠くことのできない外壁のテクスチュアであるが、建物は汚れにくいし、リサイクルしやすいのである。デザイン性だけではない環境配慮の建物である。従ってガラスカーテンウォールの(想定外の)大地震時の飛散防止対策は重要課題である。

資源が無いといわれている日本がいつしか「都市鉱山」の国となっていた。後はリサイクルに必要な燃料、エネルギーである。当面は原発に頼り、次にはメタンハイドレートや太陽光などの自然エネルギー等で自前のエネルギーが確保できないだろうか?

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構造設計一級建築士-4 定期講習②CPD [国家資格]

構造設計一級建築士の定期講習は、建築士法の(知識及び技能の維持向上)として

第二十二条  建築士は、設計及び工事監理に必要な知識及び技能の維持向上に努めなければならない。
2 国土交通大臣及び都道府県知事は、設計及び工事監理に必要な知識及び技能の維持向上を図るため、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるものとする。

と定められている。

知識及び技能の維持向上とは、欧米では専門職のための「CPD:Continuing Professional Development」という継続的に技術の向上を図るプログラムを模したものである。日本でも医師、コンサルタントなどの団体では、この制度をいち早くから取り入れ展開している。建築で行われるようになったのは「A建築士偽装問題」からであった。

上記の日本のコンサルタントとは技術士のことで、1995年11月に大阪で開催されたAPEC(Asia- Pacific Economic Cooperation)首脳会議において、「APEC域内の発展を促進するためには、技術移転が必要であり、そのためには国境を越えた技術者の移動が不可欠である」旨の決議がなされた。その為に特定の技術者をAPECとして相互認証する必要があり、日本では、技術士資格の「船舶・海洋」「航空・宇宙」「化学」「繊維」「金属」「農業」「情報工学」及び一級建築士の「建築構造」が選ばれた。そしてAPECエンジニアに登録すると登録更新の要件に、CPDを過去5年間で250時間以上が規定されたのである。

又、技術士法でも職業倫理を備えることを求めると同時に、技術士資質の一層の向上を図るため、資格取得後の研鑚が責務とされているから、CPDを規定している。しかし技術士には更新手続きは無く、又CPDの報告義務も無いので、APECエンジニア登録をしている技術士を除くと、CPDを行っている割合は少ないと思われる。筆者もそうである。

CPDの時間とは、例えば講習会の参加や、学会への論文作成、講習会講師、企業内研修、産業界で表彰されるような業務、学会委員会参加、技術図書の出版等であり、単に仕事をしているだけではCPDにはならない。筆者は現役の頃では、学会の委員であったし、分担執筆図書、講習会講師、企業内研修講師、企業内技術発表(特許申請するものがかなりあった)など、5年に150時間などわけもなかった。

しかし今や正規のCPDと言えるのが、今回の構造設計一級建築士の定期講習なのである。これだけでは3年で8時間しかない。本ブログ執筆は勿論認定されないだろうが、筆者にとっては内心は自己啓発なのである。


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構造設計一級建築士-3 定期講習 [国家資格]

構造設計一級建築士の場合、3年に一度定期講習が義務付けられている。ちなみの同じく3年ごとに定期講習があるのは、設備設計一級建築士、設計事務所の責任者である「管理建築士」と、設計事務所に勤務する「一級建築士」である。例えばゼネコンの現場社員はかなりの割合で一級建築士資格があるが、設計部門ではないので定期講習の義務は無い。

3年に1度だからそれほど大変ではないが、年金生活で且つ役だっていない資格の為に都芯まで行き、丸1日の講習を受けるのは、筆者にはイベントなのである。構造設計事務所の所長はおそらく、構造設計一級建築士、管理建築士、一級建築士の3つの講習を受ける必要があるから、毎年受けている状態で、さぞ大変であろう。

定期講習は2011、2014年年度に続いての3回目であり、今年度受講しなければならないことは分かっていたので、建築技術教育普及センターからの受講案内が届いたたので、直ぐに申し込んだ。筆者の場合東京での受講となるが、今年度は合計9回行われる。そのうちどれでも良いのだが、最初の2回は講師による講習であり、残りの7回はこの講師の講習をビデオ撮影し、貸し会議室での視聴するのである。ビデオを1日眺めるのは筆者には苦痛である。自宅で気の向いた時に分割して視聴するなら良いが、連続では無理である。

直ぐ申し込んだので無事に最初の講習会に参加することができた。多分500人くらいの受講者で7割くらいの入りである。4人の講師のうち2名は元大学教員で、他は(一社)日本建築構造技術者協会からであった。講習会のテキストだけを使うので面白さ(興味深さ)にかけるのだが、やはり生身の人の講習の方がビデオより格段に良い。

月曜日だったので昼食は近くの会社員で混雑するから、予めコンビニでサンドイッチと野菜ジュースを買っておいた。講習会場のホールの「ホワイエ」には幾つか椅子やテーブルがあるのを知っていたから、午前の部が終わったら直ぐに席を確保して食事を取ることができた。

眠たい午後の講習が終わり、最後に1時間の修了考査がある。合計40問の○×問題である。約半分は今日の講習内容、テキストから出題されるから、ちゃんと一日受講したかが問われるのである。16200円も出しての講習であるから、筆者は真面目に受講していたので全問正解できたと思った。

最後に事務局から考査の発表は6月26日と説明があった。しかしながら未だ建築技術教育普及センターのHPには考査結果が発表されていない。まあ、資格試験ではない定期講習であり、急いでいるわけではないからことを荒立てる必要は無いのだが、天下り団体と指さされないようにしてもらいたい。

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濁る世界遺産、熊野川-「水の国」キャンペーンの清流イメージ無残 [環境問題]

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の観光スポットである「熊野川」の濁りが止まらない。かつての「鮎がすむ清流」のイメージは見る影もなく、茶褐色のドロリとした流れが岩を洗っている。上流の脆弱な岩盤からの崩落が原因とみられるが、あまりに広範囲すぎて抜本的な対策も打てない。県も一時、「絵的に厳しい」と川の写真や説明を観光パンフレットから外したほどだ。自然と人智の闘いは終わりが見えない。

熊野川には、奈良県十津川村を縦断する「十津川水系」と、和歌山県の飛び地の北山村から流れ下る「北山川水系」があり、新宮市熊野川町で合流している。濁っているのは十津川水系で、北山川水系は観光客に人気の瀞峡(どろきょう)を抱く清流で透明度も高い。2017/6/26 産経(写真も)

濁りのひどい十津川水系(右側)と清流の北山川水系(左側)の合流地点.jpg

濁りのひどい十津川水系(右側)と清流の北山川水系(左側)の合流地点。

3年前に黒部ダムや安曇野に観光に行った際上高地にも訪れたが、清流で知られる梓川は濁流となっていた。3日前からの大雨のせいで山から流れ込んだ土砂が原因であった。何時もなら緑が濃くなった山々を映し出す梓川は無残であり、せっかくの観光であったが惜しまれた。

日本の川は基本的に流れが速いから、大雨でもない限り奇麗な流れなのである。そして記事の北山川水系の熊野川は清流であり、更に透明度も高い事で人気なのである。通常の降雨は、里山の木々の足元には長年に渡って落ち葉が堆積し、土粒子が流れるのを防止している。自然のフィルターなのである。

記事の濁流は「十津川水系」からであり、原因は上流の脆弱な岩盤からの崩落だそうである。岩盤であれば木々は育つのが難しいから、降雨時に地肌を守れない。問題となる言葉であるが「禿げ山」なのだろう。東南アジアや南アメリカの森林伐採によって山の地肌が現れ、雨のたびに土砂が流れ込む。日本と異なり川の流れは遅いから、特に濁りは濃くなる。やはり環境問題の主要な課題なのである。

更に記事には「十津川水系」の上流にある2つのダムも濁流の原因であるとしている。ダムは経年のうちに貯水池には土粒子が沈殿し保水容量が少なくなるので、定期的に放流する必要がある。その放流時に土粒子のうち、粒系の細かい粘性土粒子が一緒に流れてしまうのである。本来は放流するのではなく、貯水池の底浚いをすればよいのであるが、相当な費用が必要である。何しろ浚いあげた土砂は「汚泥」扱いで、産業廃棄物なのである。

ダムの影響は否定できないが、やはり山肌を守ることが必要なのである。「脆弱な岩盤」であれば今後集中豪雨でもあれば大きな崩落が起きて「土石流」となって下流へ流れ、災害となる可能性は高い。土砂災害を防ぐ意味でも何らかの対策は出来ないのだろうか?

今は東北、熊本の震災復興や2020年オリンピックのために忙しい土木業界であるが、何れ本来の社会インフラ整備の為の事業が待っている。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の観光スポット「熊野川」も是非対象としてもらいたい。

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街路樹-先ずは添え木して大事に育てる [エッセイ]

広い道路であれば、歩道も歩行者と自転車が通れる幅を確保できる。そして他に必要なのは街路樹である。街路樹があるのと無いのとでは、街並みが随分変わって見える。街路樹が無いと無機質の時間が止まった街となるが、あれば今はたとえ小さくとも何れは大きく(樹種に由るけれども)育ち、暑い夏には涼を与えてくれる。緑の木々は疲れた目にも優しい。

又、今は都心から離れたベッドタウンにも高層住宅が建てられている。湾岸だけではないのである。家の利用駅の前にも高層のツインタワーができている。駅の南側には12階建ての住宅群があったが、北側には8階建てのみで、数は少なかったからこちら側も随分開発された感じである。家は北側なのですこし気分が良い。駅を降りて目の前にタワーマンションがあるのは如何にも今風の駅前、という感じなのである。

しかし高層住宅には問題もある。その一つがビル風である。駅前通りを向かいあって立つタワーマンションの間には、風がある日にはかなりのビル風となる。筆者もかなり風力を感じるほどだから、高齢者には相当なはずで、転倒の危険さえあるほどなのである。知り合いの人は風の日には北側を敬遠している。

そんなビル風の対策の一つが街路樹なのである。大きくなった街路樹は、高層住宅を通りぬけるビル風から歩行者を守ってくれるのである。勿論人工的には高層住宅の低層部に「廻廊」を造れば効果があるが、やはり街路樹には趣がある。

街路樹であるが、最初は基本的には小さい苗木を植えるしかない。コストもそうだが、大きく育った木の植え替えは根付くかどうかや、台風時等失敗するリスクが高いからである。小さい苗ならば台風の時でも風当たりは少ないが、やはり添え木は必要である。今では写真の様な現代的な添え木なのである。

添え木.jpg添え木02.jpg

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前橋市が「スローシティ」に-国際組織「チッタスロー協会」に加盟 [環境問題]

前橋市は22日、地域の環境や生活、文化を生かし、スローライフを推進する都市「チッタスロー(伊語、英語でスローシティ)」の考え方を広める国際的組織「チッタスロー協会」への加盟が認められたと発表した。日本からの加盟は、宮城県気仙沼市に続き2都市目となる。

市文化国際課によると、スローシティは1999年にイタリアで生まれた考え方で、地域の食や農産物を大切にする「スローフード」の概念を街づくりに応用した。同協会は〈1〉健康的なライフスタイルの推進〈2〉環境保護〈3〉都市の均一化に対抗し、文化の独自性を守る――などを基本理念に掲げ、現在、賛同する世界30か国の238都市が加盟している。加盟すると、スローシティを名乗ることができ、都市のイメージアップを図ることができる。2017/06/24日 読売

「スローライフ」「スローフード」は20年以上前から提唱されている概念で、地球環境問題を考えた時、自分たちや地域で何が出来るのか、の実践である。「世界的視野を持ち、地域で実践」という環境問題のスローガンにある。筆者が環境問題に関心を持ったのは1900年代の終わりで、会社が環境管理システムISO14000の認証を受けることになったことに起因する。

勤めていた会社ではISO14000の前に品質管理のISO9000の認証を受けており、筆者は技術課長だったので認証の為のスタッフとして品質マニュアルの作成から始まって、その実施指導、更に審査では自分の部署の対応を行っていた。その経験と当時の職務からISO14000も同じ役割をしたのである。

建設業の場合、製造部品は作らず現場で組立ることが大部分である。例えば電力使用量について現場で使う電力使用量は製造業に比べてはるかに小さい。ガソリンにしても運搬車の使用が大部分である。結論からいえば、建設業で尤も環境配慮すべきは「産業廃棄物」の適切な処理であった。

ISO9000の時には「品質管理」であるから、建築屋としては技術的にも面白かったのだが、14000は「産業廃棄物」なのである。勿論重要な仕事なのだが筆者はどうも個人的には興味が持てなかった。それは産業廃棄物の「適切な処理」が実は環境省、厚生労働省、国土交通省、都道府県や役所の担当者によって微妙に異なるのである。まだ技術的に黎明期であったのである。

従って各支店の環境担当者は支店のテリトリーでの「適切な処理」の「流儀」に精通することになる。筆者は本社であり全ての支店を主導する立場にあるが、各支店の「流儀」をマスターするのはとても短期間でできる事ではない。例えば日本史・世界史を丸暗記するようなことで、筆者の尤も不得手なことなのであった。

環境管理には「温暖化対策」「オゾン層の状況」や「森林保護」、「生物多様性」など世界的視野を必要とする課題があった。筆者は建設業にとってはあまりウェートの無いこれらについて、100冊近い本を購入して勉強した。各支店の環境担当者に対抗するためである。何しろ廃棄物の「適切な処理」に関してはとても敵わないからであった。

その時に読んだ本の中に「スローライフ」「スローフード」のことが書かれていたのであった。人生哲学のようであり、なるほど環境問題は奥が深い。レイチェル・カールソンの「沈黙の春」など、何れも懐かしい本は、家のクローゼット収納の中にある本棚に並べてある。

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陸前高田市庁舎、浸水域をかさ上げし再建へ-技術の出番である [大地震対策]

東日本大震災の津波で被災し、高台の仮庁舎で業務を行っている岩手県陸前高田市役所が、浸水した市中心部の小学校跡地をかさ上げして再建されることが9日、決まった。

同市役所は津波で全壊した市や町の庁舎で唯一、再建場所が未定だった。海岸から約1.5kmにあった旧庁舎は津波で全壊し、職員111人が犠牲になった。市は今年3月、1階部分が浸水した市立高田小跡地をかさ上げした上での再建案を議会に提案したが、仮庁舎がある高台での再建を主張する議員らが反対し否決された。

このため、市はかさ上げを海抜17mまで引き上げ、新庁舎は4階建てから7階建て(高さ29.9m)に変更。さらに電源設備を屋上に設置する計画を再提案していた。2017/06/10 読売(写真も)

陸前高田市庁舎、浸水域をかさ上げし再建へ.jpg

陸前高田市役所新庁舎の完成イメージ図

陸前高田市の犠牲者数は、人口 24,246 人に対し 1,757 人、津波による被災世帯数は、全 8,069 世帯のうち 4,063 世帯であった。大変な被害である。その高田市の中心である市庁舎の再建がようやく決定したのである。仮庁舎のある高台ではなく、標高TP+12~15mの市立高田小跡地である。

決定までの経緯は知らないが、さぞかし白熱した議論があったのであろう。おそらく高台への再建の主張は、今後も予想される大津波の遡上高さ以上の場所であるべき、と言う事である。市役所は住民の様々な情報を保管しており、津波でそれらのデ-タが失われてはならない。又、被災後の救護活動、さらには復興の為の本部としての機能、日常業務の継続性等、リスクマネジメントからは当然の理屈である。

一方、市立高田小跡地は2011年には校庭や1階が浸水した場所である。何年先になるか分からないが、今後も大津波による浸水の可能性がある場所である。ここに決定したのは、おそらく住民にとってアクセスが高台より良いのであろう。又、市庁舎だけ高台に「逃げる」のは申し訳ないと考えたのかもしれない。この様な決断がなされたからには、大地震、大津波に対して建築、土木的な対策が必要となる。技術の出番なのである。

大地震に対しては「免震構造」ではないようだから、「用途係数」を1.5以上にして建物の耐震性を確保していると思われる。又、記事にある「電源設備を屋上に設置」することは重要である。電源設備とは「変電設備」のみならず、「自家発電設備」もあるはずである。そして自家発電設備の為の燃料タンクも当然設置される。

又、校庭は標高TP+12~15mと高低があるようで、改築に当たっては一律TP+17mにするそうである。勿論望ましい事である。嵩上げするには「擁壁」一般的であるが、完成パースを見ると「擁壁」も一部あるが、大部分は斜面として、おそらく低木の植栽がなされるのであろう。周辺環境を意識したのである。

盛り土の斜面は大雨の時に崩壊し易いから、十分な安全率を持った設計(法面角度と排水計画など)と、慎重な施工(埋め戻し土の選定又は改良土の使用や30cmごとの転圧など)が必要である。

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埋め立て地帰属問題、江東・大田区、来月にも都へ調停申請-国内の領土問題? [建設関連ニュース]

2020年の東京五輪・パラリンピックでボートなどの競技会場を設ける東京湾の中央防波堤埋め立て地の帰属を主張し合ってきた東京都江東区と大田区は22日、地方自治法に基づく調停を都に申請すると発表した。それぞれ区議会の議決を経て7月にも申請する。都は知事が自治紛争処理委員を任命し、調停案を90日以内にまとめる見通しだ。

江東区の山崎孝明区長と大田区の松原忠義区長が同日会談し、話し合いでの解決は困難との認識で一致した。会談後に記者会見した山崎区長は「全島帰属を主張し続けてきたので断腸の思いだが、腹をくくるしかない」と表明。松原区長も「それぞれ言い分や反論を重ねてきたが、どうしても一致しなかった」と語った。

埋め立て地は約500ha。1973年にごみ処分場として埋め立てが始まったが、境界が決まらずに40年以上が経過した。江東区は「ごみ受け入れに協力してきた」と主張し、大田区は「住民がノリ養殖で生計を立ててきた経緯がある」との立場。東京五輪までの決着を目指してきたが、溝は埋まらなかった。五輪ではボート・カヌーや馬術の会場が設けられる予定。五輪後には江東区がスポーツ・レジャー拠点構想、大田区は羽田空港周辺との一体的な街づくりなどを掲げている。

都内の帰属問題としては、現在のお台場地区に当たる「13号埋め立て地」を巡って江東、港、品川の3区が調停を申請し、分割案を受け入れたケースがある。2017/6/23 日経

筆者は長年ゼネコンの地下工事が専門の技術者だったので、東京湾の中央防波堤埋め立て地は「残土」の受け入れ先として関係してきた。関係と言っても受け入れの申請や交渉は現場の担当なので、筆者は「工期算定」をする時に一日にどれくらい搬出でき、処分できるか検討しただけである。搬出可能残土量は「工期算定」においてかなり不確定要素がある一方、主要な項目なのである。

環境アセスメントを適用されるような大型現場で、残土搬出の為のダンプトラックの台数は、排気ガスが周辺環境をどの程度のものか評価される。環境アセスメントとしてはダンプの台数は少ない方が良いが、それでは地下工事にべらぼうな日数が必要になるから、かなり経験的な判断が必要であった。

それでも中央防波堤埋め立て地の受け入れ容量がまだ十分であった場合には、建設現場周辺の道路の状況だけを確認して、ここでは5000m3/日破可能とか、少し道路状況が悪ければ3000m3/日にして、掘削期間はかかるけれど躯体工事をラップさせて解決しよう、などと計画したのである。

しかし中央防波堤埋め立て地もやがて終わり、受け入れ先はそれこそ台船で千葉や、稀には四国まで運搬する、などといった方策を考えなければならなくなってきた。受け入れ先の問題が深刻になったのである。そのころには筆者は東京支店から本社に異動していたので詳しくは無い。

それにしても埋め立ては知事の権限なのだが、埋立地が出来て利用するとなると、その後の管理は区や市になるのは分かりきったことである。道路やインフラ、学校等区や市の責任だからである。それを事前に決めていなかった、のはおかしな話だ。もっとどうやら最初から問題となっていた様だ。

しかし問題は先送りされ、とうとう決着の日が来たのである。問題を先送りして上手く行くのは、将来世代が優秀(或いは進歩するから)で、画期的な解決法がある、と期待したのだという事なのだが、そんなことはなかった。単なる無責任に終わった。

なお領土問題の場合には、問題を先送りするのは国家の長期的な戦略である。

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加熱式たばこ-禁煙巡り対応ばらつく [エッセイ]

JTが一部地域で販売している加熱式たばこ。吸った時に蒸気は出るが、火を使わないので煙は出ず、臭いも少ない。火を使わず、煙や臭いが少ない「加熱式たばこ」を紙巻きたばこと同様に禁煙の対象とするかどうかで、飲食店や自治体の対応が分かれている。

加熱式の位置付けを規定するはずだった受動喫煙防止強化の法案提出が今国会で見送られる方向となり、当面は個別の判断にゆだねられる。禁煙推進団体などが対策を求める一方、たばこメーカーは「健康上のリスクはあるが、有害な化学物質はほとんど検出されない」と紙巻きとの違いをアピールしている。2017/6/1 京都新聞

筆者は既に35年前から煙草をやめているので、「加熱式たばこ」なるものについては聞いたことはあるが、どの様なものなのかは詳しくない。火を使わないから煙が出ず、受動喫煙が無くなることや、本人にとってもニコチンやタール分の摂取が著しく少なくなるというそうである。

煙草の受動喫煙については既にWHOもその害を表明し、欧米では公衆の場所では煙草を吸う事は出来ない。企業も喫煙を認めていると、受動喫煙した従業員から訴えられ、極めて高額の賠償金を支払う事になっている。

従って煙草メーカーではこの「加熱式たばこ」は悲願の開発なのであったのであろう。しかしながらことはそう簡単には認められていないようだ。煙は出なくとも喫煙者の呼吸にはニコチンなどの成分が微量ではあるが含まれているので、長期間にわたっての安全性について検証されていないことが反対理由である。

刑事事件では「疑わしきは罰せず」であり、有罪とするには疑わしいだけでは駄目で、明確な証拠が無ければならない。しかし「公害裁判」では、原告の被害者は個人で化学的な知識は少ないことから立証するのが難しく、且つ、推定有罪が判例となっている。「加熱式たばこ」も同じ、という事である。

煙草をやめた人は特に煙草の匂いが気になるようで、筆者は少しでも煙草の匂いがすると避けるようにしている。しかしこの「加熱式たばこ」の臭いはどうなのか知らないので、一度経験したいものだ。と言うのは何も愛煙家の言い分を少しは理解しようという訳ではなく、煙草メーカーが自信を持って開発したのであればそれを確かめたいからである。

そして臭いを感じない程度であれば、煙草メーカーに嫌煙者が納得するような実験とか計測をしてもらいたい。巨大メーカーなのだから十分その能力は有るはずである。そして例えば「PM2.5」の1/100(?)で、「東京の空気」とほぼ同じ、等のデータであればかなり説得力はあると思う。

煙草メーカーに安全である実証が出来ないのであれば、公害訴訟と同じことである。

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築地市場の豊洲市場への移転-37(41本目) 都知事、「豊洲に市場移転」「築地を再開発」の基本方針表明 [豊洲市場問題]

築地市場の豊洲市場への移転問題で、小池百合子知事は20日午後、臨時の記者会見を開き、中央卸売市場を豊洲に移転する基本方針を表明した。一方、築地市場については「築地ブランドを守っていく」として、5年後をめどに市場機能を残した「食のテーマパーク」とする再開発を行い、築地に戻ることを希望する仲卸などの業者を支援するとした。2017/6/20 産経

専門家会議、豊洲市場プロジェクトチームの答申を受け、市場のあり方戦略本部での討議を経て、昨日緊急記者会見で方針を示した。「築地を守る」「豊洲を生かす」との考えで、築地を売却するのではなく、両方利用するのが賢い選択だという。

筆者はLiveでは視聴してなかったので直ぐネット画像を見たが、結局どうするのか理解できなかった。筆者の理解能力、聞きとる力が衰えたのかもしれないが、メディアの伝え方も様々であった。大手の新聞でいえば、築地は食のテーマパークにするというものから、豊洲に移転はするが再び築地に戻る、と報じるものまであって、筆者の能力のせいではない事が分かった。

「言語明瞭意味不明」と言われた元首相ではないが、昨日の会見でも知事はスライドを使いながら言語明瞭に方針を話していた。しかし「意味」は理解出来なかった。又、あくまで方針であって、決定権は都議会であるとし、築地に戻るかは業者の経営判断如何である、とのことであった。

知事は会見の中で「鳥の目で見て判断する」と言った。分かり易く表現したのだろうが「俯瞰的に」と言えば良い事で、この程度の言葉が分からないことは無い。安全やコスト、工期などの問題がある場合、それらは「トレードオフ:相反」の関係があるから判断が難しい。筆者は「総合技術監理」部門の技術士であるが、そうした複雑な問題に対して「俯瞰的に」考えていく能力が求められて作られた資格である。

なるほど築地市場の豊洲市場への移転には、複雑に相反する事柄があるように見える。従って「俯瞰的に」考えての結論なのだろうが、果たしてそうか?豊洲への移転については25年も検討、協議の結論であったはずである。しかし豊洲の汚染度対策が専門家会議の方法に従わなかったから生じた問題なのである。そして今からでも再三筆者が提案する「流動化土」による埋め戻しを行えば、専門家会議の方法と同等の安全性が得られるのである。

豊洲対策案.jpg

「流動化土」による埋め戻し


技術的に解決できるのに、ここまで問題となったのは政治家である都知事の責任ではないだろうか?

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