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温泉事故防止で基準に「常に換気」を明記-計測より対策が大事なこともある [建築事故]

環境省は27日、温泉施設での硫化水素中毒事故を防ぐための設備構造基準について、常に換気することなどを明記した改正案をまとめた。パブリックコメントを経て、7月をめどに自治体へ通知し、基準の内容をより具体的に示したガイドラインも作成する方針。

昭和50年に定めた基準では、硫化水素濃度は浴槽の湯面から上方10cmで20ppm、浴室の床から上方70cmで10ppm上限と規定。改正案では、湯の注入口など濃度が浴室内で最も高くなる地点で測定するよう求めた。

また、基準が適切に運用されているか、施設から自治体に濃度測定の結果を報告させたり、立ち入り検査を実施したりし、必要に応じて行政指導や処分をすることが望ましいとした。

北海道足寄町の温泉施設(現在休業中)で平成26年10月に男性客が中毒とみられる症状で意識不明となった事故を受け、有識者による検討会を設置して議論していた。2017.2.27 産経

硫化水素は空気より重く(比重1.1905)、無色、水によく溶け弱い酸性を示し、腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭(腐卵臭は硫化水素が主成分)があり、目、皮膚、粘膜を刺激する有毒な気体である。

硫化水素危険濃度(厚生労働省)

硫化水素 濃度対危険度.jpg

今回の基準は「湯の注入口など濃度が浴室内で最も高くなる地点」で上限を20ppmとしているが、上図からは「気管支炎」等の症状が起こる値である。硫化水素は独特の臭気があるが嗅覚を麻痺させる作用もあり、高濃度でも匂いを感じなくなる。従って濃度が致死量を超えていても嗅覚で知覚できない場合もある。

温泉に入ったら長湯するのは良くあることであり、本当に基準値が20ppmで良いかは、喉が弱く、いつも風邪は喉から始まる筆者には判然としない。しかし基準と同時に「換気」を義務付けているのには合点する。

筆者が現場勤務の時「深礎杭」を担当した。「深礎杭」は孔の中に降りて人力で掘削していく工法である。安全上尤も注意するのは「酸欠空気」である。酸素濃度が6%以下だと2,3回呼吸しただけで昏倒し、死に至るほど大変危険なのである。

従って毎朝作業前に各深礎杭孔に酸素濃度測定機を下して計測し、問題が無ければ「緑の旗」を立てるのが筆者の任務であった。その為に「酸素欠乏危険作業主任者」の資格を得ていたのである。

酸欠空気は掘削時にどの杭から何時、どの深さで発生するかは分からない。しかし作業中に絶えず計測するわけにはいかない。その為に必ず各深礎杭には送風機で、地上の空気を送り続けるのである。送風(換気)は計測より重要とさえ言えるのである。

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熊本市役所の火災、延長コードの「半断線」原因 [建築事故]

昨年12月に熊本市役所で発生した火災で、市は、延長コードの芯線の一部が切れる「半断線」が原因だったことを明らかにした。

市消防局によると、半断線で使い続けると、残った芯線に過大な電流が流れて局所的に過熱し、周囲のものを発火させる恐れがある。現場からは、一部が切れている延長コードの銅線が見つかり、机と机の間に挟まった結果、切れたとみられるという。

火災は昨年12月18日未明に発生。10階フロアの一部約300m2を焼き、健康福祉政策課のパソコンなどの機器も焼損した。2017/02/25日読売

「半断線」とは熊本市役所の説明によると

半断線の例.jpg

上図のように一般の電線コードは、曲がり易さから細い動線をより合わせた導線となっている。そのより合わせた線は、急角度で曲げたり、コンセントへの差し込みプラグや電気器具の取り付け部分等に力が加わる(コードを持って引き抜いたりする)と部分的に断線するのである。

家でもヘアドライヤー(1200W!)のコードが時々停止したので、電気を通したままコードを曲げてみると通電したので断線が分かった。断線は電気器具の取り付け部分であったが、熱くなっており、断線前には「半断線」の状態が続いていたのであろう。そしてやはり発熱していたはずであった。

家はオール電化で、煙草を吸う家族はいないから火災については基本的には心配していないが、気になると言えば今回の「半断線、断線」と、コンセントの差し込みプラグ部分にほこりが溜まり、僅かな漏電が火災に繋がることである。又、携帯やタブレット等の充電を一晩中している場合、充電器が発火しないかも気になっている。

以前はよく「たこ足配線」の問題が取り沙汰されていたが、現在ではスイッチ付き6口等のコンセントがあるので、配線はすっきりするし、夜間は節電もできる。中には落雷時の「誘導雷」に対する「雷ガード」付きもある。

今回の熊本市役所の火災を「対岸の火事」とするのでなく、「他山の石」にすべきなのである。

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築地市場の豊洲市場への移転-33 築地市場6棟が耐震性能不足 [豊洲市場問題]

東京都は23日、築地市場の建物について、主要な売り場を含む6棟が耐震基準を満たしていないことを明らかにした。築地市場は完成から80年が過ぎているが、都は「営業への配慮から全面的な耐震工事が困難だった」と説明。また仮設施設として建設された駐車場など35の施設の仮設許可が切れている問題も明らかにした。

市場問題プロジェクトチーム(PT)の会合で都が公表した。建物の耐震性能を示す「Is値(構造耐震指標)」に関して、新耐震基準に相当する「0.6」を下回る施設が6棟あり、見学客も訪れる水産仲卸売り場は部分的に補強しているが、Is値は0.44しかない。

築地市場を営業しながら建て替える「現在地再整備」ついて、PTの小島敏郎座長(青山学院大学教授)は「なぜ頓挫したのか」と、都に尋ねた。担当者は「工事に入ると営業活動への影響が深刻で、調整が難航した。車両の混雑が起こるなど、顧客離れの懸念が出てきた」と説明した。2017/2/23 日経

「Is値(構造耐震指標)」とは1981年以前の旧基準の建物は、設計法が現在と異なるため、現在と同様な「保有水平耐力」に基づく方法で耐震性の検討を行うことができない。このため、耐震診断では建物の強度や粘りに加え、その形状や経年状況を考慮した耐震指標のことである。

耐震改修促進法等では耐震指標の判定基準を0.6以上としており、それ以下の建物については耐震補強の必要性があると判断される。なお、Is値≧0.6の建物は震度5強の地震に対して倒壊しないことを意味していて、「耐震強度が60%」ということではない。下図は日本耐震診断協会による。

地震被害を受けた建物のIs値分布.jpg

地震被害を受けた建物のIs値分布

そもそも豊洲移転計画は現状の築地市場が老朽化して大地震時には危険であること、又、鉄骨の耐火被覆や屋根材にアスベスト(石綿)が使われ(生鮮市場として)衛生管理上問題であったからである。地震に対しては補強が行われたが、十分ではなかったのである。

筆者は豊洲市場の技術的問題について、専門委員会が答申した「埋め戻し+盛り土」をしなかったからである、と本ブログで繰り返し指摘してきた。今回の報道は豊洲市場問題と立場を変えての事柄であり、何やら沖縄の辺野古基地への移転問題と構図が似てきている。

アメリカ海兵隊普天間基地は沖縄県宜野湾市の中心にあり、飛行訓練(タッチアンドゴー)など危険な飛行は市民の生命を脅かす重大な問題である。そこで20年に及ぶ日米協議の結果、辺野古基地への移転になったのだが、県知事を筆頭に移転反対運動が続いている。

一方、豊洲問題は技術上の問題であり、「土壌汚染のモニタリング」の結果、汚染物質が確認されては小池知事としては豊洲への移転を了承するわけにはいかないだろう。現状の築地市場が如何に安全・安心ではないからと言って、豊洲市場の方が相対的に良い、と言うのは正論ではない。

筆者が何度も主張する、AP+4.5m(旧地盤高さ)まで「流動化土」で埋め戻す「技術的な対策」を行う事が唯一の解決策なのである。

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全粒粉の餃子の皮―システムキッチンの人工大理石ワークトップ [家事]

家のシステムキッチンのワークトップ(天板)は人工大理石である。前の家は建て売りで、システムキッチンのワークトップはステンレスだったが洗いやすく、特に問題は無かったのだが、終の住処では人工大理石にしたのである。

家内は住宅展示場で、人工大理石の方がお洒落に見えたらしいのだが、筆者はパン作りが出来ると思ったのである。以前はパンマットを使っていたのだが、丸めて仕舞っておくといざ使う時に平らにならない。又、パン屋さんは大理石の天板で作っているのを知っていたのである。

筆者の朝の食事は、毎日、自家製の全粒粉60%の丸パンを食べているから、システムキッチンのワークトップの人工大理石は8日に一度活躍している。更におやつにも胡桃パン(全粒粉60%)を作るようになったので、4日に一度パン作りをしている。

ちなみに全粒粉60%の丸パンは全粒粉300g、強力粉200g、砂糖30g、ぬるま湯300g、イースト菌12g(予備発酵させる)である。最初はレシピ通り、牛乳やバターを使っていたが、健康志向で牛乳は豆乳になり、バターはオリーブ油にした。更に健康志向が高じて豆乳もオリーブ油もやめて水だけにしたのである。尚、朝食には豆乳を飲んでいる。

そして今日の記事は餃子の皮の手作りである。餃子は家では出来あいのものは食べず、皮を買って具材を練って作る自家製である。皮はいくら焼き餃子(水餃子では絶対)でも、やはり厚めのものが良い。10年くらい前には厚い皮を売っていたのだが、小麦粉の値段が上がったせいで徐々に薄くなっていき、今では情けない位になってしまった。餃子を自分で作る家庭は多分多くないせいか、薄くなった皮に対して苦情はどうやら取り上げられない、少数意見の様である。

それならば自分で皮から作ればよい。ただしいつも40個作っているので、7時の食事に間に合わすには4時少しから皮作りをする必要がある。勤めていたころは流石に気が乗らないと作らなかったが、今では時間は十分にある。

全粒粉240g、強力粉160g、ぬるま湯185gを練る。手だけでは纏まらないから、面棒を使って転圧(と言うのか分からないが、筆者の専門用語である)していき、何度も重ねては伸ばし、又重ねる。そして丸めてキッチンペーパーに包み湿らせて寝かす(ベンチタイム)。

寝かせている間に、白菜、椎茸、葱、韮、ニンニク、生姜を微塵にする。豚肉は腿肉の塊を自分で細かく切りきざむ。その時脂身は出来るだけ取る。味つけは味噌(半手前味噌を造っている)と胡麻油、顆粒の昆布だしである。

そして餃子を包むのだが、今まで皮に水を付けて作っていたが、テレビで具材の水分を付ければ出来て水っぽくならない、と言うのでその通りにしている。テレビの解説をしていたのはメーカーの人で、自社製品をPRしたかったのだろうが、家では買わない。

餃子のことを「dumpling:団子」と言うそうだが、昔、伊丹十三のエッセイでは「マウスケーキ」と書いてあった。確かに鼠に見えるからdumplingより面白い。市販の皮であれば「白い鼠」であるが、全粒粉の家の餃子は温泉まんじゅうの様な色をしている。「ブラウンラットケーキ」なのである。

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海洋酸性化の進行の長期変化傾向-地球温暖化の実証 [エッセイ]

北西太平洋における表面海水中の二酸化炭素の増加と海洋酸性化の進行についてこれまで北西太平洋の冬季だけの観測データに基づき海洋の二酸化炭素の吸収と海洋酸性化の進行の長期変化傾向を確認していましたが、新たに月別の解析値を計算して季節変化を含む長期変化傾向を解析した結果、表面海水中の二酸化炭素の増加と海洋酸性化の進行をあらためて確認できました。平成年2月日 気象庁(図も)

二酸化炭素濃度経年変化.jpg

地球温暖化の原因の一つにCO2の排出量の増加とされている。そのCO2の増加については大気中のCO2濃度を直接計測するとともに、海洋表面水の濃度計測も重要視されている。それは温暖化を直接気温測定する場合

1. 地球の表面の70%は海で、海水温の計測には船舶によるから統一性に欠ける
2. 陸上での計測も例えば「ヒートアイランド」などで地域差が出てしまう

などの問題がある。

その点で海洋酸性化の測定は「安定性」があると言われている。大気中のCO2と海水中のCO2は毎年、約900億tonの出入りがあると言われ、それは季節変動も知られている。従ってこれまでは「北西太平洋の冬季だけの観測データ」であったそうである。

科学は自然観察が基礎であるから、それには計測データは多い方が良いのは自明である。CO2と地球温暖化の因果関係は、今だに科学者の間の議論となっているからなおさらである。例えば「CO2が増えたから温暖化した」と「温暖化したからCO2が海水から放出された」とでは大違いである。

筆者も15年ほど前、環境問題を勉強したことがあって、この温暖化についても何冊か本を読んだのだが良く分からなかった。例えば印象に残る本では、中谷宇吉郎(雪博士)は随筆の中で、「世界で消費する石油量は膨大であり今後さらに増大することから、大気中の二酸化炭素の含有量が増え、地球温暖化の原因となる可能性が考えられるので、今後の気象学・海洋学的研究が必要(中谷宇吉郎 白い月の世界 1957)」と指摘している。

最近は科学者の間では「CO2が増えたから温暖化した」が圧倒的に優勢である。しかしトランプ大統領が地球温暖化に懐疑を抱いているのは、反対論者の入れ知恵である。やはり今回の様な地道な、気象観測が真実に迫る王道なのであろう。

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NZ地震のビル倒壊、設計ミスに絞り捜査 [建築事故]

2011年2月のニュージーランド地震で日本人28人が死亡したクライストチャーチのカンタベリーテレビビル倒壊で、地元警察は21日、現地入りした日本人の遺族らに捜査状況を非公開で説明した。ビルの設計実務担当者と上司の設計企業代表の「設計ミス」に対象を絞り込み、過失致死罪の適用を視野に捜査していると明らかにした。

遺族によると、地元警察のリード刑事局長が面会。今月末にビル地下の土壌調査の結果が追加提出された後、捜査当局として訴追の是非の判断を固める可能性があると説明されたという。その後、内閣法制局に相当する部局が検討を行い、検察が訴追するか否か最終決定するとみられる。仮に容疑者が訴追されて公判になった場合、判決まで2年ほどかかる見通しという。2017/2/21 産経

カンタベリー地震とは、2011年2月22日12時51分にニュージーランドのカンタベリー地方で発生したモーメントマグニチュード(Mw)6.1の地震である。特に被害を受けた都市クライストチャーチの名を取って「クライストチャーチ地震」「リトルトン地震」、また単に「ニュージーランド地震(NZ地震)」と呼称される場合もある。

カンタベリーテレビ倒壊.jpg


CTVビルは1988年に竣工した6階建て鉄筋コンクリート造りの商業ビルであった。2011年2月当時、4階は語学学校が入居しており、この地震で日本人・中国人をはじめとした外国人の被害者が多かったのは、4階の語学学校が昼休み時間で多くの留学生が在室していたためである。日本人の死者は28人に上った。

前回のブログでニュージーランドは「鉄筋コンクリート造」に関し、設計・施工技術は日本も学ぶべき点は多い、とコメントしたがCTVビルに関してはどうも違っていた様である。報道では新たに地盤調査結果に基づき「設計ミス」に該当するか、捜査している。

地盤調査が十分でなかったとすれば設計に瑕疵があったことになるが、その地盤の見誤りとしては

1. 支持層深さを間違え、杭が短い設計となった
2. 地盤が例えば「液状化」するような軟弱地盤であった
の2点が考えられる。

1. の場合は、地震による水平力が、隅柱や耐震壁がある柱の鉛直荷重が増加して支持力を失い沈下して、周辺の構造体に連鎖的に崩壊をもたらした
2. の場合は、地震による水平力は杭の曲げ、せん断耐力に寄り抵抗するが、軟弱地盤ではより大きな曲げモーメント、せん断力が生じて杭が破壊され上部構造が強制変位をうけて崩壊した

と推定される。

写真を見ると周辺地盤に液状化現象や「不陸」が見られないので、おそらく2.ではないようだ。従って1.の可能性が高いように筆者には思われる。ただし「過失致死罪の適用」と報道があるので、日本の「姉歯耐震偽装事件」と同じ犯罪の可能性は考えられる。

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柏崎刈羽原発、免震棟が性能不足②-免震重要棟は使用せず [大地震対策]

東京電力は21日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査会合の中で、重大事故時の対応拠点である緊急時対策所として位置付けていた免震重要棟について、基本的には使用しないことを明らかにした。緊急時対策所は耐震性の高い5号機の原子炉建屋に設置する。

免震重要棟については14日の審査会合で、平成26年に耐震不足を示すデータが社内にあったにも関わらず、東電が公表せずに事実と異なる説明を続けていたことが問題となっている。

免震重要棟は19年の中越沖地震を受けて設置。同地震でも耐えられる震度7を想定して建設された。しかし、新規制基準では、同原発で想定する最大の地震の揺れが450galから1209galに引き上げられたため、東電は25年と26年に社内調査を実施、その結果、いずれの調査でも耐震不足が判明した。25年の調査結果は公表されている。2017/2/21 産経

前回のブログで、大地震時に原子力施設に被害が生じた場合の防災拠点「免震重要棟」の技術的検討が不都合だったので、報告していなかったのは国民の信頼を裏切るものである、とコメントした。

その時、関係資料は膨大であり読破は諦めたが、よく見ると「6号及び7号の緊急時の対策棟について」という5ページの資料があった。膨大な資料と思ったが、実は逆に極めて簡単に、しかし記述の仕方が「重大な事柄」であるにも関わらず表現があいまいであった。

21日の発表では「緊急時対策所としては、5号機緊急時対策所を使用しますが、5号機緊急時対策所が使用できず、免震重要棟の健全性が確認された場合には、免震重要棟を使用することとします。」という弁明である。

なんというか、要するに技術的な自信を持っていない、と吐露したのである。何故免震重要棟に対して新基準に適合するよう対策しないのか、理解できない。勿論時間も費用も掛るだろうが、主体性が感じられないし、事の重大性が分かっていないのではないだろうか?

大体、「5号機緊急時対策所」とは「5号炉原子炉建屋」の中に設置されている防災センターのことである。確かに原子炉建屋の方は「鉄筋コンクリート」の塊みたいな構造だから極極稀な地震でも壊れることは無いだろうが、電気や通信ケーブルなどが破断されては対策拠点としては意味が無い。
又、対策拠点には多くの関係者が出入りすると思うが、原子炉建屋に簡単に出入りできるのは逆に問題ではないだろうか?

お断りしておくが、筆者は原子力発電の稼働に反対ではない。徐々に減らすべきとは思うが、それは少なくとも50年は掛ると考えている。

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アスクル倉庫火災、鎮火めど立たず-業績への影響必至 [建築事故]

ネット通販大手アスクルの物流倉庫(埼玉県三芳町)で16日に発生した火災が長期化していることを受け、同社の業績への悪影響が避けられない状況だ。他の物流拠点からの代替でカバーしているものの、一部地域で配送が最大2日遅れており、正常化のメドは20日時点で立っていない。

アスクルの物流拠点は全国に7カ所ある。火災が発生した埼玉県の物流倉庫は法人向け通販サイト「アスクル」や、消費者向け「ロハコ」の商品計7万種類を扱う中核拠点。現在は注文受け付けを再開し、横浜市などの物流拠点で代替しているが、原則として当日か翌日に届く商品が、アスクルで1日、ロハコで1~2日遅れている。2017/2/20 産経(写真も)

アスクル火災.jpg

屋根材が落ちている状況

今日で6日目になるアスクル倉庫火災はまだ鎮火の目途が立っていない。そうした中ネットでは「アスクルは倒壊はしないと消防から聞いている」だの「社員が私物を取りに入った」などの情報が行き交っている。

しかし幾ら消火経験の多いプロである消防と言えども、建物が崩壊するかどうかは分からないのではないか?911テロの時筆者は出張で遅く帰って来たが、丁度報道されていて、旅客機が衝突する映像を見た。しかし衝突から1棟は約1時間、2棟は1時間半で衝突した階の柱が潰れ、後は自重により崩壊して行くとは想像できなかった。そして多くの消防隊員が殉職した。

WTCとは構造、規模が異なるので崩壊するかどうかは分からない。例えばアスクルの場合、柱はSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)のようであり、柱が座屈するとは考えにくい。しかし梁は鉄骨造であり、H形鋼かトラス梁かは分からないが、スパン(梁の長さ)は20m位はあるだろうから、床の崩落は十分考えられるのである。尤も、火災により強度が低下した梁は大きく撓み、「逆アーチ」効果により床を支える機能は増える、と言う事も考えられる。

又、アスクルの社員が私物を取りに入ったことは、あまりに火災による人身事故を知らなすぎる。火災ではどのような有毒ガスが発生するか分からず、建物内に入る消防隊員は「防毒マスク」ではなく「酸素ボンベ」を背負って消火活動を行うのである。死亡の原因は一酸化中毒が多く、その後火災が続いて焼死体となるのである。

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アスクル倉庫火災、鎮火めど立たず-未明に爆発音、近隣2世帯6人が一時避難 [建築事故]

埼玉県三芳町上富の通販会社「アスクル」の物流倉庫で16日に発生した火災で、19日未明に2度の爆発があり、近隣2世帯6人が避難所に一時避難した。鎮火のめどは立っていない。

県などによると、消防が同日午前0時13分ごろと15分午前9時15分ごろに爆発を確認。報告を受けた同町が同2時40分ごろ、倉庫西側の3世帯7人に避難勧告を出し、うち6人が町立中央公民館(同町北永井)に一時避難した。倉庫は既に全体の6割に当たる約45000m2が燃えたとみられている。

消防によると、爆発は倉庫3階の南東側で発生し、保管されていた大量のスプレー缶に火が燃え移った可能性がある。爆発後一時強まった火の勢いは、徐々に弱まっているという。倉庫には文房具など約7万点が保管されていた。2017/2/19 産経(写真も)

アスクル倉庫火災、鎮火めど立たず.jpg

アスクル倉庫はおよそ建築面積24000m2、延べ70000m2、鉄骨造の3階建であり、法人向けと個人向けで、日本で初めてフランス製の自動梱包機『I-pack』を導入。これは、箱に入った商品の高さを瞬時に測り最適な大きさで自動梱包するもので、作業全般の効率化が期待できる最先端の「マテリアルハンドリング」である。

この様な最先端のロジスティクス倉庫に火災が発生し、今日20日現在まだ消火作業は続いている。何故発火したのか、そしてこの様に長期にわたって燃え続けているのか、勿論消火後の検証を待たなければならないが、考えられる要因を述べてみたい。

出火の原因であるが、16日に段ボールが焼けている、と報道されているので、おそらく火の不始末により休憩所の段ボールが焼けたように思われる。荷物の段ボールは焼けたのであれば、中に引火性のものが入っており、振動等で発火したのだろうが、だとすれば極めて悪質な故意が考えられる。あくまで想像である。

火災が一度起こってしまった場合、尤も有効なのは初期消火であり、その為には①発見者が大声を出して他の人に知らせ②自身も含め消火活動を行う、ことが重要である。その為の消火訓練を毎年行うのは義務である。

建築的には倉庫の場合、延べ床面積が3階建てでは700m2以上の場合設置義務がある。今回スプリンクラーは機能しなかったのだろうか?倉庫には様々な荷物が置かれているが、大抵は水に濡れれば損害賠償となるものが多いだろう。まさかスプリンクラーをOFFにしていた、とは考えたくないが。

この様に長く燃え続けるのは①燃焼物が多量にある②消火活動が出来ない③水をかけると危険な為、通常の消火活動が出来ない(最近では2015年天津浜海新区倉庫爆発事故)などが理由である。①は倉庫であり、その多くが段ボール詰めであるからまさに該当する②については倉庫の為、外壁に開口部が少なく、当初外壁を壊すのが躊躇われた③は該当しない。

又、建築的に気になるのは鉄骨の耐火被覆である。鉄骨は350度以上になると強度が低下し、450度以上では急激に強度が無くなる。従って耐火被覆をするのだが、3階建てでは「1時間耐火」となっており、今回のように長時間も「500度」と報道されている状態にあっては、もはや建物は解体することになる。

しかも倉庫なので天井が高いから、床から4m以上の部分の耐火被覆は免除される。この倉庫もそうだとすれば梁に耐火被覆は無い事になる。荷物はラックに天井高く積まれているから、梁はすぐに強度が低下してしまう。これでは床が落ちる危険性があるから、消防隊員は中には入れない。

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スケルトン・インフィル住宅 [建築計画]

スケルトン・インフィル住宅とは、建物のスケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)とを分離した工法で、分譲マンションなどの集合住宅に多く見られるが、ユニット工法による戸建住宅も同様の考え方で造られている。マサチューセッツ工科大学名誉教授のニコラス・ジョン・ハブラーケンが1960年代に提唱した「オープンビルディング」の思想より生まれたとされている。

筆者は漠然と「スケルトン・インフィル」は比較的新しい考えと思っていたが、実は50年以上前に提唱されていたのは初耳である。例えば

NEXT21は大阪の都心部に位置する地下1階、地上6階建ての鉄筋コンクリート造18戸の集合住宅だ。大阪ガスの実験住宅として、1993年に建設された。

各住宅にはそれぞれ希望する同社の社員家族が居住者として暮らし、約5年間を1フェーズとして、間取りを変えた住まい方や最新のエネルギーシステムなど、さまざまな試みが行われている。住民や外部有識者からの提案を柔軟に試す場になっている。

建設からの二十数年間で敷地内の木々は育ち、屋上の緑に渡り鳥が観察され、周辺住民との関係も形成された。「スケルトン・インフィル方式」という先進的な技術に血が通い、これからの都市の生活への指針が得られ続けている」2017/2/18 倉方俊輔 産経

NEXT21.jpg

日本では建物の寿命は35年程度であり、人間の寿命の半分以下である。日本人には「木と紙の家」は火災、地震や台風、洪水、土石流等の自然災害によって破壊されてしまう事に対し、諦念する風潮がある。西欧のように何百年も建物が残っている街並みは、日本人に改めて歴史を感じ、人生の短さを思わせる。

スケルトン・インフィルは200年住宅である。200年と言うのは6世代くらいの時間である。例えば35歳の時にスケルトン・インフィル住宅を購入した場合、世代交代が35年とすれば自分から数えて6世代まで使い続けることになる。勿論、インフィルの設備、内装はおそらく世代ごとに更新され、外装(これはスケルトン、インフィルのどちらだろう)も改修されるだろう。

日本人の筆者にはどうも「スケルトン・インフィル」は実感が湧かない。それは全く個人的なもので、100年も続くような古民家で暮らしたことが無いからだし、又、集合住宅に住んだことも無い(結婚後4年間4階建ての社宅に住んでいたけれども、あくまで寓居であった)からである。

今の「終の住処」は耐震強度を基準法のほぼ2倍にしているから、首都圏直下地震や、東海地震などでも機能維持されると考えている。そして基礎は床下を60cmにしており、土台の木の腐食を自分で点検できるようになっている。これは又、設備配管の交換の時にも有効なはずである。

従って「終の住処」も「スケルトン・インフィル」の考えのようになるが、「終の住処」では将来の間取り変更は考慮していない。現在の間取りが最善と考えている筆者の思いこみのせいなのは分かっているのが、しかし「現在最善の間取り」を設計するのは当たり前ではないだろうか?

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