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埋め立て地帰属問題、江東・大田区、来月にも都へ調停申請-国内の領土問題? [建設関連ニュース]

2020年の東京五輪・パラリンピックでボートなどの競技会場を設ける東京湾の中央防波堤埋め立て地の帰属を主張し合ってきた東京都江東区と大田区は22日、地方自治法に基づく調停を都に申請すると発表した。それぞれ区議会の議決を経て7月にも申請する。都は知事が自治紛争処理委員を任命し、調停案を90日以内にまとめる見通しだ。

江東区の山崎孝明区長と大田区の松原忠義区長が同日会談し、話し合いでの解決は困難との認識で一致した。会談後に記者会見した山崎区長は「全島帰属を主張し続けてきたので断腸の思いだが、腹をくくるしかない」と表明。松原区長も「それぞれ言い分や反論を重ねてきたが、どうしても一致しなかった」と語った。

埋め立て地は約500ha。1973年にごみ処分場として埋め立てが始まったが、境界が決まらずに40年以上が経過した。江東区は「ごみ受け入れに協力してきた」と主張し、大田区は「住民がノリ養殖で生計を立ててきた経緯がある」との立場。東京五輪までの決着を目指してきたが、溝は埋まらなかった。五輪ではボート・カヌーや馬術の会場が設けられる予定。五輪後には江東区がスポーツ・レジャー拠点構想、大田区は羽田空港周辺との一体的な街づくりなどを掲げている。

都内の帰属問題としては、現在のお台場地区に当たる「13号埋め立て地」を巡って江東、港、品川の3区が調停を申請し、分割案を受け入れたケースがある。2017/6/23 日経

筆者は長年ゼネコンの地下工事が専門の技術者だったので、東京湾の中央防波堤埋め立て地は「残土」の受け入れ先として関係してきた。関係と言っても受け入れの申請や交渉は現場の担当なので、筆者は「工期算定」をする時に一日にどれくらい搬出でき、処分できるか検討しただけである。搬出可能残土量は「工期算定」においてかなり不確定要素がある一方、主要な項目なのである。

環境アセスメントを適用されるような大型現場で、残土搬出の為のダンプトラックの台数は、排気ガスが周辺環境をどの程度のものか評価される。環境アセスメントとしてはダンプの台数は少ない方が良いが、それでは地下工事にべらぼうな日数が必要になるから、かなり経験的な判断が必要であった。

それでも中央防波堤埋め立て地の受け入れ容量がまだ十分であった場合には、建設現場周辺の道路の状況だけを確認して、ここでは5000m3/日破可能とか、少し道路状況が悪ければ3000m3/日にして、掘削期間はかかるけれど躯体工事をラップさせて解決しよう、などと計画したのである。

しかし中央防波堤埋め立て地もやがて終わり、受け入れ先はそれこそ台船で千葉や、稀には四国まで運搬する、などといった方策を考えなければならなくなってきた。受け入れ先の問題が深刻になったのである。そのころには筆者は東京支店から本社に異動していたので詳しくは無い。

それにしても埋め立ては知事の権限なのだが、埋立地が出来て利用するとなると、その後の管理は区や市になるのは分かりきったことである。道路やインフラ、学校等区や市の責任だからである。それを事前に決めていなかった、のはおかしな話だ。もっとどうやら最初から問題となっていた様だ。

しかし問題は先送りされ、とうとう決着の日が来たのである。問題を先送りして上手く行くのは、将来世代が優秀(或いは進歩するから)で、画期的な解決法がある、と期待したのだという事なのだが、そんなことはなかった。単なる無責任に終わった。

なお領土問題の場合には、問題を先送りするのは国家の長期的な戦略である。

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加熱式たばこ-禁煙巡り対応ばらつく [エッセイ]

JTが一部地域で販売している加熱式たばこ。吸った時に蒸気は出るが、火を使わないので煙は出ず、臭いも少ない。火を使わず、煙や臭いが少ない「加熱式たばこ」を紙巻きたばこと同様に禁煙の対象とするかどうかで、飲食店や自治体の対応が分かれている。

加熱式の位置付けを規定するはずだった受動喫煙防止強化の法案提出が今国会で見送られる方向となり、当面は個別の判断にゆだねられる。禁煙推進団体などが対策を求める一方、たばこメーカーは「健康上のリスクはあるが、有害な化学物質はほとんど検出されない」と紙巻きとの違いをアピールしている。2017/6/1 京都新聞

筆者は既に35年前から煙草をやめているので、「加熱式たばこ」なるものについては聞いたことはあるが、どの様なものなのかは詳しくない。火を使わないから煙が出ず、受動喫煙が無くなることや、本人にとってもニコチンやタール分の摂取が著しく少なくなるというそうである。

煙草の受動喫煙については既にWHOもその害を表明し、欧米では公衆の場所では煙草を吸う事は出来ない。企業も喫煙を認めていると、受動喫煙した従業員から訴えられ、極めて高額の賠償金を支払う事になっている。

従って煙草メーカーではこの「加熱式たばこ」は悲願の開発なのであったのであろう。しかしながらことはそう簡単には認められていないようだ。煙は出なくとも喫煙者の呼吸にはニコチンなどの成分が微量ではあるが含まれているので、長期間にわたっての安全性について検証されていないことが反対理由である。

刑事事件では「疑わしきは罰せず」であり、有罪とするには疑わしいだけでは駄目で、明確な証拠が無ければならない。しかし「公害裁判」では、原告の被害者は個人で化学的な知識は少ないことから立証するのが難しく、且つ、推定有罪が判例となっている。「加熱式たばこ」も同じ、という事である。

煙草をやめた人は特に煙草の匂いが気になるようで、筆者は少しでも煙草の匂いがすると避けるようにしている。しかしこの「加熱式たばこ」の臭いはどうなのか知らないので、一度経験したいものだ。と言うのは何も愛煙家の言い分を少しは理解しようという訳ではなく、煙草メーカーが自信を持って開発したのであればそれを確かめたいからである。

そして臭いを感じない程度であれば、煙草メーカーに嫌煙者が納得するような実験とか計測をしてもらいたい。巨大メーカーなのだから十分その能力は有るはずである。そして例えば「PM2.5」の1/100(?)で、「東京の空気」とほぼ同じ、等のデータであればかなり説得力はあると思う。

煙草メーカーに安全である実証が出来ないのであれば、公害訴訟と同じことである。

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築地市場の豊洲市場への移転-37(41本目) 都知事、「豊洲に市場移転」「築地を再開発」の基本方針表明 [豊洲市場問題]

築地市場の豊洲市場への移転問題で、小池百合子知事は20日午後、臨時の記者会見を開き、中央卸売市場を豊洲に移転する基本方針を表明した。一方、築地市場については「築地ブランドを守っていく」として、5年後をめどに市場機能を残した「食のテーマパーク」とする再開発を行い、築地に戻ることを希望する仲卸などの業者を支援するとした。2017/6/20 産経

専門家会議、豊洲市場プロジェクトチームの答申を受け、市場のあり方戦略本部での討議を経て、昨日緊急記者会見で方針を示した。「築地を守る」「豊洲を生かす」との考えで、築地を売却するのではなく、両方利用するのが賢い選択だという。

筆者はLiveでは視聴してなかったので直ぐネット画像を見たが、結局どうするのか理解できなかった。筆者の理解能力、聞きとる力が衰えたのかもしれないが、メディアの伝え方も様々であった。大手の新聞でいえば、築地は食のテーマパークにするというものから、豊洲に移転はするが再び築地に戻る、と報じるものまであって、筆者の能力のせいではない事が分かった。

「言語明瞭意味不明」と言われた元首相ではないが、昨日の会見でも知事はスライドを使いながら言語明瞭に方針を話していた。しかし「意味」は理解出来なかった。又、あくまで方針であって、決定権は都議会であるとし、築地に戻るかは業者の経営判断如何である、とのことであった。

知事は会見の中で「鳥の目で見て判断する」と言った。分かり易く表現したのだろうが「俯瞰的に」と言えば良い事で、この程度の言葉が分からないことは無い。安全やコスト、工期などの問題がある場合、それらは「トレードオフ:相反」の関係があるから判断が難しい。筆者は「総合技術監理」部門の技術士であるが、そうした複雑な問題に対して「俯瞰的に」考えていく能力が求められて作られた資格である。

なるほど築地市場の豊洲市場への移転には、複雑に相反する事柄があるように見える。従って「俯瞰的に」考えての結論なのだろうが、果たしてそうか?豊洲への移転については25年も検討、協議の結論であったはずである。しかし豊洲の汚染度対策が専門家会議の方法に従わなかったから生じた問題なのである。そして今からでも再三筆者が提案する「流動化土」による埋め戻しを行えば、専門家会議の方法と同等の安全性が得られるのである。

豊洲対策案.jpg

「流動化土」による埋め戻し


技術的に解決できるのに、ここまで問題となったのは政治家である都知事の責任ではないだろうか?

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ダム放流、下流で親子が流される-新潟県加治川治水ダムで事前連絡なし [建設関連ニュース]

新潟県新発田市の滝谷森林公園で17日午後4時ごろ、加治川の中で水遊びをしていた男児(9)と母親が流される水難事故があった。親子は救助されて軽傷。約4.5km上流にある県管理の加治川治水ダムが、羽越水害50年の記念行事にともなって放流量を増やしたのが原因だった。

県河川管理課によると、17日午後2時ごろから45分間、放流量を一時的に減らして行事の参加者に放流の様子を近くで見せる「観光放流」をした。その後、高まった貯水池の水位を下げるため放流量を通常の2倍以上に増やしたが、下流への事前連絡やサイレン警告なはしなかった。

男児は流された直後に公園職員らが浮輪を投げるなどして救出され、母親は100m流されて自力で川岸にたどり着いた。男児はひざにすり傷を負い、母親は低体温症と診断された。通常30~40cmの現場の水深は、事故時は85cmほどあったという。同課は「観光放流は今回が初めてだった。下流に伝えるべきだった」と話す。2017/6/18 朝日(写真は新潟県河川管理課提供)

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加治川治水ダムの観光放流の様子

ダム放流を知らされず.jpg

加治川の滝谷森林公園付近

19日には新潟県新発田地域振興局長が記者会見して「想像力が欠如していた」と陳謝し、事故を招いた責任を認めた。謝罪の「想像力が欠如」とはどういう意味なのだろう。本来は「管理体制が機能しなかった」もしくは「判断基準が間違っていた」或いは「判断基準が無かった」の何れかを明確にするべきである。

筆者には「想像力が欠如していた」からは「想定外」という言い訳を思い出す。今までの常識や災害時の教訓は、法律や管理基準等になって公にし、管理をしていくことなる。ところが「想定外」であれば、法律や管理基準が無かった言い訳になる。局長は「想定外」を使いたいところであるが、放流すれば河川の水位が上がるのは自明だから、「想像力が欠如していた」と言い方を変えたように思えるのである。

100歩譲って「想像力が欠如していた」の解釈として考えられるのは、建設現場での朝のミーティングでの「KYK」である。「危険予知訓練」の頭文字なのだが、その日の作業で考えられる「危険」を「予知」して予防しようという、全員参加の安全確認である。「予知」は想像力の一つである。しかし局長が言い訳に使うとなれば、それは「担当者」の「予知能力」が無かった、という事である。

大体、ダムからの放水によって下流の水位がどの程度上昇するのかは水理学の基本である。滝谷森林公園付近の河原は水遊びするのだから当然勾配の少ない場所であろう。勾配が少なければ水流速度は小さいから、水量が多くなれば容易に水位は上昇する。建築屋の筆者にも分かることである。まして土木技術者であれば基礎的なことなのである。

筆者も黒部ダムの迫力ある観光放流を見て、大げさにいえば「自然と人間の共生」を思い感銘を受けた。これから暑い夏がやってくるから、県としては観光放流で客を呼ぶようにしたいのだろうが、もうその目論見は崩れ去った。17日の放流を見た観光客は、下流で母子が流されたことを知り、さぞ後味の悪い思いをしたのではないか?

まったくもって情けない管理体制である。

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渋谷駅東口再開発工事で鉄骨落下-鉄骨ではなく「仮設H形鋼材」 [建築事故]

18日午後4時45分ごろ、JR渋谷駅の再開発事業の工事現場で鉄骨が倒れた。警視庁渋谷署によると、けが人は確認されていないという。

同署によると、再開発事業の工事で、足場に使っていた大型の鉄骨1本が落下した。鉄骨は工事現場と歩道を区切るフェンスの上に倒れかかって止まった。フェンスは歩道側に曲がり、鉄骨は歩道に突き出た状態という。事故当時は足場の解体作業中だったといい、同署は詳しい事故原因を調べている。

現場は駅東口のバスターミナル近く。都営バスの係員が「鉄骨が崩れている」と110番通報した。渋谷駅周辺では再開発事業に伴い、高層ビルの建設や、駅の出入り口や関連施設などの改修工事が進んでいる。2017/6/18 産経(写真も)

渋谷駅東口で鉄骨落下 再開発工事エリア.jpg

JR渋谷駅東口の再開発工事エリアで、鉄骨が崩れて落下した現場

渋谷駅前の再開発事業であり、バスターミナルや通行人が多く、難易度の高い建築現場である。現場としては安全管理に尤も心血を注いで工事を進めていたのであろう。しかしながら今回の事故が起きてしまった。幸いにもけが人は出ていないようなである。

記事によれば「足場に使っていた大型の鉄骨」が落下したとある。「大型の鉄骨」というと建物の部材のように思えてしまうが、「鉄の骨」であれば建物本体である。正確には「足場に使っていた大型のH形鋼材」と書くべきである。

この様に細かい事を説明するのかは、本体鉄骨が簡単に落下するのは極めて稀なのである。まして15tonもある「鉄骨」であれば、吊っていたクレーンも反作用で転倒したり、或いは取りついていた本体鉄骨に損傷が生じる事故となるからである。

このH形鋼材は外壁の足場を受けていたものらしい。本来足場は地上に足場板等を敷いて、その上から立ち上げていく。しかし足場は往々にして地上部分で邪魔となることがあるから、その場合、出来上がった建物から「ブラケット:建築用語では壁から出た腕」を出してその上にH形鋼材を載せ、足場を構築する。

普通の現場で使われる仮設H鋼材は、H-300×300、350×350、400×400が多い。これらの鋼材は使い勝手が良いから、重仮設業者のストックが多い。何故使い勝手が良いかと言えば、H形鋼材の高さと幅が同じで、「転びにくい」のである。又、荷重を支える時、支持間隔が大きいと「曲げ座屈:サンブナン座屈」するのだが、フランジ幅が広いと座屈の恐れが無い。こうした理由で、フランジ幅が広い鋼材は、「転び」や「座屈」の心配なく、重ね合わせて組み立てられるである。

しかるに写真で見ると落下したH形鋼材は、おそらく高さが900㎜、幅は300㎜のように思える。このように大きい鋼材を使ったのは、通常の支持間隔ではなく、10m以上の下部空間が必要だったのであろう。問題は誰がこの計画、その為の仮設構造計算をしたかである。

構造設計者であれば、このような900mmもある鋼材を使うのであれば、「曲げ座屈」を防ぐために「横架材」を使い、又、支持部分には「スチフナ」を入れて「局部座屈」を防ぐ。「転び」については。そもそも鋼材を上に座らせる使い方はしない。

最近は重仮設業者の社員が計画や、その為の仮設構造計算を行う事が多い。ゼネコンにとっては多少高くはなるが、全て重仮設業者に依頼して方が楽であり、又、事故が起きた場合の責任は管理責任(それでも重大である)だけで済む。はたして今回の事故の原因はどうなのであろう?

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「千年に1度の豪雨」による被害予測-淀川水系の想定公表 [建設関連ニュース]

国土交通省近畿地方整備局は14日、大阪府、京都府を流れる淀川(宇治川を含む)、木津川、桂川で洪水が起きた場合の新たな浸水想定区域を公表した。「千年に1度」の豪雨の場合に家屋が押し流されるなどして倒壊する危険性が高い区域を新たに示し、面積は大阪、京都の17市町の55.5km2に及ぶ。

各地で相次いだ想定以上の豪雨災害を受けて2015年に改正された水防法により、国交省は災害規模の想定を「千年に1度」に変更。淀川水系で基準となる大阪府枚方市の上流域での最大降雨量を、2002年の想定で使った「2日間で500mm」から過去最大を上回る「24時間で360㎜」に変え、近畿地整が管理する部分について浸水想定区域を示した。

その結果、最大で約230カ所の堤防が決壊し、大阪府と京都府の27市町で浸水被害が発生。浸水面積は大阪市の面積(223km2)を上回る計265km2と予測した。想定する降雨量は増えたものの、2002年の想定時よりシミュレーションの精度が100倍に向上したことで、浸水面積の想定は316km2から縮小した。

最大の浸水の深さは、京都府木津川市で8.9m、宇治市で8.7m、大阪府高槻市で8m、大阪市旭区で7.2mとなり、20市町で家屋の2階が水没する5m以上の浸水が発生。JR大阪駅周辺でも最大2.5mの浸水が予測された。2017/6/15 朝日

「千年に1度の豪雨」発生したら.jpg

最大2.5mの浸水が起きた場合のJR大阪駅周辺のイメージ(国土交通省提供)

近年の地球温暖化を原因とする気候変動により、日本もここ数年、集中豪雨が各地で発生し、土砂崩れや土石流による被害等深刻な災害となっている。そして河川が増水し堤防を越えて広域の浸水被害も最近多いようである。

2015年台風18号は9月9日に東海地方へ上陸したのち、同日夜に日本海で温帯低気圧になった。この台風による直接的な被害は大きくなかったものの、関東地方北部から東北地方南部を中心として24時間雨量が300mm以上の豪雨となり大規模な被害をもたらした。

茨城県常総市付近では10日早朝より鬼怒川の数か所で越水や堤防からの漏水が発生し、午後には常総市三坂町で堤防が決壊した。これにより常総市では鬼怒川と小貝川に挟まれた広範囲が浸水し、死者2名、負傷者40名以上、全半壊家屋5000棟以上という甚大な被害を受けたのは記憶に新しい。

日本では山が多いから、河川の土砂運搬作用によってできた扇状地に田畑や街ができている。扇状地は謂わば河川の氾濫によってできたのだから、集中豪雨となれば洪水が起きるのは自明である。しかし先人は治水工事を人力で連綿と続けてきて現在に続いている。流石に現代の治水工事は機械化作業で工期は短くなったが、奈何せん工事には財源が必要であり、簡単に「スーパー堤防」は出来ないのである。

この記事は大阪府が浸水する可能性を検討したものであるが、2000年9月11日から 12日を中心に愛知県名古屋市およびその周辺で起こった豪雨災害を教訓にしたのであろう。筆者は確か浸水被害の1週間後位に大阪に出張した時、新幹線から見た名古屋市内の惨状は目を疑った。未だ氾濫時の漂流物や浸水して使い物にならない家財が道路にあふれていたのである。

「1000年に一度」の水害予測と言うのは、おそらく大地震が今や100から200年に一度という建築基準法の想定が、「1000年に一度」の地震も「想定外」と言えなくなりつつあることを意識したのであろう。大地震対策として断層上の建物はともかく、耐震工法は技術的に可能である。しかし洪水対策は「堤防」が前提だから、やはり財源の問題がある。この公表は国民の理解を得る為に、2020年後はやはり国土強靭化に財政支出することの布石なのだろう。

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災害時の物資拠点半数が床の強度不足や電源無し-混乱の時に頼れる災害拠点ではないか [大地震対策]

災害時に避難所や市町村に支援物資を振り分けるため、都道府県が設置する予定にしている「広域物資輸送拠点」の半分にあたる64か所で、床の強度が不足していたり非常用電源がなかったりして、機能しない恐れがあることが、16日に閣議決定された防災白書で示された。

調査は昨年10月、各都道府県の輸送拠点128か所を対象に内閣府が実施。〈1〉フォークリフトの重みに耐える床の強度〈2〉非常用電源の配備――など、国の中央防災会議が決めた施設基準を満たしているのかを調べた。

内訳では、このうち半分の64か所で基準を満たさず、南海トラフ巨大地震で大きな被害が想定される東海、近畿、四国、九州の10県でも、22か所(47%)で基準を満たしていなかった。床に鉄板を敷いたり、非常用電源を他から持ち込んだりして対応するという。2017/06/16 読売

首都圏直下、東海・東南海・南海地震の発生確率が高まっている中、新たな不安が判明した。「広域物資輸送拠点」がどこにあるのか筆者は寡聞にして知らないが、県ごとに設置、もしくは機能を有する建物があるのだろう。

しかしこの記事によれば、いざ巨大地震が発生した時多くの人が、住むところもその日の食料、寝具も失くしていることだろう。広報では少なくとも3日分の水や食料の備蓄を警鐘しているが、広域的な大地震ではとても3日で全ての避難者へ食料などを配給は出来ない。そのような事態にならないよう、「広域物資輸送拠点」があるのだろう。

記事ではフォークリフト荷重と非常用電源などについて問題視しているが、確かに「広域物資輸送拠点」であればその通りである。フォークリフトについては「豊洲市場」でも床の強度が問題視されたが、物資等の積載荷重(780kg/m2以上)に加えて、フォークリフトの動荷重が加わるから十分な検証な必要である。結論からいえば、建物用途としては「重量物用倉庫」として設計されなければならない。

非常用電源については、これも巨大地震の際には停電になることは間違いないであろう。電力会社の方で断線による火災を防ぐために電源を遮断するからである。或いは原発のように自動で停止する。従って自家発電が必要なのであり、例えば六本木ヒルズは自家用だけでなく、他の建物までも供給可能な発電能力があるそうだ。

「広域物資輸送拠点」に必要な機能は他にも考えられる。通信設備としては衛星中継を使える設備が必要である。電話回線やネットケーブル、携帯電話の為の中継基地なども巨大地震ではおそらく使えないからである。又、非常用の水や食料、毛布に加え、医療薬品も備蓄が必要である。筆者は阪神大震災の直ぐ後に視察した際、ヘリコプターで医薬品を運ぶのを見ている。

大地震に備えるべきことは全て行うのが重要で、それでも実際起きた時には「何か足りない」ことや「使えない」ことはあるのだろう。その時には皆で「知恵」を出すしかない。周りを見渡せば、様々な技術、技能を持った人たちが暮らしているのである。

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湧き水持ち帰り、小学生ら43人が発熱など発生-新潟県妙高市猪野山の湧き水 [エッセイ]

新潟県は5日、妙高市猪野山の山中で、わき水を飲んだ小学生とその家族43人が発熱や下痢などの症状を訴え、12人からカンピロバクターが検出される食中毒が発生したと発表した。全員快方に向かっているという。

県によると、市内の小学校の3年生66人は5月26日、地域に伝わる水を調べる校外学習の一環で同所を訪れ、引率教員と共にわき水を飲んだ。児童がわき水をペットボトルに入れて持ち帰ったところ、飲んだ家族も相次いで発熱や下痢を発症した。3人が一時入院したが全員軽症で快方に向かっているという。カンピロバクターは野生生物などが保菌し、動物に汚染された河川にも生息している。

県は、湧き水を煮沸せずに飲用する授業は不適切だったとして同校を指導。わき水の近くには「生で飲まないように」などとする立て札を設置した。県は、「井戸水や湧き水の水質は変動するので、煮沸してから飲むように」と呼びかけている。2017/6/6 毎日

筆者は山登りも海水浴も嫌いな無精者だから、記事の様な被害に遭う事は無い。それでも高校生の時クラスで大した山ではないが、山登りをしたことがあった。引率の教師は理科が専門で、地学なども教えていたから登山も趣味らしかった。そして山登りの途中に湧水があって、手で掬い、口の中で漱いでから飲んでいた。

その時の説明では、口中で漱ぐことにより唾液が出て、殺菌してくれるとのことであった。それを信じて、皆、漱いで飲んだ。夏だったので山とはいえ暑く、喉が渇いていたから湧水の冷たさは格別だった。47年も前のことである。

その時クラス誰もがお腹を壊すことは無かったが、それは今から考えれば「口で漱いだ」からではなく、まだ山が奇麗で、例えば湧水の上流に、山に生息する動物の死骸など細菌が増殖するようなことが無かったのであろう。又、山は豊かで落ち葉が堆積して、降雨はその堆積した層を浸透し、更に地中で浄化されていたのであろう。

しかし今の日本の山は昔の里山ではなくなりつつある。恵の山ではなく危険が多い山になりつつあると思う。土砂災害や、イノシシ、熊など木の実が十分ではなく、人里に降りてきて田畑を荒らしたり、人家に来て食物を漁るのである。湧水も汚染が進んでいるのではないだろうか?

筆者には里山を守るためにできる事と言えば、箸や楊枝は中国産ではなく、国産のものを探し出して購入するくらいである。国土交通省もようやく国産木材を使うような政策を始めているが、なんとか広まって欲しいものである。

ところで記事の話に戻れば、これからは湧水を飲むのであれば、浄水機能が付いた携帯用ボトルを使うべきである。大地震発生時には水道は断水するから、川が近くにあれば浄水機能付き携帯用ボトルは役立つだろう。川が無い地域では、日頃から空いたペットボトルに水道水を口元まで入れてキャップして(空気を入れない)備蓄する。いざという時には浄水機能付き携帯用ボトルに入れて飲めば良い。安上がりの非常用水になる。

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ロンド高層アパートで火災-12人*の死亡確認、18人*重傷 [建設関連ニュース]

英ロンドン西部のノースケンジントンにある高層アパートで14日午前1時(日本時間午前9時)ごろ、大規模火災が発生した。多数の住民が逃げ遅れ、ロンドン警視庁によると、6人の死亡が確認された。出火原因は不明。炎は一時、建物全体を包んだ。

消防当局は消防車約40台、隊員約200人を現場に急派。当局者は「5カ所の病院に少なくとも30*人を搬送した」と語った。日本の外務省によると、邦人が火災に巻き込まれたとの情報はない。

アパートは、ケンジントン・チェルシー区が管理する公営住宅で24*階建て。200人(?*)以上が住んでいるとみられる。避難した住民によると3階から出火し、20~50人が行方不明になっているもよう。建物から飛び降りた人もいたという。

アパートは1974年に建てられ、5年ほど前に一部が改装された。工事に問題があったのか改装後、ガスに引火などして6階部分から火災が発生し、住民が消し止めたことがあったという。警察当局は、改装工事と今回の出火の関係について調べている。2017/6/14 産経 *:筆者変更

Grenfell Tower.jpg

Grenfell Tower in west London(Googlemap)

まさか世界に冠たる先進国の英国で、この様な大火災が起きようとは誰もが思わなかったのではないか?文化、文明をリードしてきた英国は1167年にオックスフォード大学を創立し、ノーベル賞受賞者の数は人口比でいえば米国より多い。ちなみにオックスフォード大学生は1208年創立のケンブリッジ大学を新しくできた大学、というそうだ。

この火事は世界中で報道されているが、火災原因は後述するとして、気になったのが建物が24階とか27階であるとか、定かでないことである。英国では1階がグランドフロア、2階が1stフロアと言うせいだろうか?しかし3階も違うのが解せない。

又、建物の構造が伝えられていない。日本で高層住宅の火災であれば、階数と共に建物の構造を伝えるのは常識である。筆者の感覚では「鉄筋コンクリート造」であれば、なんとなく火災に強いイメージがあり、「鉄骨造」は911のWTCを思い出すのである。英国では「建物の構造」はあまり関心が無いのだろうか?

火災の出火原因はこれからの調査であろうが、瞬く間に全ての階に延焼したのは外壁が耐火構造になっていなかった、と思われる。外壁材が表面は金属であっても、裏に「耐火材」が無かったのではないだろうか?外壁には「断熱性能」も要求されるので、裏打ち材は必要なのだが、断熱性能があり、且つ耐火性能も必要なのである。もし断熱性能に優れる「発砲ウレタン」だとしたら、「燃え草」である。

日本では外壁の耐火構造として、外壁材が1~2時間耐火の材料を使用し、開口部がある場合は、上下の開口部は90㎝以上離す必要がある。上下の開口部の間の部分を「スパンドレル」と言う。この規定によって、下階の火災が上階に延焼しない、とされる。なおベランダがあればスパンドレルの規定は適用されない。

以上はあくまで推定なのだが、この高層住宅は約12億円かけて改修したそうである。英国の建設需要は改修工事の比率が高いから改修工事は茶飯事であり、建設業者も得意なはずである。改修の設計者、施工者の責任が今後問われることになる。新築工事が少ないから、英国の建築学科は人気が低く、建築界のレベルが低い事はないだろうか?勿論世界的に有名な建築家はいるのだが。

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増やせ「ドボジョ(土木系女子)」-秋田県県発注工事に女性登用義務 [建設関連ニュース]

秋田県は今月から、建設業で女性技術者の登用を義務づける県発注のモデル工事を東北の自治体で初めて導入する。建設業界は男性が働き手のほとんどを占め、担い手不足が深刻だ。新たな試みで女性の活躍が進むかどうか、期待が集まる。

県のモデル工事は今年度は道路や河川の改良工事など4件が対象で、発注額は4000万円以上を想定。現場監督を行う「主任技術者」などの役職で、女性を最低1人以上登用することが入札の条件になる。女性専用トイレや更衣室の設置も条件とし、労働環境を改善させる。

県建設業協会の会員企業259社のうち、女性技術者は66人と全体の2%(昨年11月時点)にとどまる。求人数に対して毎春の新規高卒者の就職者の割合を示した「充足率」は、県内建設業で2010年に73%だったのが17年には21.7%に落ち込み、主要産業のなかで最も低い。景気の回復基調などを背景に急増する求人数に、就職者が追いついていない。

県では来年度以降、女性技術者の登用を義務づけるモデル工事の対象の拡大も検討しており、県技術管理課の田口郁夫課長は「『3K(きつい、汚い、危険)』のイメージを払拭し、女性や若者の業界就職を増やしたい」と意気込んでいる。2017/06/11日 読売

「ドボジョ」はあまり語感が良くないのだが、長く建設業に身を置いた筆者としては、どの様なアイデアでも良いから建設現場に女性が増える事は良い事だと思っている。例えば多くの大学で「土木学科」を「社会基盤学科」「国土政策学科」等と名称を変えて、従来の土木のイメージの刷新を図っている。

筆者の経験では建築現場に女性が入ってきたのは新しい事ではなく、筆者が会社に入って初めて配属された現場にも女性はいたのである。ただし建物がほぼ完成して、室内などの清掃作業であった。もう危険な作業は無く、清掃は女性に向いている作業でもあった。しかしこの作業は「建設作業員」という感じではないように思える。

女性が建設作業員として現場に入ったのは、おそらくコンクリートミキサー車の運転手であったように思う。大型特殊を運転してきて、現場の作業員と共同でコンクリートを流し込む光景は新鮮な気がしたものだ。当時筆者はもう管理部門であったから、現場担当者に詳しく聞いてみた。

担当者いわく、女性が現場に来るようになって、他の作業員の服装が「洗いたて」のように奇麗になった、とのことである。勿論、若い作業員が最初に反応したのだが、それは徐々に年配の作業員にも反映されて、何時しか言葉使いも丁寧になった。

男女同権は国際的な問題であり、日本もあらゆる分野での女性の活躍が期待されている。筆者も賛成であるが、重労働まで女性が進出するのはどうかとも思う。現在もそうだと思うが、昔ソ連では鉄道工事現場で女性も残土を手押し車で運んだり、軌道レールの据え付けをしている映像を見たことがある。ソ連の女性は日本の軟弱な男より力が強いかもしれないが、何か違和感を覚えた。

だから筆者には建築現場において、「鳶工」や「鉄筋工」のように人が重いものを持ち、移動しなければならない作業には女性は向いてないと思う。ただし鉄筋作業には「結束作業」があって、これは鉄筋が交差している部分を「結束線」で緊結する作業である。これは数が多いのだが、女性に向いているように思える。実際20年以上前から現場で見かけたことがある。

建築現場で女性に向いている作業はおそらくかなりあるはずで、全作業員に占める女性の数が多くなれば建設現場は格段に雰囲気が良くなるのは、筆者の経験上も首肯する。しかしその為には女性用の着替え室やトイレをお洒落とまでいかなくとも、見た目クールにしたいものだ。

筆者は建築屋だから建築現場のことしか詳しくないので、肝心の「ドボジョ」に関して書いてこなかった。土木現場も基本的には建築と同じはずであるが、例えばトンネル工事はどうだろう。トンネルは山に孔を開ける工事である。山の神様は女性だから、神様に嫉妬されるのを慮ってトンネル坑内には女性は入れない、と聞いたことがある。

多分今ではトンネル坑内に女性も入れるようになったと思うが、何しろ今は「同姓婚」の時代だから、山の神様も許してくれるだろう。

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