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現場勤務の思い出⑫-屋上の防水勾配-2 [建築施工]

屋上スラブは外周と内側ではスラブ記号が異なっていた。外周の幅4m分が5cm厚く、且つ鉄筋量が多いのである。図面にはゴンドラ自走範囲と記述されていた。この建物ではレール走行のゴンドラではなく自走式のゴンドラなので、ゴンドラを吊った時に掛る荷重に対して設計してあったのである。

つまり水下(みずしも)となる建物外周のスラブが中央部のスラブより厚く、そうなると外周へ1/100の勾配をとるとなると、中央部のスラブは約20cmも厚くしなければならなくなるのである。これは建物重量的にも問題となるコンクリート量の増加(200tonくらい)なのである。

又、水上(みずかみ)のペントハウスの防水立ち上がり高さ(最低200㎜)も確保できなくなることが考えられた。そこで防水担当である他の班の先輩に意見を求めたら大騒ぎとなったのである。この問題は他の班長、工務主任、更に所長へと直ぐ報告となり、設計施工だったので設計部と協議となった。

設計部との協議は工務主任が行ったので筆者は立ちあっていなかったが、結局、排水溝は外周とペントハウスの中間に設けることとなったのである。排水溝のドレンがスパン中央部、つまり事務所スペースの直上にあるのは好ましくないが、やむを得なかった。

筆者としては問題提起だけでなく、最終案まで考えたかったが流石に新入社員ではその技術も無かったし、立場上も無理であった。しかし不謹慎ではあるが、先輩を始め工務主任までの大騒ぎとなったのを見て内心「してやったり」と思った。

この騒動の所為ではなく教育の為だと思うが、筆者は後に地下1階駐車場の防水納まり図を作成することになった。それまでは仮設の図面は何枚も書いたが、仕上げ図は初めてで、設計部の担当者にチェックしてもらうなど現場社員らしくなっていった。

なお防水勾配はスラブの厚さで行うのではなく、基本的にスラブ自体に勾配をつけ、S造では鉄骨梁で勾配をつけるのが原則である。この現場での失敗はその後の施工ハンドブックの改定時に注意書きとなった。

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