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洋上風力発電所、茨城沖に建設へ-首都圏最大級 [環境問題]

東京ガスと日立製作所が、茨城県沖合で首都圏最大級となる洋上風力発電所の建設に乗り出すことがわかった。20万~30万キロ・ワットの発電能力を見込み、2020年代半ばの稼働を目指す。建設を通じて技術力を高め、国内でまだ少ない洋上風力発電の普及に弾みをつける。

候補地は茨城県神栖市の数百メートル沖合。出力5000キロ・ワットの風車であれば、40~60基が並ぶ。平均的な家庭で最大約15万世帯の年間の電力消費をまかなえる。事業費は1000億円を超える見通しだ。風量が年間を通じて安定している洋上では、陸上に比べて風力発電の発電効率が高い。近くに民家がなく、騒音問題も起きにくい。

洋上での風車建設や送電線の設置に多額の費用がかかることが課題だった。しかし、再生可能エネルギーによる電気を電力会社に買い取らせる「固定価格買い取り制度」で、14年度から洋上風力発電は1KW時あたり36円と陸上の同20円程度より高く設定されており、両社は巨額の事業費となっても採算が合うと判断した。年内にも具体的な計画を固める。2017/9/19 読売新聞

風力発電はダム、太陽光、地熱と並んで自然エネルギー利用の優等生である。しかし設置場所についてはまず、年間を通して平均風速が6m/sec.以上が一般的な採算分岐点である。従ってその様な風の強い地域は限定される。更には近隣住民への低周波振動や羽根切音等の影響が指摘されている。これらについて洋上風力発電所は下図のように長所、短所が示されている。

洋上風力発電所、茨城沖に建設へ.jpg

洋上風力発電所の長所、短所(読売)

洋上発電では図にあるように海底に基礎を作る必要があり、海底までの深さがあまりに深いと、基礎だけでも巨大な構造物になってしまう。幾ら人が居住しない工作物とはいえ、安全性は確保しなければならない。台風時の風荷重や、波浪に対して十分な安全率を持っていなければ、倒壊してその後片づけ費用まで考えると、コストはかなりかかるのではないか?

風力発電所はEU諸国では相当進んであり、自然の中に数十基(100以上?)も風車が並んでいる風景が或る。山間では風の通りが悪いはずだが、山の頂上近くに建てているところもある。筆者から見ればせっかくのEUの風景が興ざめに見えるのだがどうであろう。又、山間では人は住んでいないだろうが、動物たちには迷惑に違いない。

その点では洋上発電は自然の風景を損ねる事は少ないかもしれない。それでも海に沈む太陽を眺めるのが好きな人には、見たくない風景である。ダム建設では自然破壊と言われた。太陽光発電では森林伐採が問題となる。風力発電所はその点では少しは環境影響が少ない。

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現場勤務の思い出35-鉄骨工事-13 [建築施工]

鉄骨建て方の速度(歩掛り)はタワークレーンの場合、40~60P/日である。バラツキがあるのは施工環境や、鉄骨自体の複雑さ、そして小梁等をまとめて吊れるかどうかなどで変わるのである。

施工環境の一つに、鉄骨の作業エリアがどのくらい確保できるかがある。鉄骨は一般に早朝に全て現場に搬入したい。大型のトレーラーやトラックで搬入するためで、混雑した道路状況での運搬は問題がある。総重量が20ないし25tonを超える場合、道路管理者に予め特殊車両運行許可申請をする必要があり、場合によっては早朝の運搬を指定される。

その為現場では1日分の鉄骨をストック出来るヤードが必要となる。全ての鉄骨現場がその様な広い敷地ではないが、高層ビルの場合敷地いっぱいに高層棟が立つことは無く、大抵低層部なり「公開空地」が設計されているから、その部分を鉄骨ヤードにするのである。

広さは約300m2/基である。大体これくらいの面積があれば、40~60P/日の歩掛りで鉄骨建て方が出来る事になる。当現場でも1基は道路側の空地に、もう1基は低層部の屋上をヤードとした。低層部は鉄骨を先に建て、デッキプレートを敷いて仮設架台を組んでおいた。

鉄骨工事は工場で間違いない製品が出来、現場は十分検討した準備作業をしておけば、後は工程通りに進んでいく。特に(事務所用)高層ビルでは繰り返しの鉄骨作業となるから、3節(3階/節)くらいまで行えば後はゼネコンの社員にとっては「見ているだけ」のようなことになる。

最近ではゼネコンがやっていた鉄骨建て方計画もサブコンが行うので、鉄骨係は現場作業では溶接等の検査の立会くらいである。標準化が進んできた、と言えるのだろうが、施工系社員の技術力の低下が心配になる。何しろ現場をあまり見ていないのである。

筆者などは、昼間は現場に出ていて何時も鳶の職長(棒芯)にいろいろと鉄骨建て方の方法を聴いてものである。何しろ「日本一」といってもいいくらいの鳶なのである。JCC400があった前の現場で鉄骨建て方をしてきた鳶だから、そのころ有数の超高層ビルを相当数手がけてきた経験は貴重だった。最初は怖そうに思っていたが、ゼネコンの若い社員が頭を下げて教えてくれ、と言ったら喜んで教えてくれるのである。

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現場勤務の思い出34-鉄骨工事-12 [建築施工]

鉄骨の様な現場外での工場製品に対しては、工場に出向いて検査する必要がある。検査の目的は設計図書通りの製品が出来ているかであるが、その他にも工場自体の管理体制や設備機器といった工場の能力を調べる意味もある。

又、製造する前に「罫書:けがき」といって体育館のような広い室内で、床に原寸で鉄骨の製作図を書くことがある。これは設計図が意匠図と構造計算書を基に設計者がせいぜい1/20で書いたものなので、実際に組み立てるにあたり「手が届かない」「溶接棒が入らない」「現場でボルトが取り付けられない」などが起こらないか、を調べるのである。今では3DのCADで代用している工場が多い。

工場で製造するのに、スケールは重要な道具である。JIS1級は1/10000の精度を保証しているが、1/10000は随分少ないように思えるかもしれないが、例えば高さが200mの超高層ビルの柱では、±2㎝となるから、隣接した柱同士では最大4㎝の差がでてしまう。従って鉄骨製作では「テープ合わせ」と言って、現場と工場で使う50m(±5mm)の巻尺をいくつか用意して、ほぼ似たような長さのものを使う事にしている。この巻尺で製品は作られる。

工場検査に当たっては前もって検査日は決められているから、工場側は事前に自主検査を行い、万全を期して用意している。監理事務所の構造担当とゼネコンの社員とで検査を行うが、現場は忙しく、筆者も忙しいのだが何度も検査に行くことになった。監理事務所のベテランの構造担当と行くのは勉強になるので、毎回筆者は楽しみにしていた。

鉄骨検査の主な事項は寸歩精度と、溶接の出来栄えである。寸法間違いはめったには起こらないが、それでも丁度10㎜長さが間違っていた梁が1台あった。溶接については、溶接の「ビード」が奇麗な波のようになっているのは、熟練工の仕事である。奇麗な波のビード部分は、超音波探傷をしても欠陥はまずない。

40年も前だから、検査が無事に終わると鉄骨業者の営業から接待を受ける事があった。毎回ではなく、筆者の様な若輩は接待されなかった。それでも昼食は寿司や鰻重など御馳走であった。多分今でも昼食くらいは御馳走されているだろう。

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赤ちゃん19人に1人、体外受精で誕生-2015年の統計 [エッセイ]

2015年に国内で行われた体外受精によって、過去最多の5万1001人が誕生したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。赤ちゃん全体の19人に1人が体外受精で生まれたことになる。治療件数も42万4151件となり、初めて40万件を超えた。国内の体外受精児は、1983年に東北大で初めて生まれて以来、累計で48万2627人になった。

体外受精は卵子と精子を体外で受精させて子宮に戻す不妊治療。卵子に針を刺して精子を注入して受精卵を作る方法などが開発され、選択肢が増えた。特に、いったん受精卵を冷凍保存し、時機を見計らって母親の子宮に移して妊娠させる方法が多用されている。体外受精で生まれた子の約8割にあたる4万599人がこの方法だった。2017/09/16 読売

体外受精の治療件数と出生数.jpg

体外受精の治療件数と出生数(読売)

日本は有効な手だてが少ないまま少子高齢化の社会へと進んでいる。少子の主な理由は経済的なもので、正規社員ではない夫の収入では生計が成り立たず、奥さんも働くことになる。しかし保育園の絶対数が少なく、待機児童問題は遅々とした対策に留まっている。

この様な状況なので、結婚年齢が上がり、男女ともに子供が出来る能力が少しづつ低下してきて、報道の様な体外受精の治療件数になってきているのだろう。又、受精卵を冷凍保存して時期を見て子宮に戻す方法は、おそらく女性の勤務事情からの手段なのであろう。

千葉県浦安市では、若い女性が卵子を冷凍保存することに助成金を出す条例を成立させた。助成するのは年齢制限があるそうだが、医学的な根拠はともかく、たとえ若い時の卵子にしても冷凍保存した場合、妊娠する可能性はあまり高くないようだ。

こうした報道に接し思いだすのは、レイチェル・カールソンの「沈黙の春、1962年」であり、又、1996年シーア・コルボーンらの「奪われし未来、1996年」である。公害が大問題となった時代であるが、直接的な健康被害を引き起こす物質だけではなく、動物の生殖能力に影響がある物質が将来問題になる、と警鐘した著作である。

その影響のある物質は「環境ホルモン:内分泌攪乱物質」と言われている物質である。この研究はその因果関係が微妙な為、なかなか進んでいないようだ。筆者は全くの素人なので、これはネットでの情報であることをお断りする。

筆者は体外受精で誕生することは、その夫婦の人生にとって素晴らしい事であることは首肯する。子孫を残すことは生物にとって自然であり、人間にとっても子供を育てる事は人生に様々な色彩を増やしてくれるものだ。まして子供に孫が出来たら、それは明らかに自分の命が繋がったことを実感できる。

しかしながら体外受精での誕生は自然ではないことも確かであろう。自然な出産が出来なくなってきている原因が、結婚の高齢化や「内分泌攪乱物質」だとすれば、これは日本の将来を危うくする問題であると考える。

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町導入の中学校給食が「まずい」-食べ残す生徒続々 [エッセイ]

神奈川県大磯町が昨年、町立中学校で導入した給食事業を巡り、多い時でご飯やおかずの半分以上が食べ残される異常事態が続いていることが町への取材でわかった。

生徒からは「味や見た目が悪い」という“致命的な欠陥”を指摘する声が相次いでおり、危機感を抱いた町は生徒や保護者らを対象とした緊急のアンケートを実施。献立などの見直しを急ぐ考えだ。2017/09/14 読売

筆者も中学校ではなかったが、小学校の時は学校給食があった。昭和30年の後半である。当時は未だ日本は戦争からの復興途上であって、子供たちに十分な栄養をと言う事で提供されてきた。尤も学校給食が始まったのは1889年だそうだが。

筆者にとって小学校の給食は楽しい時間であった。「脱脂粉乳」という米国からの提供品は確かに美味しくなかったが、今から思えば「とても飲めたものではない」と言う事は無くて、今の「無調整豆乳」と同じ様なものである。人間は動物でもあるから、栄養が有る食べ物については本能的に食べられるのであろう。

流石に日本が高度成長を遂げてからは「脱脂粉乳」は牛乳に代わり、主食もパンだけでなく、お米や麺類も出るようになった。又、惣菜についても「スローフード」即ち現地で得られる食材を使うようにもなっている。「環境問題」についての実物の教材にもなっているのである。

筆者には学校給食は上記の様な経緯は好ましいものと思っていた。しかるに今回の報道である。下記の写真を見れば確かに見栄えはかなり悪く、更に味が薄いとなれば今の子供はジャンクフードの味に慣れているから、嫌われるのだろう。親の甘やかしがこの様な「もったいない」ことになったのである。何しろ貧困家庭では学校給食費を払っていないことが問題になっているのに、この様な無駄は学校給食の制度の存続を危うくする。

町導入の中学校給食「まずい」食べ残す生徒続々.jpg

国府中で残された給食。(7月、大磯中と国府中のPTA提供)

ところで大磯町では学校給食を地元産の食材で作るにあたって試食会を行い、関係者の同意を得ていた。次の写真が試食品であるが「豚肉と隠元、玉蜀黍炒め」「ツナと白菜あえ」「南瓜の甘味噌」「牛乳」「ご飯」に見える。牛乳をフルーツに代えれば、これは筆者の夕食の献立ではないか。

大磯町中学20151215の試食.jpg

大磯中学での試食(2015/12、神奈川新聞)

学校給食は今もなお教育的にも、朝食を食べず、ジャンクフードを食べたがる子供の栄養上にも必要である。家庭の事情があるから、お弁当は問題がある。従って学校給食の制度の存続の為にも、現在の給食が試食品と同じなのか、違うのかを検証すべきである。

味つけは分からないが、見た目が悪いのは写真から明らかである。「赤」が全く無く「緑」は目立たない。委託業者に問題があると思うので、選定に際し競争原理が働いているのか疑問である。

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外環道工事で談合の疑い-NEXCO2社が契約手続き中止 [建設関連ニュース]

東京外郭環状道路(外環道)の工事をめぐり、大手ゼネコンによる談合の疑いが払拭できないとして、工事を発注した東日本高速道路(NEXCO東日本)と中日本高速道路(NEXCO中日本)が、業者との契約手続きを中止していたことが14日、分かった。両社は公正取引委員会と警察庁に通知しており、公取委などが今後、事実関係の確認を進めるものとみられる。

外環道は都心の渋滞緩和などを目的に、東京都大田区から埼玉県を経て千葉県市川市までを環状に結ぶ計画の約85キロの高速道路。

東京都練馬区の大泉ジャンクション(JCT)と世田谷区の東名JCT(仮称)間で建設が進められており、このうち、中央自動車道と接続する中央JCT(仮称)付近の地下トンネル拡幅4工事で、談合の疑いが指摘されている。2017/9/15 産経

外環道工事は昨年10月21日に入札手続きの開始を公示し、一般の入札ではなく、総合的に評価する「公募型プロポーザル方式」であった。公募型プロポーザル方式では工事金額だけではなく、設計、施工までも提案するコンペである。公募に当たっては基本的要求事項のみが示され、例えばトンネルの壁の厚さだとか、施工方法についても提案することになる。

提案されたアイデアはコストに換算され、最終的な入札額から引いて評価されるから、設計内容、施工内容が良ければ入札金額が高くとも1位になる事がある。従って応募するにはゼネコンの総合的力量が試されることになる。

この「公募型プロポーザル方式」は公共工事が減少して入札での過当競争時代に、落札してもゼネコンに利益が出ないことから、ただ単に「安ければよい」という発想から脱却すべく、考えられたものである。

「総合的に評価する」のは公正なように思えるが、幾つかの問題がある。先ずは、提案内容の評価が簡単に数値化できないことが挙げられる。例えば「周辺地盤の変位を10㎜以下に押える」ことを幾らに換算するかであり、工期が20日短くなれば幾らなのか、一応換算は出来るのだろうが、そこには評価する審査員の主観は避けられない。

又、設計するには相当なマンパワーが必要である。大手ゼネコンの設計部員の単価は安くは無い。施工計画も然りである。今現在、建設業は仕事量が多く、作業員は払底しているし、ゼネコンの社員も多忙を極めている。

この様な時に多大なコストをかけて入札に臨むのは、あまりにリスクが多く、又、入札できても工期が短かったりすれば現場は大変なことになる、と言う事が容易に推察できる。その結果が「談合」なのだろう。

「談合」の一番の問題は不当な価格になる事である。今や情報化の時代だし、社内の内部告発の制度もできている。又、有価証券報告書も精査されるので、所謂「ぼろ儲け」の時代ではない。従って、ゼネコンの意識の中に適正価格であれば、A工事は丁度仕事の区切りの良いB社にしよう、という「談合」に対して罪悪感は薄いのかもしれない。

しかし、それでも「談合」は許されない。2020年以降、建設業は再び冬の時代になる。その時、道路工事など土木工事がゼネコンの活路になる可能性は高い。リスキーな海外工事より、なにしろ国内工事である。しっぺ返しされないよう、ゼネコンは襟を正すべきだ。

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現場勤務の思い出33-鉄骨工事-11 [建築施工]

地上鉄骨は順調に進んだのだが、その為にはかなり大掛かりな仮設作業が必要であった。それは「セミ逆打工法」の弱点であるのだが、GL-15mまでは切梁工法で掘削するために「乗り入れ構台」が必要である。しかし地上2階の梁が取り付けられると車両の通行ができなくなることである。

1階の階高は5.5mあるから、普通の逆打であれば1階のスラブで車両の通行ができるが、乗り入れ構台は1階FL+1.2mあるので、2階梁下端とのクリアランスは2.8mしかなくなってしまう。その為、現計画では2階の梁を約2m上の部分に仮設的に取り付け、3階床梁との間に仮設ブレース(C200×90))を襷にかける補強をしていた。

この方法だと乗り入れ構台上での揚重作業には空間としては狭く、梁とブレース自体を何カ所もやめる必要があった。逆打でも同じことなのだが、逆打では仮設開口部分のみ梁の取り付けを「駄目」にすれば良く、30mくらいごとの「駄目」で済む。

そこでこれも筆者の自画自賛なのだが、仮設ブレース(C200×90))をやめれば、仮設で取り付けた2階の梁の上にクレーンのブームを伸ばすことができる。その為に。2m上にウェブのみ(ピン接合)で取り付けられた梁を、曲げ耐力のある仕口にすることを考えたのである。

方法は柱には仮設のウェブの為のガセットプレートが付けられているが、更にフランジの為のガセットプレートを上下に取り付けるのである。柱からは3枚のプレートが取り付けられ、梁にはロケットの翼の様なモーメントプレートが付ける事になる。

監理事務所のベテランの構造設計者はこの提案を気にいって、直ちに承認してくれた。筆者は嬉しくて、一所懸命フランジ、ウェブのボルト群に対するモーメント、せん断力を計算した。設計耐力は、母材の半分と言うのが規準であった。

構造設計者は筆者の計算書を見て、わざわざボルト群として考えるのではなく、せん断力はウェブのボルト、曲げはフランジのボルトと分けて計算すればよいのに、と言われてしまった。勿論筆者の計算は間違ってはいないが、元々、設計耐力の設定自体が「工学的」判断なのだから、計算だけ精密にやってもあまり意味が無い、と言う事なのである。

この変更は乗り入れ構台上でのクレーン作業には必要なものであったし、コスト的にも仮設ブレース(C200×90))より大幅に低減することが出来た。ロケットの翼をもった2階の梁が入ってきたのを見て、みんな面白がった。承認してくれた構造設計者も同じであった。

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現場勤務の思い出32-鉄骨工事-10 [建築施工]

地上鉄骨の建て方が始まった。地下鉄骨では工事現場の外からは分からないが、地上鉄骨となるとどの様な建物になるか、第三者の注目を惹くことになる(?)。筆者は毎日出勤する時に鉄骨を見上げながらそのたくましい骨組みを見上げるのが楽しみであった。

地上の1節は3階の床までで、2階分しかなかった。しかし1、2階の階高は各々5.5、8.5mもあったのである。3階から上の基準階の階高は4mだったから、3階分以上の長さがあった。従って鉄骨としては最も重いのが、地上の1節の柱で、18tonなのであった。

タワークレーンはまだ1基しか出来てなく、乗り入れ構台上の200tmのクローラクレーンと共に鉄骨の建て方は行われた。650~750角の柱鉄骨は前の工事の柱がSRCで、H形鋼であったので、いかにも鉄骨造の高層ビル用の柱である。

筆者の担当は品質管理で、先ずは柱の鉛直度の確保である。「歪み取り」と言って「歪み取りワイヤー」を柱の頂部と対する柱の底部に斜めに掛けて、ターンバックルを使い柱の鉛直性を直しておく。普通は垂直に柱を建てるのであるが、この現場では少し異なっている。

それは梁と柱の接合が、ウェブは高力ボルトであるが、フランジは現場溶接のためである。溶接すると溶融金属が冷却されると収縮する。その収縮は1か所約1㎜である。従って前もって柱間を2mm長くしておく必要がある。これを「スパン調整」という。

スパン調整は2mm分長くした状態でウェブの仮ボルトを全て締めつけておく。この状態で柱の鉛直性を調整するのである。例えば5スパンを建てて溶接を行うとすれば、真ん中の柱2本は1㎜づつ外側に傾斜させ、最も外側の柱は5mm傾斜させるのである。この様にして溶接を行えば、最終的に全ての柱が鉛直度を保つことができる。

ウェブの高力ボルトフランジの溶接の管理方法は前のブログで書いたので省略するが、柱の溶接は通常の「レ形」ではなく「狭開先溶接」と言われているもので、開先は取っておらず、12㎜の隙間だけである。そこにガスシールド溶接を行っていく。この狭開先溶接は板厚さが厚くなってきたために開発された。板厚があると「レ形」溶融部分が多くなりすぎる、収縮の問題がある事、溶接時間が掛りコストアップとなるからである。

狭開先溶接は未だ一般的ではなかったので、事前に溶接工の技量試験も行い、更に溶接時には防風対策として回りをシートで囲って行った。溶接後の超音波探傷検査は全数行うが、更にレントゲン検査も抜き取りで行った。

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現場勤務の思い出31-鉄骨工事-9 [建築施工]

JCC400タワークレーン1号機は1階床梁に設置され、労働基準監督署の検査を受けた。検査は1か月前に予約し、変更は難しく緊張した日々の末に迎えることが出来た。本社の機械部の関係者が数人来て対応してくれた。検査は定格荷重の1.25倍のウェートを使って行われた。監督官はブームの中を歩いて点検もする。地上50mの、ラチスのブーム中の通路である。

検査は無事合格したが、筆者はその後自分もマストを登って運転席まで行ってみた。JCC400のマストは直径1.9mの円柱状で、中に梯子が取り付けられている。マストは36mあり、その上に運転席(旋回部)があった。旋回部には手摺が取り付けられており、筆者は下を覗き込んだ。

40m下のマストベース(4.3×4.3m、対角線長さは6m)はマッチ棒のように見えた。マストも上から見れば細い。この様な1本脚のクレーンの安全性について筆者は急に不安になった。要するに恐怖心からなのだが、今から思えば一本足の構造では「ねばり」「靭性」「エネルギー吸収」などの「余力」は無いのである。だから少なくともタワークレーンのマストを固定するアンカーボルトの安全率は6倍以上必要と思っている。

旋回部に登った筆者は脚がすくんでいて、運転席を見学することも、ましてや監督官が検査したブームの先まで行くことはなく、すぐマストの梯子を降りて行った。多分顔色は悪かったと思う。

タワークレーンはIHIが製造しておりマストのみで自立する設計をしているのだが、揚重をすると運転席は約30㎝前に倒れ込む。マストの曲げ変形に加え、受け架台(スパン12m)や本体鉄骨の梁も変形するからそれらすべてが頂部の変形を大きくする。

ベテランのオペレーターにとっても揺れは気持ち悪いし、鉄骨部材の取り付け作業には細かい操作が必要だから揺れは少なくしたい。その為「トラワイヤー」を取り付けている。ワイヤーと言っても普通の太さではなく、径は36㎜もある。ワイヤーは耐力があることは当然だが、鋼材に比べヤング係数は半分くらいで、伸びやすいので太径となるのである。

「トラワイヤー」は運転手の為であるが、タワーに上った筆者にとっても有り難かった。

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現場勤務の思い出30-鉄骨工事-8 [建築施工]

地下鉄骨がほぼ終わった時期に超高層用タワークレーン1号機が入ってきた。JCC400で、吊り能力は最大18ton、範囲は40m×10tonである。等現場の近くで終わったばかりの現場から来た先輩が言うには、その現場の柱は重量が少なく、JCC200を2基で揚重出来たそうだ。平面形状は似ているし、建物高さは同じである。

後で知ったことだが、その建物にはPC板の耐震壁があり、地震力をかなり負担しているようだ。また「動的振動解析」を行って、合理的な高層建物を設計した結果、鉄骨量が少ないのである。設計しているのは武藤清東大名誉教授の研究所で、今まで多くの高層ビルを設計しており、自信があったのであろう。

しかし当現場も厚さ6㎜の鋼板耐震壁がコアに配置されている。そして最上階にはコアの耐震壁から伸びるように同じく鋼板耐震壁が4列配置されていた。役員会になるので通路があるものの、広い事務所階とは異なっていた。前のブログで紹介した「ハット梁」であった。

当建て物は構造設計専門で多くの実績のある設計事務所の設計なのだが、高層建築は少ないらしく、耐震構造上余裕をもった設計をした様だ。その結果が柱の板厚は最大70mm、重量は18tonにもなったのである。設計者の「工学的判断」かもしれないが。

鉄骨建て方計画の中で、揚重計画は最も基本となる。当初、JCC400を1基、JCC100を1基とする計画であったらしい。しかしJVが組織され鉄骨係が検討した結果、工程上JCC400を2基必要となった。この検討は先の先輩が中心に検討したもので、JV内の了解を得て実施に至った。多分2基使った方が提供先のゼネコン(当時タワークレーンはゼネコンが保有していた)にとって残りの1基を遊ばせるより都合がよく、値引きしたようだ。

現場にJCC400の部材が次々に入ってくるのを、筆者は感慨深く見ていた。一つは前の現場のクレーンに比べ、いかにも新しく力強い外観であり、一方、その設置を検討した本体鉄骨の補強に問題ないか不安になった。不安をなくすために計算書は管理部門の技術部署にチェックを依頼していたのだが、回答は筆者が催促の電話をした時に「いいんじゃないの」と言う返事だけであった。

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