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舫い結び [自然災害]

極めて珍しい経路をたどった台風10号は東北や北海道に多くの被害を出した。太平洋側からの東北地方への上陸は観測史上初めてであり、又、北海道も台風上陸は少なく、経験の少なさから被害が大きくなったのであろう。亡くなられた方のご冥福と、被害を受けた方にお見舞い申し上げます。
台風が来ることが分かると港では船が流されないように、埠頭にある「舫い」に船舶をロープで繋いでおく。「舫い」とはL形のフックであり、フックと言っても直径は大きいものでは1m以上もある。或る程度径は太くないと、ワイヤーロープが折れてしまうので、プロポーションは可愛い。この「舫い」に太いロープを巻いて結ぶのだが、普通の「固結び」では強い力が働くと解れてしまう。そこで昔から行われている結び方が表題の「舫い結び」である。
もやい結び.jpg

この舫い結びを覚えたのは筆者が新入社員で、現場に配属された時である。鳶の作業員が立ち入り禁止等の「安全ロープ」を張る際に結んでいた方法であった。鳶の職長に教えてもらって、偶に安全ロープが外されたままになっていた時に、自分で張り替えることが出来た。
「舫い結び」はワイヤーロープにも使えないことは無いが、ワイヤーロープは特に外れやすく、危険なため、「玉掛け:荷物を吊る作業」用には端部が輪の形状になっていて、それを「シャックル」で結ばなくてはならない。ゼネコンの社員は「玉掛け」はしない。
家では3年前に大風のときに、まだ十分根が張っていなかったオリーブの木が倒れてしまった。その為家にフックを取り付け、ロープで引っ張ったのである。この時「舫い結び」を使って木に結び付けたのであった。覚えておかれるとよいと思う。












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イタリア中部地震-2 倒壊・損壊した建物の一部が手抜き工事 [大地震対策]

イタリア中部地震で倒壊・損壊した建物の一部が手抜き工事によって建築されていた疑いがあるとして、地元検察当局が捜査に乗り出した。地震では古い建物が多いことが被害の大きさの背景と指摘されているが、当局は不正建築が多くの犠牲者を生む一因になった可能性もあるとみている。

27日付のイタリア紙によると、捜査対象は115軒の建物に上る。検察当局はとりわけ、最近改修などが行われた、最大の被災地アマトリーチェの学校とアックモリの教会の鐘楼について着目しているという。

地元検察は現場調査の結果、倒壊建物の一部は「節約のためにセメントを少なくした」「柱補強の鉄板巻での手抜き」などと指摘した上、関係者の法的責任追及を視野に捜査を進める考えを示した。8/28,29 報道

「節約のためにセメントを少なくした」「柱補強の鉄板巻での手抜き」の2点については各々別の報道機関によるもので、もしかしたら同じ補強方法を指しているかもしれない。日本では耐震補強の方法のひとつに、最も危険な倒壊の原因となる柱の「脆性破壊」を防止するため、各柱に鉄板を張り付ける方法が採られている。

この方法は、柱にエポキシ樹脂を塗り(もしくは後から充填)鉄板(厚さ12mm程度)を張り付け固定するものである。柱の根元と上部の梁とぶつかる部分は補強できないが、この補強を行うと少なくとも柱の胴体部分が壊れることがなくなる。1968年の十勝沖地震、1995年阪神大地震での柱の「剪断破壊」で破壊した柱の階はつぶれてしまったのを教訓としたものである。

「剪断破壊」のような脆く壊れなければ、地震の主要動の時間に何とか耐えることが出来る。言い方を変えれば、建物が左、右に大きく揺れて、地震のエネルギーを吸収することが可能になるのである。

上記の手抜き工事であるが、もし「鉄板巻」補強であるならば、鉄板を接着させるエポキシ樹脂(セメントを混ぜたモルタルに見えるが高価)ではなく、普通のモルタル(セメントと砂)を使った可能性が高い。モルタルでは鉄板との接着力が弱いのである。しかしこれはあくまで推定であり、今後明らかになるであろう。

先のブログでもふれたが、イタリアの経済状況は悪く、手抜き工事の原因になったと思われる。これは「耐震補強」の目的を全く理解していない「重過失」か、あるいは「詐欺」である。まさか「未必の故意」による殺人は言い過ぎだろう。

一方、この様な悲劇の中では、人間の思わぬ自己犠牲が行われることがある。9歳のジュリアちゃんが瓦礫の中から遺体で発見された時、その下にいた5歳の妹のジョルジャちゃんはほぼ無傷で救出された。キリスト教で教える「最高の愛」である。












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男性の小用での洋式トイレの使い方 [エッセイ]

ライオン株式会社による男性の小用での洋式トイレの調査がネットに掲載されていた。

1. 男性が立って小用を足す「立ちスタイル」では、1日で周囲に尿ハネが約2,300 滴も飛び散る!特に、便器の「奥狙い」が最も飛び散りやすい!
2. 尿ハネを気にして「座りスタイル派」の男性は今や多数派に!
3.「座りスタイル」でも油断は禁物!?「便座裏」が新たな尿ハネスポットに!
4. 尿ハネを「から拭き」「水拭き」すると、かえって汚れを塗り広げてしまう!

この結果を受けてさらに自宅で座って小用する人に聞いた結果が以下である。
トイレの尿羽2.jpg

今の住宅では洋式トイレが100%と思われるが、問題は男性の小用である。上記のライオンの調査が実証しているように、立って小用するといつもトイレの臭いが気になっていた。特に会社を辞めて毎日何回も家で小用していると、前より臭いが強くなったのである。

堀江貴文の刑務所暮らしの本に、小用の度に腎臓疾患の血尿の飛沫が飛び散ることが書いてあった。周りの床などに色が付くものだから、絶えず拭き掃除をしなくてはならず、ついに座って小用するようになったという。

これを読んでとうとう筆者も小用に於いても座って行うことにしたのである。座って小用するにも「社会の窓」から「配管」を出して行うことも出来なくはないが、これは「配管」に無理が掛かり、「前立腺がん」の原因にもつながる可能性があるという。従って大用の時と同じく、パンツを下して行うのが正しい。

小用を座って行うことにしたら、明らかに効果が表れた。つまり臭いが改善されたのである。もはや消臭スプレーはほとんどいらなくなったのである。元々、大用の後は換気扇を回していたから、これで家のトイレはほぼ快適になったのである。

「ほぼ」と表現したのはまだ完全ではないからで、家には息子がいて、彼には座って小用する習慣はない。会社には当然小用のものがあるから、座って行うなど考えたことがないに違いない。

立って小用するのは男のアイデンティテイという説もある。又、豊臣秀吉が小田原城を攻略する際に、家康と連れションし、江戸への移封を命じたのは有名である。これからどうやって息子を説得するか、家内と戦術を考えねばならない。









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大阪の下水で発電-大阪ガスが新事業へ [建設関連ニュース]

大阪ガスが、大阪市での下水処理の過程で生じるメタンガスを使った発電事業に乗り出した。電力は国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を使って、関西に参入している新電力会社に販売する計画で、年間10億円程度の収入を見込む。下水に眠る未利用エネルギーの有効活用を広げていきたい考えだ。

大阪ガス子会社のOGCTS、環境機器大手、月島機械などが共同で大阪市が運営する大野下水処理場内に発電機30台(出力、計750KW)を設置。年間、一般家庭1500世帯の消費量に相当する550万KW時の電気を供給する。来年4月には、別の大阪市の下水処理場3カ所でも発電を始め、4カ所合計出力4090KW、年間発電量は2580万KW時になる見通し。8/28 産経

水力、風力、太陽光、バイオマス発電に続いて、今度は下水のメタンガスを利用するのは、発想は昔からあったが、ようやく実用化するのは喜ばしいことである。下水処理は沈殿槽を経て、バクテリアにより有機物を分解するが、この過程でメタンガスが発生する。このメタンガスは大気に放出されていたのだから、最も望ましい有効利用なのである。

大阪市には土地代とメタンガスの対価が収入となるので、市としても歓迎である。下水処理をしても最終的に「汚泥」が残ってしまうが、この処理にかかる費用が軽減されることになり、下水道使用料が安くなれば市民にとっても家計の助けになる。一石3鳥位の効果である。

ものの本によると、江戸時代は世界に類の無い徹底したエコロジーだったそうで、その中で下水に相当する廃棄物は肥料として農業に使われていた。「収集」「運搬」「処分」という今の廃棄物処理が、既に江戸時代にシステムとなっていたのには驚かされる。

今回の下水で発電事業が成功し全国に波及すれば、少しは江戸時代のエコロジーに近づけると思う。









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イタリア中部地震 [大地震対策]

イタリア中部ノルチャ付近で24日午前3時36分(日本時間同日午前10時36分)ごろ、マグニチュード(M)6.2の地震があった。国営イタリア放送協会によると、首都ローマもあるラツィオ州のほか、ウンブリア州、マルケ州など広い範囲で揺れがあり、建物倒壊などの被害が出ている。住宅から近くの広場に避難した住民もいるという。

イタリア中部地震で、伊政府当局は26日、死者が267人に達したと明らかにした。ロイター通信が報じた。負傷者も400人近くに上っている。被害者の生存率が急速に低下するとされる地震発生から72時間が迫る中、当局は救助に全力を挙げている。

イタリアに地震と聞いて、ヨーロッパには地震が無いと思い込んでいた筆者は驚いた。トルコでは地震はかなり発生し、その為、日本が地震対策で協力しているとは知っていた。早速ネットで調べてみると、イタリアでも過去多くの死者を出している地震が発生していることが分かった。

1659年に南部で死者2,000人を記録した、M 6.4の地震から、2009年の中部ラクイラ地震、M6.3、死者308人までを纏めると、合計26回であった。14年に一度である。マグニチュードの範囲は5.6~7.4、単純平均は6.46、エネルギー平均したマグニチュードは6.76、死者は100~11万人、平均は1240人である。11万人となったのは1908年のM=7.2のメッシーナ地震である。

こうして見ると日本に比べ規模や頻度が少ないとはいえ、イタリアも地震国であることが分かる。今回の地震では歴史的な建物はほとんど倒壊したとの報道がなされたが、石積建築では耐震性はほとんど無いからである。報道写真をみると、倒壊した建物のそばには、ほとんど損傷していない比較的新しい建物があるから、イタリアには当然耐震基準はあるのである。

しかしながら、耐震改修は進んでいなかったようだ。イタリアは失業率も高く、経済は厳しい状況にある。しかし人命にかかわることだけに、耐震改修は観光客を呼ぶためにも必要なのである。日本も2020年に東京オリンピックを控えているから、決して人ごとではないのである。

地震から4日目となる今日現在、まだ多くの行方不明者がいるとのことである。一刻も早く、一人でも多くの救助を祈るしかない。









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東京オリンピックの仮設会場 [建設関連ニュース]

リオ五輪が閉会し、今度はいよいよ2020年の東京オリンピックがカウントダウンされる段階となった。小池都知事は五輪旗を受けただけでなく、リオの会場を見て回り、警備状況の他に仮設で作られている会場に興味を抱いたようである。

東京オリンピックの開催費用が当初の予算に対し、数倍にも膨れ上がったと報道され、先の都知事選でも各候補が費用削減を公約に掲げたのは当然であった。筆者は開催費用の内訳は知らないが、たぶん新しい道路や交通、港湾などのインフラが占める割合が大きいと思う。しかし施設会場も新規に作った場合、その後の収益性が見込めないと維持費ばかりが嵩んでしまうから、仮設で作ることは検討に値する。

仮設で作られた施設で有名なのは万国博のパビリオンであるが、しかしこれらは「仮設」であって、「仮設材」で作られたわけではない。要するに期限付きの建物であった。これに対し1983年に新宿西口のビル群の谷間に突如出現したテント、ミュージカル「キャッツ」の劇場では、観客席は足場材を組合せたものだった。

わざわざ仮設のテント劇場を作ったのは、「キャッツ」のミュージカルとしてのスケールが大きすぎて、既存の劇場では収まりきらなかったそうである。又、開催期間も半年から数年に続いて上演されるため、やはり既存の劇場では難しかったようだ。

実は筆者はこの観客席を足場材で作るに際して、安全性を検討したのである。部材は「単管」を「クランプ」で接合して組み立てる。「枠組足場材」も検討したが、客席の配置間隔から使えなかった。問題は「クランプ」の強度であった。クランプは1か所350kgしか耐力がないのである。仕方なくクランプが滑らないよう、さらにクランプを追加した覚えがある。

今では「楔緊結足場」用の部材があるので、クランプは使わずに観客席を組み立てることが出来るはずである。屋根を作る場合には、土木の橋梁工事で使われるような「仮設支柱」材が有効だろう。仮設資材はかなりの種類が出回っており、それらを組合せて使えば台風が来ても東京であれば風力は衰えるから可能と思われる。
ところでネットで調べたのだが、自転車、トランポリン、新体操などは既に仮設施設に決まっていた。後は可能性としては有明アリーナのバレーボール、多摩でのバトミントンだけの様だ。夢の島公園のアーチェリーは観客席が対象かもしれない。

こうしてみると仮設にした方が勿論良いが、大した経費削減にはならない。いっそ国立競技場を仮設にして、その後は公園にする、というのは極論だろう。非常時に観客の避難動線の確保など安全上無理である。









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建設国債の発行 [建設関連ニュース]

政府が24日に閣議決定した平成28年度第2次補正予算案は、税収の伸びが頭打ちになることを念頭に、建設国債の発行で一般会計歳入の8割超をまかなうことになった。政府はこれまでの補正予算で、税収増を背景に国債発行を抑制してきたが、今年に入り、世界経済の減速や円高で企業収益が減少し、大幅な税収の上ぶれは見込みにくくなっていることが背景にある。

国債(公債)の残高が平成28年度で918(借入金合計1053)兆円だそうで、国民一人当たり723(借入金合計830)万円になるそうである。しかしこの国債(及び借入金)の大部分が日本の銀行など金融機関が購入しているのであって、外国に買ってもらっているのではない。つまりギリシャやイタリアとは全く違うのである。「国」の借金ではなくて、「政府」の借金であり、債権者は日本の銀行や金融機関、即ち国民の貯蓄だから「国民」なのである。

いくら1000兆円になろうとも、極端な例を言えば大量に円を印刷すれば国債は償還できるのである。少なくとも今目指しているインフレ率2%が続いていれば、20年後には2/3(0.98^20)に自然となっていく。なにしろ国債の利息はほぼゼロなのである。

GDPを押し上げるためには、先ず個人消費の増加が必要であるが一向に改善されず、又、企業の利益は設備投資に回らず、剰余金として貯めこまれている。このような状況では公共投資をするしか方法は無いのである。勿論海外が盛況になれば輸出が期待できようが、世界中が同じ期待をしているのである。

今までブログにしてきたように、日本は地震、台風、大雨災害が非常に多く、国土の強靭化が必要なのである。それに50年前の東京オリンピックのために造られた高速道路や橋などの寿命が近づいているので、メンテナンス、改修はなにしろ必要なのである。

リオオリンピックでは日本人選手の活躍が大いに日本中を沸かし、勇気付けられた。そして2020年東京オリンピックという大きな目標があるのだから、勇気をもって財政出動すべきなのである。ポイントは「将来に残る公共投資」である。












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スーパー堤防(高規格堤防) [自然災害]

今回の台風では各地で川が氾濫し、大きな被害を受けている。特に北海道ではあまり洪水災害経験が無いことから、対応に追われたようである。又、収穫間近の玉ねぎやジャガイモの被害は、今後価格の高騰となるだろう。

洪水防止のために堤防が築かれるが、一般の堤防では一部の決壊が起こるとそこが大きく広がって、早い濁流が低地になだれ込む。「蟻の穴から堤も崩れる」という諺があるが、実際、鼠によってつくられた孔から決壊に至った例もあるという。

このような堤防に対し、国が進めているのが「高規格堤防」で通称、「スーパー堤防」である。これは図のように一般の堤防に比べ、ゆるやかな勾配を持つ幅の広い堤防である。
スーパー堤防.jpg

スーパー堤防

広くなった堤防の上は、通常の土地利用が可能で、新たな街づくりを行うことができる。つまり、現在住んでいる人には他に移転してもらい、堤防が出来た後再び戻ってくることも可能である。

堤防の幅を非常に広くして破堤を防ぐ高規格堤防は、地震にも強く、万が一計画を超えるような大洪水が起きた場合でも、水が溢れることはあっても緩やかな浸水であり、濁流となることは無い。又、傾斜は1/30程度と緩やかで、歩行がきつくは感じられない程度である。

しかしこの事業は用地の買い上げや、造成に巨額の費用が掛ること、そして工期も長い。現在、江戸川、荒川、多摩川に整備中であるが完成までにはまだ多くの時間が掛ると言われている。

その様な整備状況の中、2015年9月関東・東北豪雨は、茨城県常総市付近では10日早朝より鬼怒川の数か所で越水や堤防からの漏水が発生し、12時50分には同市三坂町で堤防1か所が決壊した。これにより常総市では鬼怒川と小貝川に挟まれた広範囲が水没した。この川に対しては「スーパー堤防」の計画は無い。あまりに工事費が掛るからである。

「スーパー堤防」の造成のためには多量の土が必要となるが、この土は本来、造成用の「粒度分布」の良いものが締め固め効果は高い。しかしこのような土は、山を切り崩した「山砂」か、地下室などを掘削した土で、粘性土(埋め土には不向き)以外のものとなる。従って供給量は限られる。

一方、市街地では地下室のための掘削以外に、杭工事での掘削土が発生する。しかしこの発生土は産廃法上「汚泥」となり、通常は造成工事には使えず、廃棄物処理が必要となって工事費の増加になっている。そしてこの廃棄物の最終処分場が関東では払底しており、不法投棄が絶えない。

こうしたことから、現場で発生した「汚泥」に固化剤を添加する、或いは脱水処理を行えば、「スーパー堤防」の造成のための材料になると決められている。地下室のための掘削土も粘性土であると造成には使えないが、やはり固化剤を添加することで「スーパー堤防」に使えるのである。当に一石二鳥の方策である。

従って建設業界としては「スーパー堤防」は大歓迎なのだが、奈何せん、土地の収用や工事費負担で、財政上簡単にはいかない。昨年や今回の洪水と毎年起きる災害に対し、やはり政治が国民に「スーパー堤防」政策を再度説明すべきなのである。決して無駄な公共工事ではない。












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住宅の耐震補強-5 [大地震対策]

国土交通省は22日、住宅の耐震改修に対する補助金を30万円上乗せする方針を決めた。熊本地震では耐震化が不十分な住宅の多くが倒壊した。全国的な耐震化率は82%(平成25年)と推計されており、政府目標の95%達成(32年)に向け、支援を追加し改修を急ぐ必要があると判断した。28年度第2次補正予算案と29年度当初予算の概算要求に必要経費を盛り込む。

一般的な住宅の耐震改修費は100万~150万円程度である。新たな支援策では、例えば耐震改修費が100万円の場合、現行制度で標準的な23%の補助金(23万円)に30万円を加え、半額以上の53万円が公費負担となる。

補助金は国と市町村が折半している例が多く、独自に積み増す自治体もある。一方、全市町村の約2割は制度を設けておらず、地域差がある。このことから新たな上乗せ分は、住民への耐震化啓発活動などに熱心な市町村に限り認めることとしている。8/23 産経

熊本地震を受けて、耐震化改修は急がなければならない。特に2020年のオリンピックを控え、開催前に首都圏に「地震」が発生しても開催が出来るようにしたいものである。流石に直下地震や東海・東南海・南海連動の様な「大地震」が起きてしまったら、これは今から間に合うものではない。何しろインフラ、特に交通関係は直ぐにはどうしようもない被害をこうむるだろう。

しかし震度5強位(中地震)の内陸型地震に対しては、耐震化工事により被害は劇的に効果が期待できる。その為の政策の一環が今回の補助金上乗せなのであろう。東京にはまだ幾らも「震度5強」で倒壊する建物が多い。「震度5強」とは現在の建築基準法に規定する耐震強度の60%位の地震力である。つまり耐震化補強をすれば、1.5倍以上の強さになる。

昨日リオオリンピックが閉会し、東京に五輪旗は手渡された。これから2020年に向けてあらゆる準備を進められるが、耐震化工事もその一つである。500年に一度の地震で大規模な被害を受ければ、開催は不可能になっても世界は認めてくれるであろう。しかし「中地震」で古い住宅が倒壊し多くの犠牲者を出しては、たとえオリンピックの開催は出来ても大会は追悼の場になってしまう。

「新耐震設計法」「2000年法改正」に適合しない住宅やその他建物については、なんとしても耐震改修が必要なのである。いわば国家的な政策なのであるが、30万円の上乗せではたして改修が進むだろうか?

私がアドバイスした耐震化・リフォームでは結局1000万円位掛った。そのうち耐震化の費用は250万円位であるから、まあ国土交通省のいう100~150万円とそれ程の差は無い(特に建築基準法の1.5倍以上にしたこともある)かもしれないが、全体でいえば大差である。

屋根を瓦から金属製にするだけでも100万円くらい掛る(瓦屋根の処分にも費用が掛る)のである。そして、筋交い補強のためには壁・天井を剥がし、基礎の補強のためには床を外す必要がある。「耐震補強費」は150万円かもしれないが、このような仕上げ材を外すとしたら、今後長く使いたいのは当然で、それには1000万円位掛ってしまうのである。

それでも耐震化改修が必要なのだと国民を納得させるには、今回の熊本地震の悲惨な実態を国民に知らしめるしかないだろう。それは熊本地震で亡くなられた人々への供養になるのではないだろうか。












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大地震の教訓 [大地震対策]

気象庁は19日、大地震の翌日から「余震確率」として公表していた地震活動の見通しについて、今後は地震活動を1週間程度見極めた上で、余震という言葉を使わずに注意喚起する方式に改めると発表した。余震の発生確率は算出するが「平常時の約50倍」などと、可能性が高いことを強調する表現にする。震度7が続発した4月の熊本地震を教訓にした措置で、即日適用する。

熊本地震では最初の地震の2日後に、より大きな地震が発生。小さな地震が続く「本震-余震型」を前提に余震確率を「震度6弱以上の揺れとなる余震が発生する可能性は3日間で20%」などと公表したが、大きな地震は発生しないとの誤解を与え、被害が拡大したとの批判があった。そのため政府の地震調査委員会が情報発信の在り方を検討していた。産経8/20

新たな経験をするたびに反省することは重要なことで、今回の熊本地震での「本震」が実は「前震」だったというのは確かに新たな経験である。震度7の前震は多分初めてなのだろうが、実際そうなのか、改めて地震に関する記録、多くは古文書を確認すべきである。

今回、地震調査研究推進本部地震調査委員会がまとめた「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」には、最近の地震についての、余震の規模については見直されているが、もっと過去の大地震については触れていないのは点睛を欠いているのではないだろうか。確かに最近の地震では、データが多いから「統計学的解析」が出来る。それが「余震確率」となったのであるが、熊本地震では誤解を与えたのである。

大きな被害を与える大地震の情報は数が少なく、又、古文書では定量化にはバラツキが出てしまう。つまり「科学的」な検討が出来ないのである。地震研究者は「伝承」のようなことを基に論文は書けないから、例えば博士論文ではどうしてもデータ数の多い、近年の中地震を研究材料にしてしまうのである。

阪神大震災の時に1000年に一度の地震と言われたのに、筆者は違和感を持った。それは1000年前に、同じような地震があったことを裏付ける資料があったことを意味するからであり、寡聞にして筆者は知らなかった。

日本の建築基準法は、世界で初めて耐震規定を盛り込んだのだが、それは関東大震災を経験したからである。しかし関東大震災ではどのくらいの地震動であったか、残念ながら地震計の針が振りきれて定かでなかった。およそ300galと決めたのは、当時の地震の大家数人であった。

その後60年経ってようやく設計用地震動が見直された(新耐震設計法)のだが、しかし再現期間については、100~200年程度であった。1000年に一度ではない。そして東日本大地震が起きて、西暦869年の貞観地震からの1200年に一度の地震となり、最近では1611年12月の慶長三陸地震も同じような大地震があったと報告されている。こうなると500年に一度の大地震となる。

構造設計者は日本の地震史を勉強した方が良いと思う。地震研究家ではないから、何も統計学的な発生確率等の勉強はやめて、顧客に対し、地震の歴史を説明した方がどの程度の耐震性としたらよいかの説明になろう。まさにインフォームドコンセントである。












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