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卓上ガスコンロ用ボンベ500万本自主回収 [家事]

東京のガス会社、日本瓦斯は、製造した卓上ガスコンロ用のカセットボンベからガスが漏れるおそれがあるとして、およそ500万本を自主回収すると発表した。東京のガス会社、日本瓦斯が自主回収するのは、「RF」という文字を含む8種類、「ジョイ」またはアルファベットで「JOY」の文字を含む6種類、「ハローズ」という文字を含む1種類の、合わせて15種類のうち、平成23年12月以降に製造したガスボンベである。また、同じ時期に他社のブランドとして製造した「COOPボンベ」と「プロリーブ」という2種類のボンベも回収し、合わせておよそ500万本となる。

これらの製品は、卓上のガスコンロにセットした際、わずかにガスが漏れ、事故につながるおそれがある。去年10月と今年1月にガス漏れの指摘があり、製品を分解して調べたところ、ボンベのコンロとの接続部分の近くに小さな亀裂が入っている場合があることがわかり、自主回収を決めた。これまでのところ、事故につながった事例はなく、コンロにセットしないかぎり、ガスが漏れるおそれはないとのことである。1/30 NKH

ジョイファイヤーとRF.jpg

カセットコンロはアウトドアには欠かせないコンロの燃料である。アウトドアと言えばコールマンのシリーズが有名だが、燃料が高く、又、調理器具が限定されるので、車で簡単にアウトドアを楽しむにはカセットコンロの方が合理的である。

又、今の季節は鍋が嬉しいので、卓上で炊くにも便利である。しかし最近は卓上のIHヒーターが各種揃っているので、売り上げはどうなのだろうか?便利さではIHの方が良いし、又、火災の原因になる事も無い。ただしヒーターの大きさは使う鍋の大きさでなければならない。

家にもカセットコンロが2個あって、一つは新品のまま床下収納に仕舞ってある。そのわきには3本入りカセットボンベが4つ置いてある。家では鍋はキッチンで作ってしまい、テーブルには小さい保温用のプレート(日本画の膠液を温めるにも良い)があるだけである。従ってカセットコンロは防災用なのである。

大地震後にはおよそ電気の復旧に1週間、ガスは2週間である。従ってオール電化の家では1週間の食事はカセットコンロで凌がなければならない。カセットコンロは12本あり、1本で1時間の煮炊きが出来るから、ご飯(鍋で炊く)と具沢山の味噌汁を毎日1,2回は食べられるだろう。後はシリアルで我慢する。勿論、対の住処が大地震後にも居住できる、と考えてのことである。

今回の報道に接し、慌てて床下収納を覗いたら違うメーカー品であった。

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免震建物の安全制御装置開発-衝突時の安全対策 [大地震対策]

大林組は26日、免震構造の建物の安全性を一段と向上させる新装置「免震フェンダー」を開発したと発表した。高減衰ゴム製の緩衝材で、建築基準法などで定められた地震動を超える巨大地震発生時に、基礎免震の地盤側の擁壁と建物が衝突しても、その衝撃力を緩和できるようになる。新築工事を中心に積極的に採用を提案していく。

免震建物は、建物が大きくゆっくりと動く構造のため、地盤側の擁壁と建物の間にクリアランス(隙間)を設ける。建築基準法で定められた地震では、隙間内で水平に揺れ、擁壁と衝突することがないよう設計されている。
一方、想定以上の大きな地震が発生した場合は、衝突する場合もあり、衝撃で建物自体が大きく揺れて居住者の安全性が脅かされたり、建物が損傷したりする可能性がある。

免震フェンダーは、高減衰ゴム製の緩衝材が塑性変形することで衝突のエネルギーを吸収し、衝撃力を緩和する。建築基準法で定められた大地震(極めてまれに発生する地震動)の約1.5~2.0倍の地震動で衝突した場合の衝撃力を、免震フェンダーを設置しない場合の約1/2~2/3に低減する設計となっている。2017年1月27日 建設工業新聞(写真も)

免震建物の安全制御装置.jpg

免震構造は免震デバイスにより地震動を建物に直接伝えないようにしている。その為には建物と地盤とは建物が動けるスペースが必要となる。上記でいえば「地盤側の擁壁と建物の間」のことである。

免震構造を設計する場合、通常3段階の地震を想定しており、1次レベル(25㎝/sec)2次レベル(50㎝/sec)3次レベル(75㎝/sec)である。2レベルが加速度でいえば400~600galで基準法の大地震であり、3次地震動とは阪神大地震や東日本大地震などの500~1000年に一度の極稀な大地震である。

クリアランスの寸法は免震建物ごとに異なるが、およそ75cm位としている例が多い。今回の開発はこの3次レベル地震動でもたとえ衝突しても建物が大きな損傷を受けない、もしくは倒壊しないことを目的としている。

免震構造は最近では超高層マンションでも採用され、又、事務所ビル等で中間層に免震層を設け、上部構造に生じる水平力を低減させることにより、下部層の例えば吹き抜けなど、構造上の弱点を補っている。何れも免震構造の本来的(開発当初の条件)な使い方ではない、と筆者は感じている。

しかし技術の進展により、当初の制約は徐々に外されて行く。筆者はタイトルを見た時、今回の開発目的はその様な風潮に危惧を抱いて開発された、と思ったが、読んでみると既存建物の免震化で障害となる十分なスペース確保が出来ない場合や、中間層免震の滑り出し防止が目的だった。

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アメリカとメキシコとの国境の壁 [エッセイ]

トランプ米大統領は27日、メキシコのペニャニエト大統領と約1時間にわたり電話協議した。両首脳はトランプ氏が不法移民の流入を阻止するため実現するとしているメキシコ国境への「壁」建設に関する主張の違いを埋めるため、首脳間や当局者間で包括的に協議することを確認した。

ペニャニエト氏は、トランプ氏が壁建設の費用をメキシコに支払わせると主張していることに反発し、ワシントンで31日に予定されていた首脳会談の中止を申し入れていた。トランプ氏は費用をまかなうためメキシコからの輸入品に対する課税を検討中だ。2017.1.28 産経

米国とメキシコの国境.jpg

米国とメキシコの国境(THE WALL STREET JOURNAL)


何も住宅を主テーマとする本ブログで、米国とメキシコの国境の壁日ついてコメントするのはどうかと思うが、日本は陸地での国境が無いから想像を掻き立てられたのである。

国境の壁で有名なのは中国の万里の長城であるが、流石に築造からの経年により補修が必要となって、その方法が安易だったのが問題となった。又、東西冷戦時代のベルリンの壁は多くの悲劇が起こったが、1989年に撤去された。

修復後の万里の長城.jpg

修復後の万里の長城(朝日)

陸続きの国境があるからには何らかの工作物が必要であるのは、住宅の隣との関係と同じである。やはり境界石だけでは問題があるから塀を造るのである。尤も雪国では以前はあまり塀を見かけなかったが、これは屋根の雪が落ちて塀を壊すのか、或いは北国の大らかさなのかどちらだろう。

米国が国境の壁を造ることは種々の評価があるのだろうが、造るからには見栄えの良いものにしてもらいたい。石積みは無理としてもレンガタイル張りにすれば、観光名所になるかもしれない。上を通行できるようにし、サイクリングコースとすれば両側に2つの国を見ながらのツーリングは面白いのではないか?

万里の長城.jpg

万里の長城(wikipedia)


長さが3200km(ツールドフランスは3300km)だそうだから、ツールドアメリカ(メキシコ)を開催出来る。尤も道路幅が8mは必要となるだろう。

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立体駐車場から車転落-設計指針は守られたのか? [建物の構造]

31日午後1時ごろ、神奈川県横須賀市小川町の立体駐車場「サイカヤパーキング」の5階から、ワンボックス車が転落したと119番通報があった。県警横須賀署によると、車に乗っていた3人が死亡し、2人が重傷を負った。

車は駐車位置から後進して高さ120cmのフェンスを突き破り、約13m下の道路に転落したとみられるという。他にけが人はいなかった。現場近くの精肉店で働く女性は「ドカーンという雷のような音がして外に出てみると、タイヤが上を向いていて、車が半分つぶれていた」と話した。現場は京急横須賀中央駅から約500m北の繁華街。2016/12/31日 朝日(写真も)

ワンボックスカーが15m転落.jpg

やや旧聞に属するが、大晦日に痛ましい事故が発生した。原因はブレーキとアクセルを踏み間違えた運転ミスと報道されていた。最近特に老齢者による運転ミスによおる事故が多発しているので、同じような事故として扱われた。

筆者には建築構造の立場からコメントしたい。建築物としての駐車場の場合、自動車の転落事故を想定して設計指針が定められているのである。国土交通省の設計指針では、

(1) 装置等の設置
自動車の衝突による衝撃力を処理することのできる装置等を駐車の用に供する部分の外
壁に面する側、車路に供する部分の屈曲部等誤操作による自動車の転落を有効に防止で
きる位置に設置すること。

(2) 装置等の構造の設計
装置等の構造の設計をするに当たっては、次の①に掲げる衝撃力等を用いて②又は③
に定めるところにより安全を確かめること。ただし、実験により装置等が衝撃力を充分
吸収できることが確かめられた場合においては、当該装置等を用いることができる。

① 装置等に作用する衝撃力等は、次に掲げる数値によること。
ア 衝撃力:250kN(25ton)
イ 衝突位置:床面からの高さ60cm
ウ 衝撃力の分布幅:自動車のバンパーの幅160cm
そして自動車による衝撃力は下図に示されている。
 ②③省略

自動車の衝撃力.jpg

要するに「車止め」だけでは駄目で、ネットフェンスではこの様な衝撃力を受け止められるはずはないのである。鉄骨で設計すると、2本のH175×175×7.5×11の柱が必要である。柱は片持ち梁であるが、固定するにも十分力が伝わるよう、詳細設計が必要である。横桟の設計も行う事になる。

ところで或るデパートに車で行った時に感心したことがあった。構造はSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)で、外周の梁が「逆梁」になっているのである。梁は通常床スラブの下に配置されるが、「逆梁」とは梁の下端でスラブを支える梁のことである。つまり梁形はスラブの上に出ているのである。

とあるデパートの駐車場.jpg

あるデパートの駐車場(Googleマップのストリートビュー)

「逆梁」は高層マンションでも使われていて、手摺代わりになる。そして室内から見ると梁形が無いから窓は天井まであって、解放感が得られる。件の駐車場はこの出っ張った梁が車の衝撃力を受け止めるのであった。合理的である。

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JR博多駅近くで道路陥没-8(関係者への報告義務) [建設関連ニュース]

福岡市のJR博多駅前の大規模陥没事故で、原因となった市営地下鉄工事を請け負う共同企業体(JV)が、事故前日に陥没の兆候を示すデータを計測しながら市への報告を怠り、工事を続けていたことが24日、市関係者への取材で分かった。

事故を巡っては、国土交通省の第三者委員会が原因を調査中。大成建設を代表とするJVのこの対応に問題がなかったかどうかも焦点となる。市関係者によると、JVは、掘削中のトンネルを支える鋼材に計測器を設置し、上部岩盤からの圧力を測定。事故前日の昨年11月7日から数値が上昇し、現場点検などが必要な値となった。

契約上は、この時点で市への報告が必要だったが、それを怠り工事を続けた。値はその後、対策工事や施工中止が必要なレベルに上昇し、8日午前5時15分ごろ陥没が起きた。JVから市への報告は、その約10分後だった。2017.1.24 産経(写真も)

JR博多駅近くで道路陥没.jpg

この事故は大惨事となる可能性があったが、JVの臨機応変な対応で被害を最小限にとどめたことが国内外に称賛されている。まず陥没が始まる数分前に交通止めを行ったこと、そして僅か1週間で仮の現状復旧出来たことである。

しかしながら今回の報道には聊か落胆した。報道が事実ならば少なくとも前述の「交通止め」に関しては当たり前のことになる。そして陥没後の対策についても少なくとも僅か1日後から流動化土の埋め戻しを行ったのは、実は2日かけての検討・準備結果だったのかもしれない。

地下工事は自然が相手だから、幾ら事前に調査を行っても施工中に異変が起こることは稀ではない。従って毎日の計測管理は工事を安全に進めるためには必須なのである。管理項目は細かく、20項目以上にもなる事がある。

筆者は建築の地下工事が専門でトンネル工事は詳しくないが、建築においては一般に「1次管理値」「2次管理値」を定め管理している。管理値とは、例えば予測した計算値の80%を「1次管理値」に決め、毎日の計測結果がそれ以下であれば現場施工を進める。

もし「1次管理値」を超えると関係者に連絡し、以降の施工を続行して良いか検討し、基本的には現場は続行するが、さらに緊密な連携を取ることとする。「2次管理値:計算値100%」を超えると現場は中断し、何らかの対応をすることになる。

今回の報道から察すると、建築でいう「1次管理値」(或いはすぐに2次管理値も)を超えた計測値が出たにも関わらず、市に連絡しなかった、という事であろう。建築の場合は大事故が予想される場合は「建築主」に報告するが、あくまでゼネコンの自己責任で、「追加工事:工事費の増額」「工期延長」は認められないが、土木では多く場合認められる。しかし事前報告をしなかったのであれば、どうなるのだろう?

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木造の耐震設計-直下率の考え② [大地震対策]

直下率が低くなってしまう住宅の原因は主に2つある。一つは1階と2階の窓の位置が異なる場合である。これは1階には居間・食堂という広い部屋があり窓を大きくするためで、一方2階は子供室など1間幅の窓で十分である。

1,2階の窓の位置が異なる例.png

2階床梁に矢印の力が掛る

二つ目は2階がセットバックしている場合である。下図に示すようにベランダ部分をセットバックしている場合である。これも結構見かける住宅であるが、おそらく「容積率」のため2階の床面積を小さくしているからと思われる。

2階がセットバックしている例.png

2階床梁に矢印の力が掛る

何れの場合も2階の柱軸力が1階の柱に直接伝わらず、2階の床梁をよほど大きな断面にしなければならない。地震時には「筋交い」に水平力が作用し、軸力が生じる。この軸力の鉛直成分が2階柱位置の梁に掛ってくるのである。

窓は広い方が気持ち良いのはその通りであるが、しかし「立派な庭」や「借景」がある事が前提だと思うのだ。前の家の外壁を見る為に窓を広くすることはない。小さい方(1間幅)が断熱性、遮音性も向上するし、カーテンも特注しなくて済む。

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木造の耐震設計-直下率の考え [大地震対策]

今日のNHKの「あさイチ」のテーマは住宅の耐震設計で、熊本地震の被害は「新耐震設計:1982年施行」や「2000年法改正」後の建物でも被害が出でいたことが取り上げられた。熊本地震は震度7が2回起きたことから、新基準の建物でも破壊したと伝えられていたが、この番組では、崩壊した建物を精査したところ「直下率」が低い建物に多い事が判明したという。

構造設計が専門である筆者はこの「直下率」という技術用語を知らなかった。尤もこれは極最近言われてきたようで、真面目にCPD(継続的な能力開発:Continuing Professional Development)を実施している人は学んでいたのであろう。

「直下率」には2種類あって、a.2階の柱が1階の柱と通っている b.2階の筋交い(耐力壁)の位置に1階にも筋交いがある割合である。どちらも耐震的には直下率は高いほど良い。これは今ネットで調べたことであるが、しかしこのことは筆者にとって当たり前であった。要するに「直下率」という言葉を知らなかっただけである。

6年前に竣工した「終の住処」は「耐震等級」はほぼ5で設計したが、1階のLDが広いので2階の筋交いのある柱は2階床梁で支持しなければならなかった。その為、1か所の梁は120×450の集成材を使う事になった。450mmも成があるので天井から100mm下がって見えている。写真と構造計算を紹介する。

露出した2階床梁.jpg

2階床梁の設計-2.jpg2階床梁の設計-3.jpg
2階床梁の設計-4.jpg


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五輪専用レーンは限定的に-首都高の問題点 [建設関連ニュース]

2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都と大会組織委員会は20日、選手や観客らの輸送方法などを検討する「輸送連絡調整会議」を開いた。大会関係車両のみが通行できる五輪専用レーンは選手村や競技会場などを結ぶ全区間ではなく、限定的な設定を検討する方針を確認した。

会議では大会関係者の輸送ルートについて、高速道路を主として設定、一般道路では4車線以上の道路を優先して選定、高速道路の出入り口から競技会場まで最短距離で結ぶ経路を設定、という考え方が示された。五輪専用レーンはほかの車線で渋滞を引き起こすことが懸念され、組織委幹部は報道陣に対し「場所ごとに最適な方法を探る」と述べた。1.21 産経

筆者は実家に帰るときには東京を横断しているが、時間的には早くなる首都高は使わず、環状線を使っている。これは高速料金の節約の意味もあるが、首都高を走るのが怖いからである。一般の高速道路は片側3車線に路側帯があるが、首都高は片側2車線で路側帯は無い。

又、偶にしか使わない首都高は、進路変更のタイミングを始終気にしなければならず、間違えて一旦降りてしまうと、今度は入るのは至難の業である。進入の為の「合流車線」の長さが短いのである。そして、やはり路側帯が無いのが余計難しくしている。

さてこうした首都高であるが、報道の通り、2020年のオリンピックでは首都高の片側2車線の一つをオリンピック専用レーンにするという計画であった。首都高は恒常的に混雑しているのは誰でも知っていることである。NHKの朝のニュースでは毎日首都高混雑状況を報道しているくらいなのである。

都心部の交通状況.jpg

オリンピック期間が3週間とはいえ(パラリンピックもある)専用レーンを設定したら首都高は完全に機能しなくなる。「高速」ではなく「拘束」になってしまう。リオでは専用レーンを設定したそうだが、片側4車線の道路だったそうで、それなら影響は少ないのだろう。

それにしても首都高は1964年の東京オリンピックの時に造られたもので、コンクリートもまだ生コン工場も無くて、現場練りのコンクリートで、人力で「猫車」での打設あった。コンクリートの中性化、それによる鉄筋の腐食が深刻な状況である。加えて日本橋など歴史的な場所を通っている首都高は景観を損ねていて、外国からの観光客にたいしてイメージは悪い。

勿論抜本的な対策は簡単ではないから、少なくとも耐震補強と、オリンピック関係者の移動について、ITを駆使して信号の制御をおこなう事が喫緊の課題である。ちなみに首都高は景観改善について実施事例を紹介しているが、筆者には大して変ってなく思える。

景観改善事例.jpg


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阪神大震災視察 ⑪ [阪神大震災視察]

視察者としてこの大震災を教訓とすべく、幾つかの感じた事を記してこのリポートの締め括りとしたい。

住吉駅前の状況.jpg

外観上は無被害.jpg

先ず新しい建物、それも新耐震以後の建物は全くといってよいほど無被害であった(注:ピロティの建物には被害があった)。しかしこの事は、現在の建築技術が希有の大地震に勝った、と素直に喜んでよいのであろうか。建物自体は無被害でも、インフラの損傷と什器の損壊により営業停止を強いられるホテル群や、オンラインが停止した金融機関等の営業損害は莫大である(注:震災以来、BCP:事業継続計画の考えが広まった)。

1階柱の破断-1.jpg

1階柱の破断-2 鉄骨柱の溶接は隅肉?.jpg

また、もし地震の発生が昼間であって火災が発生したとき、はたして消火設備は機能したであろうか。同じく建物自体は無被害でも、地盤の液状化のため傾いて、生活に支障する住宅はアンダーピニングで直すのだろうか。


破損したガラスの仮の処置.jpg

護岸の状況.jpg

液状化により段差した道路.jpg

また数は少ないが、倒壊をまぬがれただけ(本来の設計目標であり、もう使えない)の建物のオーナーは納得するのだろうか。こうなることは建築界の常識であるが、この常識は世間一般に認知してもらっているのだろうか(注:震災以来、免震、制震構造を採用する建物が大幅に増加している)。

古い基準で建てられた建物にも、設計上、材料強度に50%の安全率があるが、地震力は設計外力を超えており、この安全率は全て設計の範疇で使われてしまった。従って施工上、少しのミスもなかった建物しか残らなかった。今後どのような地震が来襲するかと想えば、施工技術者として最大の教訓である。

柱脚の破壊.jpg

古い建物が倒壊して隣接建物に被害を与えた例がかなりあった。被害を被ったオーナーは、地震(一般に震度5強を超える)は免責であるから民事訴訟は出来ず、割り切れない心境であろう。悲惨なのは、新しい住宅の人は助かり、隣の古い住宅に住んでいた人達が亡くなった事実であり、これを目の当たりにした者としては今後決してあってはならないと思いいたった。消防法に関しては遡及が義務付けられるが、今後同じ主旨で構造安全強度についても論議されるであろう(注:耐震改修法にこの考えが盛り込まれた)。

残ったマンションと崩壊した家.jpg

神戸の復興に対しては政府や各企業、全国民が願い協力しているが、神戸市民が最も強く決意しているのが短時日の視察でも感じられた。そうした神戸市民に対し、今後、業務を通してだけでなく、国民の一人として、他に何が出来るかが論議されるべきだろう。

灘の酒造.jpg

ともすれば増税を黙認して終わってしまう(注:例えば湾岸戦争では1兆8千億円の戦費を支払ったが、国会での議論は僅かであった)のではなく。

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高浜原発でクローラクレーン転倒事故-タワーモードの安定性 [建築事故]

20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原発(福井県高浜町)構内で大型クレーンのアームが、2号機の原子炉補助建屋と使用済み核燃料プールがある燃料取扱建屋の壁などに倒れた。関電は両建屋の屋根の一部が変形しているのを確認した。敷地内や周辺の放射線量測定値に異常はないという。けが人もなかった。関電は、天井からの落下物はなく、使用済み核燃料への影響はないとしている。

高浜2号機と同1号機は運転開始から40年を超えており、関電はドーム状のコンクリート屋根を原子炉格納用容器上部に設置する準備を行っていたが、当時作業は休止中。暴風警報が出ており、クレーンが強風にあおられたとみられる。クレーンのアームは約112mで、4台のうち1台が倒れたという。2017.1.21 産経(写真も)

倒れたクレーン.jpg

クレーンは移動式の「クローラクレーン」で「タワーモード」といわれる仕様になっている。報道では車両重量が270tonなのでかなり大きなクレーンである。おそらく作業半径5mで200ton吊れるクレーン程度であろう。今回はタワーモード仕様の為、200tonを吊ることはできないが、タワーにする(おそらく60m)ことにより、旋回ブーム(おそらく50m)は高い位置となるから、建物に近づいて屋上の資材運搬に使えるようになっている。

都内では敷地が狭いのでクローラクレーンで「タワーモード」にして使うことはなく、もっぱら「ラフテレインクレーン」という道路を走れるクレーンが一般的である。「タワーモード」状になる「ラフテレインクレーン」もある。もしくは「タワークレーン」を組み立てるのである。

しかし敷地があって、継続使用する場合にはクローラクレーンの方が「ラフテレインクレーン」や「タワークレーン」よりはるかにレンタル料は安い。報道によれば高浜原発構内には「タワーモード」にしたクローラクレーンは複数台あった。

高浜原発のタワーモードのクレーン.jpg

クローラクレーンの弱点の一つは「安定性」である。クレーンは資材を吊り上げると資材の重量と作業半径を乗じた「モーメント」が作用する。そのモーメントに抵抗するにはクレーンの自重と旋回部の後方に取り付ける「カウンターウエイト」である。200ton吊りクレーンでは80ton以上の「カウンターウエイト」が付けられているはずである。資材を吊るとその方向に倒れようとする「モーメント」に対して、旋回部の後方に取り付けられた「カウンターウエイト」は反対方向の「モーメント」となっているので「釣り合う」のである。

しかし「カウンターウエイト」による「モーメント」はいつも作用しているから、何も吊っていないときは後ろ向きに倒れようとするのである。従って作業を休止するときには、特に強風が予想される場合には「後方」に」倒れないよう吊りフックは錘と吊りワイヤーで緊結しておくのである。報道では5tonの錘をつけていたそうであるが、しかしよほどの強風だったのかタワーは倒れてしまったのであった。

しかし不可解なのは、報道では他のクレーンは「ブーム」を畳んだ状態となっている(事故後に畳んだか定かではないが)のに、倒れたクレーンのブームは建屋の屋上の上に倒れこんでいるのである。そしてタワーモードの「マスト」が破断されている。これはどうしてだろう。

ここからは筆者の推定であるが、

1.5tonの錘をフックに付けているので強風にも耐えられると考え、ブームは畳まなかった
2.強風によって、5tonの錘がワイヤーから外れてしまった(玉掛けが十分でなかった)
3.ワイヤーが外れた反動でブームは上空に跳ね上がった。この時風力も作用している
4.タワーマストは倒れ、建屋にぶつかり、衝撃で破断した

というストーリーである。

移動式クレーンのマストやブームは「安定性」の為、構成する部材を軽量化している。その為に、建物に使われる鋼材よりはるかに強い「高強度」の鋼材を使っている。高強度の鋼材は衝撃力には脆い性質(シャルピー試験値が低い)がある。つまり想定外の荷重(今回な建物に衝突した)に対して脆性的な破壊となったのである。

暴風が予想される場合(春風は予想できない)、1日の作業完了後は

1. ブームを畳む
2. 更に錘に適正な「玉掛け」を行い緊結する

を順守すべきである。

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